防衛省は28日、米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイがモロッコで墜落した事故について、副操縦士のマニュアル違反などが「複合的に重なったことが主たる原因」で「人的要因が大きい」と分析した報告書を公表した。機体には欠陥がなかったと結論付け、事故原因を「操縦ミス」とした米側の調査結果を追認した。
森本敏防衛相は記者団に「おおむねよく分析できた。独自に飛行の安全をどうやって確認するか改めて検討したい」と語り、岩国基地(山口県)での試験飛行や普天間飛行場(沖縄県)への配備に向けて安全な運用策の検討を急ぐ考えを強調した。
森本氏は29日から沖縄、山口両県を訪問し、知事らに報告書の内容を説明する。米フロリダ州の墜落事故についても週内に米側から調査結果の説明を受け、内容を分析したうえで、9月上旬にもオスプレイの安全性を最終確認したい考えだ。
報告書は自衛隊ヘリの操縦士、国土交通省幹部、外部有識者らで作る安全性分析評価チームが作成した。事故機が離陸後180度旋回した際に受けた秒速約8~14メートルの追い風が「事故の重要な要因」と断定。追い風を受ける状態にしたことは回避すべきだったとした。事故機を操縦した副操縦士のオスプレイ飛行経験は160時間で、自衛隊ヘリの副操縦士の平均400~600時間と比較し「経験が浅い」と指摘した。
十分な速度を得る前に回転翼を過度に前傾させた操縦は禁止されていたことを米側の飛行マニュアルで確認。マニュアル違反を事故要因とした米側の評価を「妥当」とした。「機長による適切な助言・指示がなされず指揮監督が不十分だった可能性がある」と機長の指揮監督責任にも言及した。
事故機の機体については、再現映像などから「操作に合理的に反応している」ことを確認し、「事故の要因になったとは認められない」との見解を示した。
今、米国との間に亀裂が入ることは外交上誠に重大な結果を招くことから政府・防衛省も必死だろう。また、オスプレイ配備によって得られる尖閣諸島に対する侵攻抑止力も大きなものがあるので配備延期だの中止だのと言うことになるとまことにまずいことになる。新しいジャンルの航空機だから難しい面もあるのだろうが、自国民の人命を尊重すること夥しい米国が実戦配備するのだからそれなりに安全性も確保され、完成された航空機なのだろう。あまり感情的に騒ぎ立てるのは国益を損なうことが大きいことも併せて考えるべきだろう。
Posted at 2012/08/29 01:33:52 | |
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