戦艦「大和」の最大の強みである46cm砲は、どのような効果がある砲弾をどれくらい遠距離の目標に砲撃できたのか? 運用とメカニズムに迫る!
世界最大の戦艦として日本軍が建造した戦艦「大和」の「伝家の宝刀」たる45口径46cm砲の最大射程は42026mにもなる。同時代に建造されたアメリカの新戦艦であるアイオワ級が搭載する50口径40.6cm砲の最大射程は38720mで、上回っていた。
ただしこれほどの遠距離になると、敵艦は「地球の丸み」の向こう側に隠れてしまい、砲を撃つ大和からは見えないので、アウトレンジ射撃を加える際には、自らが飛ばした着弾観測機による弾着修正が不可欠であった。そのため大和は着弾観測用に最大で7機もの水上機を搭載したが、これがかの「宇宙戦艦ヤマト」において、ヤマトが多数の艦上機(観測機ではなく戦闘用機体だが)を搭載する元ネタになっている。
砲弾の種類については、まず敵艦の装甲を貫くための徹甲弾として、九一式徹甲(きゅういちしきてっこう)弾と、それを強度面で改良した一式徹甲弾が用意されていた。また、一式徹甲弾には染料が内蔵されていた。というのも、砲戦に際して複数の艦が砲撃を実施した際、立ち上がった水柱に色をつけて、どの艦がどの砲弾を撃ったかがわかるようにするためで、大和は無色、姉妹艦の武蔵は水色だったという。
これら装甲を備えた目標を撃つための砲弾に加えて、非装甲の目標を撃つための砲弾も用意されていた。
まず零式(れいしき)通常弾だが、これは榴弾で、商船のような非装甲の船舶や駆逐艦のような軽装甲の軍艦、地上の目標、対空射撃などに使用した。これに対して三式通常弾は榴散弾(りゅうさんだん)で、ほぼ同様の目的に使用された。なお、どちらの通常弾も「通常」の2文字を省略して零式弾、三式弾と呼ばれることが多く、瞬発から55秒までの範囲で設定できる零式時限信管を備えており、対空射撃時などには、敵機の高度に合わせて起爆までの時間をセットした。
ところで、大和や武蔵の戦いについて記された当時の経験者による戦記を読むと、時にこの三式弾によってアメリカ軍機が編隊ごと撃墜されたような記述に遭遇するが、それはいわゆる「戦場における錯覚」のようだ。実際に撃たれた側のアメリカ軍の検証でも、同弾は空中で景気よく炸裂するものの、ほとんど対空効果はなかったと伝えられている。(白石 光)
戦艦大和の主砲の弾頭重量は1.5トンで発射速度は1分間に2発、アイオワ級の主砲は弾頭重量1トンで発射速度は毎分3発、1発の破壊力は大和が上だが、投射量としては同等、レーダーを使用した射撃統制装置の性能は米国が上なので夜間、あるいは悪天候時の砲撃戦では米側が有利だったかもしれない。ただ双方とも最大射程での砲撃戦ではなかなか有効弾が出ないだろうから距離3万メートル前後での戦闘になれば結果は分からない。三式対空弾は時限信管だったので敵編隊に対して砲弾の有効範囲内で撃発させるのが難しく航空機から投下する三式弾と同様になかなか有効弾を得られなかったようだ。それでもまぐれで当たるとそれなりに威力はあったようだ。大和、武蔵ももったいぶって港に泊めておかないでガダルカナルを巡る決戦の際にもっと使えばよかったと思う。当時は米軍の航空兵力もさほどではなく大和、武蔵の巨砲は陸上の目標に対して大きな威力を発揮しただろう。戦争末期に武蔵も大和も米軍の圧倒的な航空攻撃で撃沈されたが、元々大和型戦艦は味方の制空権下で艦隊決戦をするために作られた戦艦で戦争末期のような圧倒的な航空攻撃に耐えられるようには設計されてはいない。戦艦と言うと時代遅れの無用の長物のように言うのが多いが、火力と言い、抗堪性と言い、使いようによっては非常に大きな戦力を発揮したと思う。1万トン級重巡などは被害を受けるとすぐにダウンしてしまったが、戦艦と言うのはかなりの大被害にも耐えることができた。大和型もその他の戦艦ももっと活用すればよかったと思う。特に長門、日向、扶桑級は主砲を降ろしても高速化して活用すべきだった。残念ではある、・・(^。^)y-.。o○。
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Posted at
2022/06/08 18:00:18