陸上自衛隊のヘリコプターを巡る不正納入事件で、東京地検特捜部が防衛省技術研究本部(技本)に在籍していた複数の佐官級幹部らから事情聴取を始めたことが5日、分かった。技本は装備品の研究開発を担当する部門で、問題の次期多用途ヘリコプターについても詳細な仕様を決めたとされる。特捜部は今回のヘリコプター開発や契約の経緯について、技本関係者から詳しく説明を求めているとみられる。
関係者によると、事件の舞台となった次期多用途ヘリコプター「UH-X」の開発は、同省陸上幕僚監部が10年3月、技本に要請した。技本で機種の詳細な仕様を決めた上で、装備品の契約を担当する同省装備施設本部が昨年9月、開発企業を選ぶ「企画競争」を公示。昨年11月に川崎重工業と富士重工業の2社から提案書の提出を受け、省内で検討した結果、今年3月に川崎重工業と随意契約したという。
特捜部は、こうした一連の過程で、機種の詳細な仕様策定を担当していた当時の技本職員らが不正納入に関与していた可能性があるとみて、慎重に捜査を進めている模様だ。
4日には川崎重工業や技本のほか、装備施設本部や、技本に在籍していた佐官級幹部らの転属先とされる明野(三重県伊勢市)、木更津(千葉県木更津市)、霞ケ浦(茨城県土浦市)各駐屯地も捜索された。
佐官は1~3佐の自衛官のことで、旧軍の大佐・中佐・少佐にあたる。本省では1佐は課長、2佐は係長などを務める。
UH-Xは、陸自が現在130機保有している「UH-1J」の後継機とされ、11年度からの7年間で約280億円をかけて開発し、180機程度の調達を予定している。約280億円のうち11年度は35億円、12年度は183億円が計上されている。
OH-1が少数の生産に終わった弱みやAH64の生産を巡って訴訟を起こしている富士重工を排除する意図があるとも言われているが、開発・生産を行えるメーカーが少ないことも問題だろう。防衛省は出来るだけメーカーを統合したい意向のようだし、そうすると戦闘機は三菱重工、大型機とヘリは川崎と言うところだろうか。それ以外は協力会社としておけば意向も伝わり易い。日本程度の航空機生産量ではそういくつもメーカーがしのぎを削るというわけにもいかないだろう。いっそのこと航空機製造会社を統合してしまって「エアロユナイテッド」なんて言う会社を作ったらどうだろうか。新機種の開発には金も時間も人手もかかる。成長すれば高度な技術の過給効果とすそ野の広さで産業界に貢献する業種だろうが、なかなか難しいようだ。
Posted at 2012/09/06 22:19:28 | |
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