菅直人首相率いる民主党の無責任体質がまた露呈した。10日投開票の統一地方選前半戦で惨敗しながら、菅首相以下、党幹部が誰も責任を取らないのだ。菅民主党に指摘される3原則。昨年夏の参院選で惨敗しても、菅首相らは蛙の面に~だったが、こうした体質が染み付いているのか。
「残念な結果だが、全国幹事長・選挙担当者会議を5月下旬に東北地方で開き、総括したい」
11日の民主党役員会。岡田克也幹事長はこう切り出し“不規則発言”を牽制した。その後の記者会見でも、責任問題を聞かれて、「地方の選挙だ。辞めろという意味で言っているなら、それは違う」と反論した。
投開票日の10日夜、夕刊フジ記者が、菅首相と距離を置くベテラン議員に「誰かが選挙惨敗の責任を取るだろうか?」と聞いたところ、「菅民主党は『謝らない』『責任を取らない』『開き直る』が3原則だから。誰も責任を取らないだろう」という答えが返ってきたが、予想通りとなった。
確かに、菅民主党の無責任体質は理解困難だ。
民主党が惨敗し、衆参ねじれの原因となった昨年7月の参院選で、枝野幸男氏は党幹事長、安住淳氏は選対委員長として指揮を執った。A級戦犯といえる両氏だが、力不足をわびる引責辞任はせず、9月の内閣改造では枝野氏は幹事長代理、安住氏は防衛副大臣に抜擢。その後、枝野氏は官房長官、安住氏は国対委員長に出世した。
こんなことも。
中国漁船衝突事件の対応をめぐって参院で問責決議を受け、今年1月の内閣改造で仙谷由人氏は官房長官を、馬淵澄夫氏は国交相を退任した。ところが、東日本大震災のどさくさの中、官房副長官と首相補佐官として復活している。
自らも要職に就いている負い目があるためか、枝野氏は2人の復帰について、記者会見で「震災対応、原発対応にあたっては最も適任のメンバーに加わってもらう」と開き直った。
菅首相といえば野党時代、自らの年金未払いが発覚(=後で行政側のミスと判明)して党代表を辞任した後、「自己を見つめ直したい」と、坊主頭になって四国88カ所巡りを始めたこともある。最高権力を握って政治姿勢が大きく変わったのか、もともと、パフォーマンスだった。
民主党は自民、旧民社、社民から市民運動家、左翼、極左まで寄せ集めの政党なので本当の自分の仲間というのは数が少ないのだろう。だから無闇に切ってしまうと取り巻きがいなくなってしまうのかもしれない。何も辞職するだけが責任の取り方でもないだろうが、何らかの形で負うべき責任を取らない組織というのももっと困ったものだろう。
責任のない組織は緊張感に欠ける。緊張感に欠ける組織は馴れ合いになる。馴れ合いになればどんな失敗も叱責されることがなくなる。そしてもっと大きな失敗を呼び込むようになる。現政権がそうならないことをこの国のために祈るばかりだ。
Posted at 2011/04/12 23:03:16 | |
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