ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は5日、国内での「併合」手続きを完了したウクライナ東部ルハンスク、ドネツク、南部ザポリッジャ、ヘルソンの4州について、ロシアが状況を安定化させると約束した。また、南部にあるザポリッジャ原子力発電所のロシアによる接収を正式に決定する大統領令に署名した。プーチン氏は教師の日(10月5日)にあわせて教師たちに向けて演説。その中で、併合された領土を「穏やかに発展させる」と語った。
プーチン氏は9月30日、ウクライナの4州を一方的にロシアに併合すると宣言した。ロシア編入の是非を問う「住民投票」の結果、現地住民が賛成したと主張しているが、この結果は国際的には承認されていない。今月4日にはプーチン氏が関連文書に署名し、「併合」手続きを完了させた。
しかしこうした中、前進を続けるウクライナ軍はルハンスクとヘルソンの複数の村を奪還。ほかの2州でもかなりの地域を支配下に収めている。1日にはドネツク州の要衝リマンを奪還した。ロシア政府のドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシアは失われたいかなる領土も奪還すると述べた。
記者団から最近のロシア側の損失に関する質問を受けたペスコフ氏は、「ここに矛盾はない。(4州)は永遠にロシアと共にあり、ロシアに戻る」と述べた。しかし、ロシア国家院(下院)防衛委員会のアンドレイ・カルトポロフ委員長は国営メディアに対し、ロシア人は愚かではないとして、ロシアは戦場で起きていることについて嘘をつくのをやめる必要があると述べた。
■ウクライナ軍、南・東部で村を奪還
ウクライナ軍は南部と東部で前進を続けている。ルハンスク州のセルヒィ・ハイダイ知事は5日、同州の6つの村をウクライナ軍が奪還したとBBCに語った。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はその後、南部ヘルソン州でさらに3つの村を解放したと述べた。前日には戦略的に重要な同州ダヴィド・ブリド村などをウクライナ軍が奪還している。
プーチン氏は先月に予備役の部分的動員令を発令。ロシアはいまも予備役の動員を図っている。当初は軍務経験者30万人を招集するとしていた。しかし、国内での強い反発や抗議を受け、プーチン氏は招集対象についての決定を覆すこととなった。プーチン氏は認定された教育機関の新入生や科学分野など特定の大学院生を含む、いくつかのカテゴリーに属する学生を招集から免除する大統領令に署名した。
■ザポリッジャ原発の接収認める大統領令
プーチン氏は5日、開戦初期からロシア軍が占領していたウクライナ南部のザポリッジャ原発について、ロシアによる接収を正式決定する大統領令に署名した。ロシアは、今後は新会社がこの欧州最大の原発を運営していくとしているが、ウクライナ原発公社は「無益な」動きだと一蹴している。国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長はロシアの動きを受け、ウクライナとロシアの双方と協議するとしている。グロッシ氏はウクライナ・キーウとロシア・モスクワへ向かい、戦闘の最前線に近い原発の周辺に保護区域を設定したい考え。同原発をめぐっては周辺で戦闘が起きているとの報告が複数あり、国際的な懸念が生じている。先月には唯一稼働していた原子炉の運転が停止された。(英語記事 Putin vows to 'stabilise' annexed Ukrainian regions・(c) BBC News)
ロシアという国は旧ソ連時代から他国の領土や資産を武力で侵奪して自国の領土とする手口に長けていた。第二次大戦時にはナチスドイツと組んで東欧諸国の領土を割譲し、戦後も第二次世界大戦の勝利によりドイツ、ポーランド、チェコスロバキアの領土を割譲し、開戦前に併合したエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国を支配、ルーマニアから領土を割譲させてこれらの領土に居住する住民をシベリアなどに強制移住させ、代わりにロシア人を移住させた。極東では日本敗戦にかこつけて日本の領土であった南樺太および千島列島を占領して領有、日本が旧満州に持っていた各種権益も中華民国に認めさせた。どさくさに紛れて北海道まで侵攻しようとしたが、占守島日本軍守備隊に侵攻を食い止められるなどして手間取り、米英などの反対によって断念している。第二次世界大戦後も東欧諸国を衛星国家とし、抵抗の強かったチェコスロヴァキアでは反対派の政治家を暗殺、処刑して共産主義政党の一党独裁を確立、ポーランドもソ連の弾圧によってソ連式の一党独裁、ソ連型社会主義体制へ移行した。1955年にはワルシャワ条約機構を東欧諸国と結成、ハンガリー動乱、ポーランド暴動などの自由主義運動を武力で鎮圧した。ハンガリー動乱ではハンガリーの民衆2万人をソ連軍を投入して殺害、首相などハンガリー政府閣僚を含む約1200人を処刑した。1968年のチェコスロバキアの自由主義運動「プラハの春」もワルシャワ条約機構軍を投入して武力で弾圧した。その後も米ソを中心とした東西の緊張状態は継続したが、ソ連はアメリカなどNATO加盟国との冷戦や計画経済の行き詰まりにより次第に疲弊し、1991年に各連邦構成共和国が主権国家として独立したことでソビエト連邦が解体され消滅した。ソ連はこうして消滅したが、他国の領土や資産権益を武力によって強奪し、反対するものは処刑するかシベリアに送るという手口は何ら変わってはいない。今回もウクライナで同じことをしている。こんな国はほとんど野盗山賊国家だろう。しかし今回は戦闘が思うように展開せず苦境に陥っているが、核の使用をちらつかせるなどして恫喝している。米国はロシアがウクライナで核を使用したらウクライナ領土内のロシア軍を通常兵器でせん滅するとロシアに伝えたそうだ。さっさとせん滅してしまえばいいのだが、そうもいかないだろう。ロシアも西側との交流で経済による国の発展を目指せばいいのに野盗山賊国家の体質を変えないからこんなことになる。ロシアは今後100年は3等国に低迷するだろう。バカなことをしたものだ。日本にも戦前、「海外の資源が欲しければ軍艦を作る金で買ってくればいい。軍艦を持って行って奪い取るなど山賊のような真似はすべきではない」と言った海軍士官がいたそうだが、まさにその通りではある。・・(>_<)。
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Posted at
2022/10/06 14:46:31