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2017年08月02日 イイね!

翼の向こうに(78)




話は戻るが、日本はむやみと精緻な作戦を立てたがったが、実戦で齟齬を来すとうまく修正が出来ずに敗れ去った。作戦なんか余計な小細工はいらない。単純明快な方がいい。例えば目的は敵の海上戦力、拠点の強襲は敵を引っ張り出すための陽動、そうしておけば現場が混乱しても誤解は生じない。そして齟齬を生じた場合も修正が簡単だ。

 
強襲は改装空母に戦闘機を積んで制空をさせて戦艦部隊に砲撃をさせてもいい。機動部隊本隊はあくまでも敵の機動部隊を叩くために待機させておく。そう決めておけばミッドウェイみたいなことにはならなかったかもしれない。砲撃なんかしなくともいい、砲撃をするぞという姿勢を見せ付けておけばそれで充分だ。しかしこれもやはり艦隊決戦かな。

 
海軍はハワイで勝って東南アジアを手に入れてから、精緻を極めた作戦を立てて圧倒的な兵力で勝って当然のミッドウェイに臨んで見事に負けた。本来ならその時できるだけ早急に根本的に以後の作戦を練り直すべきだった。それなのに、その後まだ性懲りもなくソロモンに出て行った。勝てる機会は、いや、講和に持ち込めるかもしれない機会はミッドウェイまで、そしてかろうじて互角の戦争はあの一連のソロモンを廻る戦いまでだったのかもしれないな。ソロモンで負けてからはもう誰がどうやってもこっちには勝機はなかった。

 
しかしそれにしても日本は艦隊決戦の呪縛に縛られて硬直したように戦闘部隊ばかりを目がけて飛び掛っていったな。ハワイでもドックや重油タンクには目もくれずに艦艇や航空機にばかり攻撃を集中した。ソロモンでも郵送船には手を触れようともしなかった。そしてレイテ、ここでも手が届くはずもない機動部隊に向かって反転してしまった。潜水艦にしてもそうだ。機動部隊攻撃や泊地攻撃ですり潰してしまった。あれを敵の補給路の攻撃に向ければもっと戦果が挙がっただろう。

 
戦の様相が当初の想定とは変わってしまっているのに、その変化を正しく把握して適当な修正をすることができずに、とうに筋を外れてしまっている規定の路線にしがみついて状況を再検討することもしない。負けてもその責任はうやむやにしてしまって原因の追及も検討もしない。もちろん、改善や修正なんかはこれっぽっちもない。やっと重い腰をあげた時はもう手遅れだ。感情的に強敵にばかり飛び掛ってゆく。

 
戦艦だろうが空母だろうが敵には唯の消耗品だ。戦闘で喪失したら新たに建造すればいいだけの話だ。貧乏国とは基本的に考え方が異なる。物量、つまり生産力とそれを前線に持ち込む補給力、それが戦争の行方を決める鍵になっていた。そういう戦を戦いながら、海軍も陸軍も全く別に似たような性能の兵器を作って生産性を阻害させる。機銃も弾もお互いに融通することも出来ない。資源にしても生産力にしてもあきれるほど裕福で桁違いの敵を相手にしながらそうした劣勢を補う策もない。

 
話が外れてしまったけれど、この国は予め計画して敷いたレールの上を走っている時は一丸となって極めて効率的かつ有効に物事を進めるのに、一旦そのレールが切れてしまうと状況を把握することも取るべき方策を考えることもしないで右往左往してしまう。レールがなくてもそこにトラックがあればそれに乗り換えてもいいのだし、自転車があればとりあえず自転車でもいい。何もなければ歩いてもいいんだ。目的は何かを明らかにしておいて手元にあるものをうまく利用して目的に向かって進む。そういうことが苦手なんだ、日本人は。

 
その点アングロサクソンは強かだ。目的達成のためには手段を選ばない。あるものは何でも利用して目的を達成しようとする。そういうところは何所からその違いが来ると思う。俺はな、こんな風に考えるんだ。日本人は農耕民族だ。集団で米を作って生きてきた。米作りはそれなりに工夫も必要だが、基本的には毎年同じことの繰り返しだ。創意工夫よりも経験則が大事だ。苗を植え、田の草を取って、害虫を駆除して、じっくりと長い時間をかけて慈しむように育てる。それから作柄は天候に左右されやすい。天候は神頼みでどうにもなるものじゃない。だから創意工夫や状況判断よりも敷かれたレールの上を忠実に辿っていくことが優先される。それに諦念というのも、どうしようもない状況を受け入れるのには必要だ。

 
ところがアングロサクソンは狩猟民族だ。狩猟は狩る者と狩られる者との命をかけた勝負だ。状況は刻一刻変化する。相手の行動を読んで先回りしなければこの勝負には勝てない。獲物がなければ飢え死にするのは自分とその家族だ。獲物を狩るという目的のためにはあるものは何でも利用する。知恵を振り絞って考える。一瞬、一瞬が勝負だ。木の葉の落ちる音にも水滴の滴る音にも神経を研ぎ澄ませて自分の有利な状況に獲物を追い込んでいく。残酷なほど強かに。それが狩人だろう。

 
まあ、それだけでもないだろうが、やつ等のしなやかで強か、しかも意思強固な性格はそんなところにあるように思うんだ。もっともそれ以外にも欧州は強国がひしめき合って何百年も互いに食うか食われるかの死闘を繰り広げてきた歴史的背景もあるんだろうが。それだって狩猟の原理と基本的に同じだろう。とりあえず前例踏襲の文化と自己に有利な状況判断の文化とはこんなところにも由来するのかなと思うんだ。

 
俺は何も前例踏襲の文化が悪いと言っているんじゃない。穏やかに時が流れているときはまことに都合がいいんだ。ただし今のように国家や国民が滅亡してしまうかどうかの非常時、その瞬間、瞬間に瀬戸際の判断を求められる時にはどうしようもなく鈍重で急激な変化に充分に対応できないという欠陥があるようだ。」


Posted at 2017/08/02 17:40:56 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説2 | 日記
2017年07月28日 イイね!

翼の向こうに(77)




軍隊は他国の急迫不正な武力侵攻から国家と国民を守ることを任務とする機能体だ。それが軍隊の唯一無二の目的だ。それなのに純粋に機能体であるべき軍が共同体の組織保存の理論を楯に取って保身に走り、国家を崩壊の危機に導いた。この国が共同体の集合体であることは間違いのない事実だと思うが、ただただ自己の所属する共同体優先の思考に凝り固まってしまって、この国には国家という概念がないのではないかと思えるほどだ。

 
たとえ軍隊が崩壊しても国家と国民が健在であれば、そして国と国民に軍を再建しようという意思があれば、軍の再建は可能だ。戦略、戦術あるいは兵器の操作に対する習熟度といった技能や士気、規律、伝統といった無形の財産もあるだろうけど、それらにしてもある程度の時間をかければ再生は可能だ。同じ国民が作る軍隊だからな。

 
それは組織に対する思い入れはあるだろう、自分たちが作ってきた組織だからな。しかし国家が崩壊してしまって軍隊だけが残ってもそんなものは何の役にも立たない。それこそ本末転倒というものだ。開戦当時の状況が真に国家存亡の危機に瀕していたのかどうか、それ自体俺には疑問だ。探れば戦争以外にまだまだ打開の道はあったと思う。

 
それなのにどうしてこんな戦を始めてしまったのか。開戦当時の日本の軍事力は英米にとって無視することは出来ない脅威だったのだから、その軍事力を背景にしたたかな粘り強い外交を展開すれば彼等からある程度の譲歩は引き出せたはずだ。仮に国外の領土を失っても日本本土と国民が無傷で残れば、ここまで破壊されるよりはずっとましだったはずだ。

 
どの道、朝鮮も台湾も、そして中国にしても、近い将来自主独立の道を歩き始めるはずだ。他にも、今欧米の植民地になっているアジアの諸国も何れ近い将来独立に向かい始めるだろう。他国の支配下に置かれるというのは誰でも耐えがたい屈辱だろうからな。そしてそうした流れを押さえ込むのは宗主国にとって決して小さな負担ではない。

 
それならば、いっそのこと独立を援助してやって将来にわたっての影響力を残しておく、そんな方法もあるんじゃないか。少なくとも戦前のアジアでは日本は第一の強国でリーダーであったことは間違いないのだから。

 
大東亜共栄圏を唱えるのなら独立国家相互の共栄圏を考えるべきではなかったのかな。戦争に莫大な国家予算をつぎ込むのなら、その金で国内経済を振興させて外国から原材料を買い入れて日本で加工して輸出する。同時に現地にも資本進出する。現地産業の振興に必要な技術指導をして地域の発展にも貢献する。アジア圏全体の発展を視野に入れて日本はそのリーダーとして他国を牽引していく。

 
そうした中で欧米から植民地主義の圧力がかかったのなら、そしてその時、真に止むを得ない事情があるのなら、それで開戦に至ったとしても日本の大義名分は立つだろうし、日本の味方をする者も出来るはずだ。日本の経済にしても、開戦当時の経済不振の状態から沈みっぱなしということはないだろう。少なくともこれだけの能力を持った国家なんだから、戦にかける金を注ぎ込めば必ずまた発展するだろう。まあ、それにしても当面経済対策は必要だろうけど。その金はやはり戦費、軍事費の削減だろうか。そこでまた多いにもめるか。

 
いっそのこと軍は作戦と用兵だけに専従させて軍の規模や予算は行政府の管理に移すとか、そういう方法もあるだろうが、これも統帥権を根本から揺るがす大問題か。しかし政府機関の一つである軍が政府の管理を受けずに独自に兵力量や用兵を決定するやり方は国家機能の斉一性を考えればいかにも不都合だ。陸軍にも海軍にも、そして中央の行政府にも天下の秀才が集まっているのだから何とかいい知恵が出るかと思うとどいつもこいつも金太郎飴のように同じことしか言わない。

 
同じ知恵しか出さない。しかも何度失敗してもばかの一つ覚えのように同じことを繰り返す。状況が流動的になったり不利になったりすると思考の固定化は益々ひどくなって客観的な状況判断に基づいた方向修正など欠片も無くなる。

 
横須賀で貴様に会った時に話したよな。戦略戦術の専門家であるべき職業軍人が戦略も戦術もなくただただヒステリックに「死ね、死ね。」と叫び続けるだけだったと。最もそれは今もそうなんだが。今度の戦で緒戦は味方が練りに練った作戦を細心の注意を払って実行したのに対して、敵方は大方不意打ちを食らったようなものだったから、ことはこちらの思惑通りに進行した。考え抜いて敷き詰めたレールの上を几帳面に走るのは日本の得意技だからな。

 
そうして真珠湾で米国の主力艦隊を叩いて南方資源地帯をそっくり手に入れてしまうと天狗になってしまった。磨きに磨き上げた戦力は天下無敵だと。しかし悪いことにそこから先は練り上げた筋書きがなかった。南方資源地帯を確保しての自給自足による長期不敗の体制と言ってもそれをどのように実現するのか具体的な計画があったわけでもない。

 
しかし無敵不敗妄想に取り付かれて天狗になっているから地球を縦に半分に割る米豪分断なんてとんでもないことを考え出す。太平洋を縦に断ち切るなんて正気の沙汰じゃない。本当ならここで真剣に講和休戦を考えるべきだったのかもしれない。」


ずっと黙って高瀬の話を聞いていた私は高瀬が湯飲みをつかんだ間を見て言葉を返した。


「貴様だったらどう戦う。それから先を。」


「俺か、俺は職業軍人ではないから戦略や戦術のことはよく分からん。この戦、最初から日本が勝てる見込みはない戦だった。それは誰も心ある者には分かっていたことだ。向こうから攻めても来ないのにわざわざ勝てない戦争を自分から始める馬鹿があるものか。俺だったら始めから勝てないと決まっている戦争なんかしない。そんな戦争はやっても国家を疲弊させ、国民に辛酸を舐めさせるだけだ。勝てない戦なんか戦い方などあるものか。どうやっても負けるに決まっているのだからな。それでも、どうしても戦わなければならないとしたら、機動部隊に陸上航空兵力、そして潜水艦を加えて西太平洋の島を足場に立体戦をやるより方法がないだろう。

 
戦の最大の懸案は敵海上戦力の撃滅だろうな。それも敵の巨大な工業力がものを言い出す前の出来るだけ早い時期にな。とりあえず敵の海上戦力を潰してしまえば米国は太平洋で戦う手段を失ってしまう。そこを捉えて出来るだけ早い時期に戦争を終結させる方法を考える。真珠湾奇襲もミッドウェイもそれが目的だろう。

 
前にも話したかも知れないが、真珠湾で戦艦部隊をやられてから米国は空母と巡洋艦を中心とした高速機動部隊を押し立てて日本の拠点にあちこち強襲をかけてきた。東京空襲なんかそのいい例だ。向こうとしたらそれ以外に戦う手段がなかったのだろうが、あれを日本が先手を取ってやるべきだった。南方資源地帯を確保して長期自給体制というが、長期戦になったら敵の生産力がものを言い始める。アジアに展開する欧米の戦力を一掃することは必要だろうけど、その資源を当てにして長期戦を戦うのは得策ではないだろうな。

 
赤城、加賀、蒼龍、飛龍、瑞鶴、翔鶴、この六隻の空母を半数づつ、二個の機動部隊に編成して敵の痛いところを機動強襲する。艦隊決戦なんて時代遅れの思想はきれいさっぱり捨てて、特に戦艦なんかは大和、武蔵もそうだが、長門、陸奥、伊勢、日向、山城、扶桑も砲塔を下ろして主砲の数を減らしても高角砲や機銃をたくさん積んだ高速戦艦に改造して空母の護衛や機動打撃部隊に編成し直してしまう。高速という武器を得た金剛級があれだけ活躍したんだ。惜しいことをしたよな。

 
既定の路線はなかなか捨てがたいだろうが、乾坤一擲の戦なんだ。大胆に路線を変更しなければ戦えない。南方作戦は基地航空隊と軽空母、それに高速戦艦部隊で充分だろう。潜水艦は通商破壊と敵の後方撹乱だな。とにかく神出鬼没、太平洋を暴れまくる。そうして敵を慌てさせておいてミッドウェイでもポートモレスビーでもハワイでも敵の痛いところを機動強襲して敵の海上戦力を引っ張り出す。目的は敵の海上戦力、つまり空母部隊の撃滅なのだから占領なんか考えない。そうすれば高速艦艇だけで艦隊を編成できる。

 
当時の味方の機動部隊なら三隻で敵と互角に渡り合えただろう。それで敵の海上戦力を潰したら、そこで講和を持ち出す。もちろん占領した地域からはすべて軍隊は引き上げるくらいの条件で。そうすればこの戦は領土的野心のためではなく、日本にとって国家と国民が自存するため真に止むを得ないものだったという主張も成り立つかもしれない。

 
そのかわり戦略物資の安定供給と中国との講和休戦の調停を依頼する。それが受け入れられなければハワイから米国西海岸と行くんだろうけど補給と維持を考えたら占領なんぞは夢のまた夢だろうから、空襲とそして出来れば砲撃か。そうして手を変え、品を変えしているうちに敵の生産力が物を言い始めて打ち破られるだろうな。後は同じ結果になるだけだ。

 
基本的に日本には英米相手の長期戦は不可能なんだから。だからこそそれを基礎とした国家戦略を立てるべきだった。英米との戦争は出来ない、戦えば敗れるとはっきり言うべきだった。日本が引けば英米は自ら戦争を仕掛けてくることはない。しかしそれが言えなかったんで今の事態があるのだから、これはいくら言ってもメビウスの輪のように堂々巡りなんだが。


Posted at 2017/07/28 22:31:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説2 | 日記
2017年07月26日 イイね!

翼の向こうに(76)




「何を勉強し直すんだ。」


「どの道戦争からは逃れられないと志願して海軍に入って二年、最初の一年は息つく暇もないほどの詰め込み教育、それが終わってからは最前線に放り出されて激戦に継ぐ激戦でゆっくり物事を考える間もなかったが、海軍に入って戦争を経験して普通の状態でははっきりと見え難かった日本人や日本という国の本質が、戦争という極限状態に置かれたために少し形になって見えてきたように思う。
年の始めに傍若無人にも海軍次官に向かって二人で散々毒づいたことがあったよな。あの時に教育について意見を言ったよな。覚えているか。」


「ああ、覚えている。貴様、金科玉条教育とか毒づいていたな。」


「うん、その金科玉条教育はこの国が共同体を基礎にして成り立っていることと深く関係しているんじゃないかとそう思うんだ。」


「共同体。つまり家とか部落とか一族とか、そういった生活共同体のことか。」


「そうだ、その共同体だ。日本は基本的に集団で稲作を営んで生命を繋いできた民族だ。集団で生活し、それぞれ作業を分担して個人の労働の結果を収穫という集団の目的に昇華させてきた。個々の人間の分担はそれぞれ異なってはいたけれど、先にある目的はただ一つ、収穫だ。それは誰にとっても明らかなことだったから、個人は将来のための展望やそこに至る方策などは考えることなく割り振られた役割を全うするため自分に付加された作業をどうやって効率的に、そして上手にやってのけるか、その技術を磨くことに専念して、物事を広く遠くまで見渡して考えることを忘れてしまった。

 
身近で言えばそのいい例が零戦や一式陸攻だ。軍側の仕様の問題も含めての話だが、あれは兵器ではない。確かに飛行機としては良い性能だったのかも知れないが、兵器とは戦うための道具だ。弾を撃つだけでなく、敵の弾が当ることも考えるべきだった。戦が景気の良い時はそれで良かったが、傾いてきたらばたばた落とされた。防弾を省いてしまったつけが回ってきたんだ。遠くまで飛ぶことや軽快に動き回れることと引き換えに掛け替えのない死なせるべきではない熟練搭乗員を大勢殺してしまった。

 
日本人のやることは何処か近視眼的だ。目的を定めるとそれに向かってまっしぐらに突き進んで行く。周囲の状況などお構いなしだ。状況が変化しても対応どころか、変化それ自体を認識しようともしない。しかも、生活、つまりそこにいる人間の命を繋ぐことを目的としている共同体では当然個人よりも共同体の目的を優先させる。共同体を構成している個人にしてみれば共同体の存在自体が自分たちの命の保証に他ならないのだから個人は共同体の存続のために持てる力を注ぐようになる。

 
個人は命の保証と引き換えに共同体の目的達成、つまり自分たちの命を繋ぐための役割を分担する部品となった。自分たちの命の後ろ盾となった共同体だから個人は目的達成のために、ただひたすら与えられた仕事に精を出す。そんなところでは柔軟な創造力や思考力などという個人の能力はしっかりと組み上がった体制を破壊する害毒でしかない。共同体を発展させていくためには人間の個性を抑制して都合のよい知識を都合のよいレベルで比較的均質に教育することが出来る金科玉条教育は都合がいい。

 
教えられる方も目的は単純明快なのだから考えることはない。共同体の維持発展に向けて自分がしなければならないこと、つまりノウハウだけを所属している共同体から吸収すればよかったし、それは共同体の目的に合うよう充分に噛み砕いた知識だから吸収もし易すかった。自分であれこれ思い悩んで、何が必要かを試行錯誤して確認する必要もなかった。手間のかかるノウホワイなどは放り出してとにかくどんどん飲み込んで吸収していけばいい。そして実際にそれらの知識は共同体の中では使い易い。よく役に立つ。それはそうだ、共同体の役に立つように考えて与えられた知識だからな。

 
ところが一つ大きな落とし穴があった。稲作、つまり農業というものは経験則こそ必要だが、基本的に物事は穏やかに進行していく。咄嗟の状況判断などは必要としない。経験則を重視して予め筋道を立てて規則正しく進められるそのやり方は世の中が平穏で急激な変化の少ない時にはまことに都合がいい。物事はあらかじめ想定された筋道に従って滞りなく滑らかに進んで行く。共同体の構成員の意思統一も皆がある程度似通った知識を持っているからやり易い。万事めでたし、めでたし、言うことはない。

 
こうした考え方は代々受け継がれてきて近代になって社会が高度に複雑化しても基本的には変わることがなかった。共同体の思考は近代社会の機能体にもそのまま受け継がれた。目的達成が最優先の機能体も予め考え抜かれた計画通りに物事が動いていればとてもうまく機能した。

 
しかし、時として社会が複雑になればなるほど物事はこちらの思惑通りには動いてくれなくなることがある。国内の大方同じ思考に裏打ちされた共同体同士の摩擦では相応なところで手打ちが成立して徹底的に争うことはなかったし、相手の対応も読みやすかった。しかし明治維新以降に始まった外国との交渉ではなかなかそうは行かなくなって来た。自分たちを取り巻く客観的な状況を素早く判断して取るべき方策を臨機応変に弾き出さなければいけない、そうした対応を迫られることが多くなった。

 
日清、日露の戦争では日本はそうした複雑な対応を体験したのに勝利にかまけて取りこぼしてしまった。一回戦ぽっきりの薄っぺらな国力しか持たない貧乏な小国は英米という世界を支配していた大国の国益によって危ういところを救われた。その時にそのことを本当に理解していた人間が何人いただろう。それを理解していた者達の意見も「勝った、勝った、日本は大国だ。」の歓呼の声に押し流されて口を噤まざるを得なかった。

 
そして第一次世界大戦、ここでは日本はほとんど犠牲を払うことなく利益だけを丸々手に入れた。気がついた時には英米と並んで世界の三大強国にまで上りつめていた。しかしその地位は真に日本が成熟した国家へと発展して得たものではなく、ロシアが共産化し、帝政ドイツが大戦に破れて崩壊したために転がり込んできたもので、その時日本は爪に火を点すような思いで作り上げてきた陸海軍の他は英米に匹敵するようなものは何物も持ってはいなかった。

 
遅れた先端技術、農業や軽工業を中心とした貧弱な産業、そして何よりも致命的だったのは障害に突き当たると自分たちを取り巻いている客観的な状況を判断した結果に基づいて解決方法を求めようとすることなく、それまでの自分たち自身の経験則だけに照らして身内の意見の一致を見たうえで行くべき方法を探る意思決定の方法と国家や国民を考えずに自己が所属する共同体の存続のみを優先しようとする考え方だった。俺はそう思うんだ。


Posted at 2017/07/26 22:30:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説2 | 日記
2017年07月24日 イイね!

翼の向こうに(75)




「大丈夫ですか。」

 
救護隊員が声をかけながら私を操縦席から引き出して担架に載せると治療所に運び込んだ。
治療所で手伝いをしていた小桜は担架に載せられた私を見て一瞬顔色を変えたが、私が首を振るとすぐに重傷者の介護に戻って行った。

 
入れ替わりにあの若い軍医がやって来て足と肩の傷を見てから「かすり傷くらいのものですよ。ちょっと待っていてください。すぐに処置をしますから。」と言って大声で衛生兵を呼んで処置を伝えた。
深手と思った足の傷口は弾片で切り裂かれて肉が弾けていたが、さして深くもないようで出血はほとんど止まっていた。

 
肩の方は本当にかすり傷だった。衛生兵は手早く傷口を縫い合わせると包帯を巻いた。縫合する時、麻酔もなく痛かったので「痛い。」と声を上げると衛生兵が一瞬手を止めて怪訝な顔で私を見た。確かにここには私の傷など問題にならないほどの重傷者が大勢収容されていたが、意識のある者で弱音を吐いている者など一人もいなかった。私もさすがに恥ずかしくなってそれからは痛くとも声を上げるのは慎んだ。


「処置は終わりました。宿舎に戻っていただいてけっこうです。」

 
言われて立ち上がろうとすると足の傷に激痛が走ったが、今度はさすがに外聞が悪いので下腹に力を入れて堪えて平静を装った。やっとのことで宿舎に戻って横になっていると偵察員が入って来た。


「おかげで命拾いしました。何と言ったらいいのか言葉もありません。」


偵察の中尉が深々と頭を下げた。


「気にしないでください。こっちは一人、そっちは三人、それに制空は我々の任務です。皆さんを守り切れずに返って申し分けないと思っているんですから。」


私は体を起すと偵察員に頭を下げた。それでも彼等は何度も頭を下げて帰って行った。偵察員と入れ替わりに高瀬が宿舎に戻って来た。


「大空の英雄が診療所では引っかき傷くらいで大声をあげて叫んだそうだな。」


高瀬は楽しそうに笑っていた。


「側車をかっぱらってきた。倶楽部に行こう。」

 
高瀬は私の返事も聞かないうちに外に出て行った。私は仕方なく上着を羽織ると作業帽を被って足を引きずりながら高瀬の後を追った。高瀬は側車の発動機を始動させて待っていた。


「乗れ。出すぞ。」


「貴様、何時の間にこんなものの運転を習ったんだ。」


側車に乗り込みながら聞くと高瀬は片目を瞑って見せた。


「内燃機関で動くんだから飛行機も側車も同じだろう。」

 
私が乗り込むのを確認した高瀬は営門を出ると畑の中の道を器用に側車を走らせて倶楽部へと滑り込んだ。


「彼女は治療所にいる。上がって適当に休んでいてくれと言っていた。おい、肩を貸すか。」


「いや、大丈夫だ。」

 
この上弱みを見せたら何を言われるか知れないのでやせ我慢をして出来るだけ普通に歩いて座敷に上がった。


「勝手に酒を出してと言っても酒は傷には良くないな。まあ加減して飲めばいい。」


高瀬は勝手でがさがさ何かを探していたが、酒と南京豆やら乾燥芋を手にして戻って来た。


「どこにしまっているんだかこんなものしか見つからん。しっかりしてるな。」


高瀬は腰を下ろすと湯飲みに酒を注いだ。


「今日はなかなかの戦だったな。あの状況で十六機が出撃して七機を失った代わりに十五機を撃墜した。貴様、戦うのはやめた、守るんだといいながら四機も撃墜してるじゃないか。」


「そうだったのか。命中は確認したけど撃墜したかどうかは確認できなかった。敵の攻撃力を殺げばそれで充分だと思った。被弾して敵機が傷ついたのを確認したら次に向かっていた。でもあの状態では一撃離脱で戦わなければ、一機にかまけていたら確実にこっちがやられていただろう。」


「そのとおり。しかし貴様が偵察の彩雲に被さった時は驚いたぞ。間違いなくいかれたと思った。まあ実際、無事に戻ったのは奇跡に近いが。敵も離脱すると思った戦闘機が目の前に飛び出して来たんで面食らったのかも知れんな。身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ。偵察では大変な持ち上げようだぞ。」


「どうしてあんなことができたのか自分でも分からん。退避しようと思ったんだが、体が勝手に動いた。気がついたら敵機と偵察の彩雲との間に割り込んでいた。」


「俺達は戦闘機乗りだ。護ってやることは大事なことだが、命は一つしかないことを忘れるなよ。護ることも大事、命も大事、難しいな。今日のことで偵察の我々に対する信頼は随分深まったろう。しかし今度もまた同じことが出来るとは限らない、・・だろう。」


「うん。それはそうだな。なあ、人間というのは本当に不思議な生き物だな。こんなばかげた争いを数限りなく繰り返してきたかと思うと、本当にこれが同じ人間のすることかと思うことをやってのける。自分の命も構わずに。

 
特攻隊の連中もそうだ。自らの命も顧みずにひたすら義務に忠実であろうとただ黙々と敵に向かっていく。それに引き換え指揮をする者はただ機動部隊撃滅の妄想に凝り固まって何の策もなくヒステリックに精神論を叫ぶだけで、自分たちは安全な場所に引っ込んでいる。

 
敵にも立派なやつはいる。敵のPBY、奴等はたった一人の搭乗員を救助するために撃墜されても撃墜されても救助にやって来る。一機落とされれば七、八人は死んでしまうのに。そんな奴等を見ていると感動することがあるよ。ところがそういう献身的な行為をする奴等が無抵抗の非戦闘員を無慈悲に撃ち殺していく。一体人間という生き物は何なんだろう。」


「そうだな。何なんだろう。そんな矛盾は自分自身の中にもたくさんあるだろう。人を殺してはいけない。そう信じているのに貴様も俺も随分人を殺したよな。個人の信条として殺人は絶対悪だと確信しているのに義務の一言でそれを正当化してしまう。そういういい加減さが人間にはあるよな。

 
これは全くの私見だが人間は進化の過程から見ればほんのわずかな間に急速に知能を発達させた。その発達があまりに急過ぎてその知能を制御する精神が知能に較べて未発達なのかもしれない。それが時として行動の不調和になって現れるんじゃなかろうか。しかしこれは俺の根拠も何もない空想だから本当のことは分からん。

 
なあ、貴様、沖縄も陥落してしまって海軍は総力を傾けた一戦に破れた。この戦はもう終わりだ。本土決戦になんかこの国を導いたら指導者は全員打ち首だ。陸軍は強硬に本土決戦を主張しているらしいが、後は主戦派を終戦へと導くための合意を作り上げるための時間稼ぎだけだろう。俺は戦争が終わったら大学に戻ってもう一度勉強をし直そうと思う。」


Posted at 2017/07/24 23:38:19 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説2 | 日記
2017年07月21日 イイね!

翼の向こうに(74)




敵が引くのを見て滑走路に滑り込んだ。そのまま誘導路を走って掩体の前まで機体を運ぶと整備員と一緒に中に押し込んだ。


「被弾箇所を調べてから機銃弾と燃料を補給しておいてくれ。」


整備員は黙って敬礼すると機敏な動作で作業を始めた。


「しかし、分隊士、見事な撃墜でした。当るを幸ばっさばっさという感じで剣豪のようでした。三機も撃墜しましたな。」


「そうだったのか、あまり敵が多すぎて確認もできなかった。撃墜しようと思ったわけではない。やつ等が攻撃を断念して戻ってくれればそれでよかったんだ。ところで被弾はどうか、急所には食らっていないと思うが。」

 
整備班長はちょっと顔を上げて怪訝な顔をした。撃墜する気はなかったという私の言葉が引っかかったらしかった。


「急所には食らっていませんけど被弾箇所が多すぎます。今日はもうこいつは無理ですよ。分隊士の言うようには敵さんは諦めてくれなかったようですな。しかし敵さんもこれだけ叩けば気がすんだでしょう。」

 
私は掩体から顔を出して空を見た。火災の煙や爆煙が立ち込めてかすんでいたが、敵機の姿は見えなかった。そして整備班長が言ったとおり、それからしばらくして空襲警報は解除になった。私は掩体を出て小桜の様子を見に行こうと歩き出したところに自転車に乗った司令部要員が大声を出しながら走ってきた。


「発進可能な者はいないか、誰か発進可能な者はいないか。」


「どうした、何があった。」


「味方の偵察機が大村湾で敵機に絡まれて救助を求めている。発進可能な者を探している。」


「よし、分かった。出るぞ。」

 
私は掩体にとって返すと「回せ。」と叫んだ。呆気に取られている整備員に「味方の偵察機を救援に行く。回せ。」ともう一度叫んだ。


「燃料は1時間分ほどしか有りません。機銃弾は補充してあります。」


「今日はもう無理ですよ」と言っていた整備班長が耳元で怒鳴った。


「分かった。ありがとう。」

 
私は誘導路を走りきると一気に滑走路を蹴って大村湾へと向かった。後方には高瀬と山下隊長が追って来ていた。進路を西にとって大村湾に出ると味方の偵察機はすぐに見つかった。発動機の具合が悪いらしく敵を振り切れずに機体を左右に滑らせながら敵の射撃を避けていた。


「助けに行くぞ。」


私は無線に向かって叫んだ。


「山下一番、高瀬、武田は左の三機に向かえ。」


「了、了」

 
私は翼を左右に振るとスロットルを全開にした。燃料はもう三分の一ほどしか残っていなかった。とにかく敵を食い止めて偵察機の退避する時間を稼ぐことにした。敵はこちらに気がついたのか、三機づつ左右に開いて向かって来た。グラマンではなくて逆ガル翼を持ったコルセアだった。

 
速度は速いが格闘戦にはあまり向かない機体だったので、少し引っ張りまわすつもりで大きく廻り込んだ。二回も旋回すると敵の後に着くことが出来た。照準器に捉えた敵機に向かって連射するとあっけなく翼が折れて落ちて行った。

 
私たちはものの五分もしないうちに三機を撃墜して敵を追い払った。偵察機の搭乗員は安堵の笑顔を見せて手を振っていた。それを両側から取り囲むように編隊を組んだ。燃料はもうほとんど底を尽きかけていた。編隊を組み終わって基地に向けて頭を振った時に後方に異変を感じた。それと同時に山下隊長と高瀬が翼を大きく翻して左右に分かれた。後方を振り返った私の目に真っ直ぐに急降下してくる敵機の姿が飛び込んできた。


『このままでは俺も偵察機も食われる。山下隊長や高瀬は間に合わない。』


頭の中で彼我の状況を描いてみた。この場から離脱というのが私の答えだった。


『フットバーを蹴って操縦桿を右に倒して、・・・。しかし、俺は一人、向こうは三人。』

 
頭で考える前に体が動いた。私は操縦桿を左手前に引いて敵機と偵察機の間に割り込んだ。同時に何十もの金槌で機体を叩かれるような衝撃を感じた。機銃弾に貫通された風防が割れて飛び散り、計器が砕けた。それまで規則正しい回転を続けていた発動機が金属のぶつかり合う不規則な音を立て始めた。


『死ぬんだな。』

 
苦痛も恐怖もなかった。初めて敵機の斉射を食って当たり前のようにそう考えた。プロペラの回転が落ちて高度が下がり始めた。敵機の姿はどこにも見えなかった。偵察機は私の脇に寄り添って心配そうにこちらを見ていた。


『こっちは一人、そっちは三人、気にするな。』

 
そういうつもりで手を振った。機首が下がっていたがもうすっかり死ぬつもりになっていたので特に気にもしなかった。


「頭を上げろ。高度を保て。火は出ていない。まだ飛べるぞ。諦めるな。」

 
割れるような大声が受話器に響き渡った。高瀬の声だった。私はその声で正気を取り戻した。両手足をゆっくり動かしてみたが左大腿と右腕に痛みがあるものの動かせないことはなかった。他には負傷はないようだった。計器版は機銃弾でほとんど破壊されていて役に立ちそうなものはなかった。

 
両翼にも機銃弾の貫通孔がいくつも開いていたが火は出ていなかった。燃料をほとんど使い切っていたのが幸いしたのかもしれなかった。ただプロペラの回転が弱く不規則でカウルからは白煙が漏れ出していた。取りあえず機体を水平にして高度を保つことを考えた。


「できるだけ高度を保て。基地に戻るぞ。機体を傾けすぎないよう大きく旋回して頭を基地に向けろ。」

 
山下隊長の声が受話器を通して聞こえてきた。私は出来るだけ機体を傾けないよう注意しながら機首を基地へと向けた。『着陸よろし。』を意味する緑の旗が指揮所に見えた。翼を振って偵察機が滑走路へと進入して行った。次に高瀬、そして山下隊長が着陸した。私は全機が着陸するまで上空で旋回して待機していた。着陸で事故を起して滑走路を塞いでしまうと健全な機までが着陸出来なくなってしまうので、それを防ぐための措置だった。

 
滑走路は爆撃で出来た孔を塞いでかろうじて離発着が出来る程度の長さを確保していた。その滑走路に向けて旋回しようとしたところで発動機が焼き付いて止まった。速度もあまり出ていない今の状態で急激な旋回をすると失速する恐れがあった。


『落ち着け、落ち着け。』

 
私はゆっくりと機首を滑走路に向けようと機体を操っていった。脚を出している暇はなかった。機体が滑走路に乗った時には地上はもう間近だった。尾輪が接地すると同時に巨人に捕まれて揺すぶられるような衝撃を感じた。いつもよりも地面がずっと近かった。衝撃はすぐに弱くなって機体は通常の着陸よりもずっと早く止まった。救護隊員が駆け寄ってきたので立ち上がろうとしたが、左足に力が入らずに立ち上がることが出来なかった。傷は思ったよりも深いようだった。


Posted at 2017/07/21 17:47:40 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説2 | 日記

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