防衛・宇宙事業をめぐって三菱電機(東京)が、約40年前から作業費水増しや赤字を付け替える手法で防衛省へ受注費用を過大請求していたことが25日、会計検査院の調べで分かった。担当課長が不正の中心的役割を担っていたことも判明。防衛省の定期調査が形骸化(けいがいか)しており、検査院が是正を求めた。過大請求の総額算定は継続して行う。
対象となったのは防衛省や総務省などが平成19~23年度、三菱電機側と結んだ防衛装備品や人工衛星に関する契約。三菱電機は防衛省だけで計3124件、6341億円を受注していた。契約額を上限とし、実際の作業員数と労働時間を掛け合わせた「工数」を算出、防衛省に請求する仕組みとなっていた。
検査院が調べた結果、同社の鎌倉製作所(神奈川県鎌倉市)と通信機製作所(兵庫県尼崎市)では、赤字となった別の契約の工数を付け替えたり、デスクワークを作業時間に含めるなどの水増しを行っていた。不正は両製作所の関係課長が主導、アクセス権限を持つ専用端末で工数データを書き換えていた。検査院の聞き取りから、鎌倉製作所では昭和45年ごろから不正が常態化していたことが判明したという。
防衛省による定期調査や監査は、事前に同社と日程などを調整していたため、両製作所は専用端末の存在を明かさず、不用意な発言をしない幹部に応対させて発覚を逃れていた。
一方、防衛省は「代替の調達手段がない」ことを理由に、今年1月から約5カ月間の指名停止期間中、三菱電機と計152件、総額約1118億4千万円の契約を結んでいたことも分かった。防衛省会計監査室は「現在行っている特別調査で実態を調べている」、三菱電機広報部は「防衛省の調査に全面的に協力する」としている。
仕事量が少ない割には手間と時間と高度な技術が必要な防衛産業、いきおい一社寡占となり易い。利益率が低いので営利経済活動として成立させるためには稼げるところは少しでも上乗せしないと商売にならない。防衛省も他に発注先がないのでなれ合い、もたれ合いになり易い。最近はなかなか良いものを作っているのだが、つまらないところでケチがつくのは何とも残念なことだ。
Posted at 2012/10/25 22:30:14 | |
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