日本の次期主力戦闘機(FX)の最有力候補とされる米ロッキード・マーチン社製の最新鋭戦闘機F35が、金属疲労実験の結果、機体に多数の亀裂が生じるとの恐れが明らかになり、米国防総省が開発計画の見直しに乗り出した。オーストラリアやカナダではすでにF35導入計画見直しの動きが出ているほか、米国側からも日本のFX調達計画を懸念する声が出始めている。
「日本だけが(トランプのババ抜きで)ババを引く可能性があり、戦略的な過ちを犯しかねない」
こう語るのは日本の防衛政策に詳しい米大手国防産業の幹部だ。オーストラリアはすでにF35の早期購入を断念し、米海軍の主力戦闘攻撃機FA18導入へシフト。F35の導入遅れで生じる“力の空白”を埋める方向にかじを切り始めた。
F35の共同開発国のカナダも「米財政削減に伴う国防費削減の行方を見極める必要がある」(マッケイ国防相)と慎重な姿勢に転じている。
「F35の生産計画を遅らせるべきだ」と主張した米海軍のベンレット中将は、国防総省で同機の開発計画を担当する。これまでも開発の遅れを懸念する声は米政府内にもあったが、直接の担当者の証言で、もはやF35の開発遅れは不可避の情勢だ。
こうした中、米ゼネラル・エレクトリック(GE)と英ロールス・ロイスは2日、F35の代替エンジン自費開発を断念すると発表した。「F35の機体の開発、生産スケジュールが不確実で、自費開発による利益確保に影響を及ぼしかねない」からだ。
オバマ政権に影響力のある「新アメリカ安全保障センター」(CNAS)の上級顧問、パトリック・クローニン氏は2日、産経新聞に「日本がF35を選択すれば、日本と日米同盟に極端な危険を引き起こす」と述べた。米国内で生産計画を遅らせるべきだとの論議が起きている中、「日本が、F35の購入を決めても米国がもろ手を挙げて喜ぶわけではなく、導入が遅れて日本政府が批判されることになっても、米国はその責任を負おうとしない」(クローニン氏)とみられるからだ。
こうした懸念について、ロッキード・マーチン社は2日、「試験飛行などの結果が示す通り、開発はきわめて順調で、安全面での問題も全くない」と反論している。
機体強度に問題があるとなるとF-35は相当に厳しい状況だな。機体全体に亀裂が生じるとなると全体設計のやり直しになるだろうし、相当な時間がかかるだろう。重量も増加して計画性能が出せない恐れもある。F-22を導入したくてここまで引っ張ってきてしまったが、F-4の後継はF-2で凌いで、F-XXで新型戦闘機を選定しても良かったんだろう。
F-35が脱落するとタイフーンとFA-18の一騎打ちになるが、飛行性能でタイフーン、電子機器でFA-18というが、国産化率と今後の改良に対する柔軟性でタイフーンと言うことになると良いのだが、航空自衛隊と防衛省はどんな選択をするのだろうか。タイフーンはFCSの相姦も認めるというのだから、F-2のAPG-1改でも良いだろう。
戦闘機生産の技術を継承するという意味でも性能が同程度なら少しでも国産化率の高い戦闘機を選ぶのが筋だろうが、どんなものだろう。インターオペラビリティと言っても欧州軍は自前の兵器で米軍としっかり共同作戦を行っているのだから問題はないだろう。間もなく結果が出るが。
Posted at 2011/12/04 21:26:57 | |
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