一度に6隻もの公の船を送り込み、警告を続ける海上保安庁の巡視船に逆に退去を求める…。14日に沖縄県・尖閣諸島周辺の領海内に侵入してきた中国の海洋監視船は異例の行動を見せた。エスカレートする挑発に対し、政府も慌ただしく対応に追われたが、備えは万全と言いがたい。
尖閣諸島には、大正島を囲む領海と、魚釣島や久場島などを囲む領海の2つがある。中国の海洋監視船6隻は二手に分かれ、いずれにも侵入してきた。「警備体制の分散化を図ったのかもしれない」。海上保安庁幹部は推察する。退去を求め続ける海保の巡視船に対し「直ちに領海から離れてください」と“逆警告”してきた。これまであまり見られなかった行動という。
監視船は軍艦に準じる公の船に該当。日本が批准する国連海洋法条約では、領海内で正当な理由のない活動をする公船に、退去要求以外は何もできない。同条約は領海や海洋資源などをめぐるルールを定めているが、こうした公船への対抗措置は定められていないためだ。海保幹部は「挑発がエスカレートしなければよいが…」と不安視する。
一方、こうした事態を受け玄葉光一郎外相がオーストラリアから帰国を早め、野田佳彦首相は官邸対策室を設置、「警戒監視に万全を期していく」と述べた。
「海監」のうち50、51、27の3隻をみると、中国側が尖閣国有化への対抗措置を周到に準備していたことがわかる。50は昨年7月の配備で夜間運用できるヘリを搭載。51と27も2000年代に新造された大型艦。満を持して能力の高い艦艇を投入してきたといえる。
中国農業省漁業局幹部は尖閣周辺に漁業監視船を送る準備を進めていると明らかにした。漁業監視船「漁政」が漁船を引き連れてくることも想定され、藤村修官房長官はそうした事態に備え関係機関の「緊密な連携」の必要性を強調したが、すでに綻(ほころ)びがみえる。
首相官邸は先月中旬以降、領海警備強化に向けた担当者レベルの関係省庁会議を断続的に開いているが、防衛省は排除された。対中配慮とみられるが、防衛省幹部は「漁政と漁民が押し寄せ、不測の事態が起きれば海上警備行動も現実味を帯びるはずだが…」と困惑している。
中国は今回の侵犯について前々から計画を練っていたのだろう。なかなか手際が良いことだ。中国軍部は局地的軍事衝突も辞さないというようだが、日本としてはこれまでの警備を淡々と継続すればいいだろう。ただし、万が一の備えとして武力衝突が起きた時のために自衛隊がどう行動するのかを詳細に詰めておく必要がある。ひれ伏し外交の民主党は中国への配慮で自衛隊を警備会議から外したようだが向こうはやる気でいるのに配慮も何もないだろう。まあ、自衛隊はきちんといざの行動を詰めてはいるだろうが、・・・。
Posted at 2012/09/15 11:29:09 | |
トラックバック(0) | 日記