沖縄県・尖閣諸島の国有化(今月11日)後、周辺海域で中国の海洋監視船「海監」や漁業監視船「漁政」が航行するようになって21日で1週間が経過した。20日も計10隻が接続水域やその付近を航行。海上保安庁は約30隻の巡視船や巡視艇を配備してほぼ「マンツーマン」で警戒しており、海難救助訓練が中止に追い込まれるなど影響も出始めた。だが退去の気配はなく、海保幹部からは「にらみ合いの長期化も覚悟だ」との声も出ている。
海監6隻が領海に侵入したのは14日。19日には、これら中国政府の船(公船)では過去最多の計16隻が周辺に現れた。海保によると、10年9月に尖閣諸島沖で起きた漁船衝突事件以降、漁政は月1回程度のペースで来ていたが、海洋調査や領海警備を担う海監はまれだったという。
20日現在、接続水域付近には約10隻の中国漁船もいる。漁政が小型ボートでこのうち7隻に立ち入った際には、海保の巡視船が「この海域で中国側が漁船を取り締まることは認められない」として警告する場面もあった。
海保幹部は「海監は18日以降、領海に入らないよう統制をきかせ集団で航行している。中国の海洋権益をアピールするのが狙いとみられ、当分続くだろう」と分析。中国メディアも、海監を所管する中国国家海洋局が尖閣諸島の国有化に対抗し、周辺海域のパトロールを一層強化する方針と伝えている。
国際法では外国公船には領海内でも立ち入り検査や強制的な航行制限はできないので、海保は公船1隻に対して巡視船1隻を並走させ、領海に入らないよう警告を出し続けている。全国の海上保安本部から30隻を集結させ「前代未聞の態勢」(海保幹部)を敷いているのはこのためだ。
複数の船を応援に出した第1管区海上保安本部(北海道小樽市)は今月22、23日の海難救助などの総合訓練を急きょ中止にした。日常業務への影響の他、海上保安官が十分休息できなくなる恐れもあるが、大量の漁船団が押し寄せる懸念もあり、当面の消耗戦は覚悟の上。
海保幹部は「全国規模で人繰りを考えてローテーションを組む。体力、精神的にかなりきつくてもやるしかない」と話している。
センスのない政治家を頂くとその下で動く現場は大変なことになる。「島を国有化してこれほどの反発があるとは予想もしなかった」などと一国の首相が言っているような能天気な国だからやむを得ないだろうか。中国があれだけ騒いでいる状況で島を国有化すれば、「最悪の場合、武力衝突」までを考えて対策を考えるべきだろうが、あまりにも見通しが甘いと言わざるを得ないだろう。
経済制裁なども始まっているようだが、こっちから打つ手はないのだろうか、その辺も何も考えてはいないのだろう。石原人気にあやかろうとしたのか、過激な石原政策を防いで長期的安定を図ろうとしたのか知らないが、泥縄のような国有化には疑問を感じざるを得ない。日本人は危機管理は下手だとは思うが、尖閣諸島国有化などという重大政策をいとも気安く手をつけてしまった現政権の外交センスには呆れざるを得ない。
Posted at 2012/09/20 22:42:57 | |
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