
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小型無人探査機「SLIM(スリム)」が1月20日、日本初の月面着陸に成功した。着陸直前にメインエンジンが破損したものの、最大の目標だった誤差100メートル程度の「ピンポイント着陸」も達成。坂井真一郎プロジェクトマネジャーは記者会見で、「SLIMが実現したことで、これまで行けなかったところに着陸して探査しようという人が出てくる。新しい扉を開いた」と胸を張った。
2023年9月に打ち上げられたSLIMは、3カ月半後の12月25日に月を周回する楕円(だえん)軌道に投入された。着陸地点の「神酒(みき)の海」にあるクレーターを目指し、飛行中に撮影した月面画像を詳細な地形データと比較しながら位置を把握する「画像照合航法」で接近。計14回の照合はいずれも正確だった。しかし、着陸の約30秒前、高度約50メートルで2基あるメインエンジンの片方が破損。残る1基で降下を継続し、ゆっくりした速度で着地した。最終的には東に約55メートルずれ、太陽電池が上面に向くはずが、エンジン破損の影響で垂直に「逆立ち」した姿勢に。着陸直後は太陽光が当たらず、機能しない状態となった。
坂井氏は、エンジンが直前まで正常に動作していたことなどから「エンジン以外の外的要因が波及した可能性が高い」と指摘。原因究明を継続する意向を示した。搭載機器のうち小型ロボット2機は、着陸直前に投下され月面で活動。このうちタカラトミーなどと共同開発した「LEV―2」はSLIMの機体を撮影し、地球に送信した。科学観測用の分光カメラは、太陽電池が発電を再開して以降、予定の撮影を完了。鉱物組成などから月の成り立ちを解明する手掛かりが得られると期待される。
成果を巡っては、JAXA宇宙科学研究所の国中均所長が着陸直後の会見で「60点」、ピンポイント着陸判明後も「63点」と自己採点していたが、政府の宇宙政策委員会の常田佐久委員長代理(国立天文台長)は、「100%に近い成功」と高く評価。「月に着陸したことがなかった日本が、さらにピンポイントまで成功したのは大きなインパクト。(国際月探査の)アルテミス計画にもいい影響があるのは確かだ」と述べた。
米中などとは桁違いに少ない予算で衛星打ち上げ、惑星探査、惑星間航行技術などの分野で世界トップクラスの実績を残している日本のJAXAは大したものだと思う。これも何だかんだマスコミなどに揶揄されながら研究開発を続けてきた成果だろう。今回の月探査機の精密着陸成功と搭載していった探査機の放出と探査については85点から90点の点数をつけてもいいだろう。こうした月着陸探査を目的とした計画で全くトラブルのない100点満点はあり得ないだろうからほぼ100%目的を達成したと言ってもいいだろう。次は14日間の極寒の月の夜を耐えて探査機が復活するかだが、探査機自体が温度対策をしていないと言うので仮に復活しなくてもやむを得ないだろう。でもなんか復活しそうな気がしないでもないが、・・。今回のこの成功についてはJAXAの努力を賞賛すべきだろう。逆立ち着陸は愛嬌としておこう、・・(^_^)v。
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2024/02/04 14:25:13