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2022年10月02日

帝国海軍一式陸上攻撃機は一撃で発火墜落するような脆弱な機体だったのか、・・。

帝国海軍一式陸上攻撃機は一撃で発火墜落するような脆弱な機体だったのか、・・。 太平洋戦争で日本の双発陸上攻撃機の主力だった一式陸上攻撃機と言う機体がある。この攻撃機は双発で4発機なみの航続距離を備えた画期的な攻撃機で胴体を広胴化して爆弾や魚雷を胴体内に収納し、エンジンは大馬力の火星を装備し、速力の向上を図り、主翼内をインテグラルタンクとして4,000km以上に達する大航続力を得た。空気力学的洗練で大型双発機とは思えない軽快な運動性も有していたという。また防御火器も尾部に20mm旋回機銃を装備するなど先行する九六式に比べて防御火器を充実させたが、搭乗員を直接防護する防弾鋼板は重量軽減策から省略され、尾部以外の自衛火器は7.7ミリ機銃だったが、当時としては十分な武装だったという。

設計当時は高速力とと自衛火器で敵戦闘機を排除できるという「戦闘機無用論」が唱えられていたが、九六式陸攻が日中戦争の渡洋爆撃で敵戦闘機の迎撃でかなりの損害を出したことから防弾装備も挙げられたが、速力や高高度性能等の向上によって被弾確率を低下させた方が合理的であるとして防弾の優先順位は落とされたという。試作担当の三菱は金星四発機として防弾、防御装備を充実させることを海軍に提案したが、「余計なことを言うな」と海軍側に却下されている。それは米国のDC‐4Eを原型に4発爆撃機を試作しようと言う海軍側の思惑があったためと言われている。仮に金星4発の陸攻を試作して成功すれば米国のB-17並みの大型爆撃機になったと思われるが、国力の小さい日本では4発大型爆撃機の大量生産はできなかったかもしれない。

一式陸攻は長大な航続距離の要求を満たすために主翼内にインテグラルタンクを採用したが、このタンクの防御が不十分で一撃で発火墜落する「ワンショットライター」という不名誉なあだ名がつけられたという。海軍も一式陸攻の防御が不十分なことは承知で速力と航続力の低下を忍んで主翼下面外板にゴム板を貼りつけたり二酸化炭素噴出式の自動消火装置を装備している。これらの防弾装備は一定の効果はあったが、激化する戦況下では不十分であったためさらなる防弾装備の追加を検討したが、抜本的な対策はできなかった。最終型の三四型(G4M3)では、主翼の構造を根本的に改めてインテグラルタンクを廃止して自動防漏タンクを装備したが、航続距離が大幅に減少するなどの問題もあり、また当時は新型の陸上攻撃機である銀河の配備が進んでいたことや燃料タンク防弾の技術的な問題からわずかな生産機数で終わっている。

一式陸攻が本当に一撃で火を噴くような脆弱な爆撃機であったかについては異論がある。特に被害が多かったのは対艦船攻撃で1942年2月にラバウル空襲を行った米機動部隊攻撃では17機中13機を失っている。また第一次ギルバート諸島沖航空戦では7機中6機が撃墜されている。しかし戦闘機の護衛なしに鈍重な双発爆撃機に艦船攻撃をさせること自体が無謀なことで第一次ギルバート諸島沖航空戦に参加した1機は執拗な米軍艦船や戦闘機の攻撃に耐えて帰還するなど米軍側も一式陸攻の頑丈さを評価している。沖縄戦でも多数の一式陸攻が出撃したが、迎撃した米軍戦闘機パイロットは 12.7mm機銃で一式陸攻を撃墜するのは難しいと言っている。その後、F6Fに20mm機関砲が搭載されるようになってようやくF6Fで一式陸攻が撃墜できるようになったという。一式陸攻の防御性能は当時の米国双発攻撃機のような頑強さはなかったが、それでも言われるほど脆弱ではかなったようでそれよりも原因は爆撃機に護衛戦闘機をつけずに出撃させることだった。戦闘機の護衛のない出撃では米英独ともに大きな損害を出している。空の要塞と言われた米国のB-17でさえ護衛なしのドイツ爆撃では多大な犠牲を被っている。一式陸攻の高空性能を生かしたガダルカナル島ヘンダーソン基地に対する高高度爆撃などでは被害は極めて少なかったともいう。

開発当時の海軍にしてみれば長大な航続距離を生かして米国艦隊を太平洋上に迎撃して1個飛行隊が全滅しても米国の戦艦1隻を撃沈してくれればそれで十分と言う考え方があったのかもしれないが、戦争は当時の海軍の思惑とは全く違った展開となり開戦当初は十分な戦闘機の護衛の下に作戦をしていたが、戦況が悪化するにつれて護衛ができなくなり陸攻だけで艦船攻撃などをさせたことが防御の弱点を露呈して被害を増大する原因だったんだろう。海軍はもっと大型の97式飛行艇や2式飛行艇にも魚雷を搭載して艦船攻撃をさせるつもりだったようだが、「敵がその駒を取りに来なければ妙手であったかもしれない」と皮肉る意見もある。

一式陸攻は当時の海軍の攻撃第一思想で防御は二の次とされた。確かに防御は不十分ではあったが、一撃で発火墜落するほど脆弱な機体ではなく問題はその用法と戦争後期は日米の戦力差が開き過ぎたのが原因だったと言えるだろう。戦争末期は飛び上がればどんな飛行機でも無事では済まないと言ったありさまだったようだ。一式陸攻は広い機内スペースを持ち、搭載魚雷や爆弾は爆弾層内に格納でき、高高度性能も高く大型機にしては運動性も良好な機体であったと言う。

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Posted at 2022/10/02 15:43:33

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