自民、公明両党が参院で一川防衛相、山岡消費者相の問責決議を可決させたのは、来年中に政権を衆院解散に追い込む布石とする狙いがある。
震災復興を核とした民主、自民、公明3党の協調路線には終止符が打たれ、野田首相は来年の通常国会に向けて態勢の立て直しを迫られている。
「それぞれの担当分野で懸案事項が山積している」
首相は9日の記者会見で、2閣僚を続投させた理由について、こう説明した。しかし、民主党内では「交代させようにも、できなかった」との見方がもっぱらだ。
首相は9月の政権発足時に、民主党内の各グループに目配りして人事を決めた。一川、山岡両氏はいずれも、首相に距離を置く小沢一郎元代表のグループに所属し、党内融和の象徴的存在だ。さらに、小沢元代表と近く、首相が党運営の要と期待する輿石幹事長が「辞める必要はない」と繰り返してきた影響も大きい。輿石氏は問責可決後も、記者団に「心変わりはしない」と述べ、続投を支持した。
問責決議に法的拘束力はなく、来年1月召集の通常国会に2閣僚を続投させたまま臨むことは可能だ。とは言え、参院で野党が多数を占める「ねじれ国会」では、与党だけで法案を成立させることはできない。「比較的政策が近い自公の協力を得るしか手がない」(民主党筋)のが実情だ。
9日閉幕の臨時国会では、復興庁設置法など復興関連の法律の成立に民自公3党の協議が成果を上げた。首相は、臨時国会で積み残しとなった国家公務員給与削減法案や、消費税率引き上げを含む社会保障・税一体改革などでも、3党協議に望みを懸ける。
しかし、自民党は早期の衆院解散を目指し、対決路線に転換。谷垣総裁は9日、「一刻も早く、この政権を追いつめなければ」と強調し、2閣僚が辞任しない場合、通常国会冒頭からの審議拒否も辞さない考えを強調した。問責決議を共同提案した公明党の山口代表も、自民党の方針に同調する構えを見せている。
民主党内では、一川、山岡両氏を続投させたままでは、通常国会冒頭で予定する2011年度第4次補正予算案の審議などが混乱しかねないとの懸念が強まっている。両氏の自発的な辞任を期待する声はなお強い。ただ、山岡氏は、最近の言動が問題視された一川氏とは異なり、閣僚就任前の行動を問責理由とされたことに反発している。与党内では「通常国会前に小幅な内閣改造に踏み切り、2閣僚を交代させるべきだ」との意見が浮上しているが、2人の自発的な辞任に道筋を付けるのが容易ではないことが背景にある。
自民党時代も派閥抗争はいろいろあって政権の足を引っ張っていたが、民主党は超金権派閥体質の保守から極左までその構成の幅は自民党の比ではないのでもめるとどうにもならなくなる程度は生易しいものではないだろう。
ろくでなし閣僚を切れば小沢派が反野田の旗を上げるだろうし、残せば野党が審議拒否、 野田政権にとっては、「前門の虎、後門の狼」と言ったところか。もしかしたら山岡、一川は小沢派の野田内閣に対する刺客だろうか。そうなると改造人事で代わりを求めてもまたろくでなしが刺客として内閣に送り込まれることになる。どの道、野田内閣には生き残る道はないということか。
民主党は口先ではきれいごとを言う割にはやることは憲政史上類まれなほどえげつなく、あるいはいい加減だ。こんな政党も珍しいだろう。やっていることは党利党略、そして政治家個人を売り込むためのパフォーマンスだけで建設的なことは何もない。
政権交代を祭り上げたメディアも、やるやる詐欺に乗ってこんな政党に政権を渡した国民も猛省すべきだろうが、では次は、と言われてもこれと言った受け皿がない。自公に民主党の正統保守を加えた政権でも作ってすこし安定した政権を打ち立てないとこの国がどうなってしまうか分からない。私利私欲、党利党略は捨てて原点に戻って考え直してみてはいかがだろうか、政治家の皆様は。
Posted at 2011/12/10 12:48:24 | |
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