自民党の大島理森副総裁は16日午前、党本部で記者団に対し、田中直紀防衛相が米軍普天間飛行場移設工事の年内着工に言及したり、自衛隊の国連平和維持活動(PKO)参加の際の武器使用基準と武器輸出三原則を混同して発言したりしたことについて「防衛相としていかがなものか。資格があるのかを国会で徹底的に追及し、問題点を明らかにしていく」と述べた。内閣改造に関しては「増税だけを考え、外交や経済政策には関心がないような布陣だ。国民の信はもはや失われている」と指摘した。
公明党の山口那津男代表も同日午後、都内で記者団に「着工と軽々に言及することは、あまりにも(沖縄県への)配慮を欠いている」と批判。その上で、「野田佳彦首相の任命責任がより厳しく問われる」と語った。
一方、藤村修官房長官は記者会見で、防衛相の年内着工発言について「『沖縄の理解を得なければ進まない』とも述べており、年内に明確に着工するとは発言していない。手続きとしてそういう順番があると言ったのだろう」と述べ、発言は問題ないとの認識を示した。武器使用基準と武器輸出三原則の混同発言についても、「ちょっと取り違えたのだと思う」と擁護した。
「おいおい慣れてくるのではないか。いじめないようによろしくお願いします」。民主党の田中真紀子衆院外務委員長は16日午後、夫の直紀防衛相の問題発言が野党から批判されていることに関し、都内で記者団にこう語った。
防衛相が米軍普天間飛行場移設で「年内着工」に言及したことについて、真紀子氏は「(沖縄県側の)理解なしに強行するなんて気持ちは毛頭ないと思う」と防衛相を擁護した。武器使用基準と武器輸出三原則の混同にも「緊張して、違うことを答えた」と釈明。夫のことは心配なようで、今後「後方支援をしたい」とも強調していた。
何とかしたいという気負いなのだろうが、次から次へとよく軽々しくものたまうものだ。事務方と調整したうえで発言するとか方法はいろいろあるだろう。調整しなくても今の状況を考えれば「辺野古年内着工」などと主管大臣が口にすることが良いのか悪いのか分かりそうなものだが。政治家としての能力はどちらが上か知らないが、押しも押されぬ世界の大国である日本の安全保障を主管する防衛大臣が奥方に援護射撃をいただくというのもあまり様になったものではない。防衛省・自衛隊の苦悩はまだまだ続きそうだ。
Posted at 2012/01/16 21:13:21 | |
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