米両政府が来年度からの新型戦闘艦の共同研究に向け最終調整に入ったことが23日、分かった。「三胴船」と呼ばれる船体の研究で、構造に関する試験データを共有し研究を効率化するのが狙い。実用化のメドが立てば開発に移り、海上自衛隊の艦艇として平成30年代後半に導入することを想定。三胴船型は多様な任務に活用でき、中国を抑止する「動的防衛協力」の象徴と位置づける。
日米間ではミサイル防衛(MD)で次世代海上配備型迎撃ミサイル(SM3ブロック2A)について、共同研究を経て共同開発に入っている。三胴船研究はそれに続く大型案件となる。
三胴船は主船体の左右に副船体を持つ。通常の艦艇に比べ(1)海中に沈む部分が細長いため抵抗が少なく高速航行が可能(2)副船体を備えることで横揺れに強く安定性が高い(3)副船体の幅だけ船体上部を拡幅でき、格納容積と甲板が大きい-と三拍子そろっている。
防衛省技術研究本部は来年度から研究に着手する方針で、試作費として来年度予算案概算要求に7億円を計上。27年度までに5メートル大の試作品(模型)を複数製造し、28、29両年度に水槽試験などを行って最適な素材や構造を検証する。
米国との共同研究もこのスケジュールと歩調を合わせられるよう、防衛省は昨夏から国防総省と協議。年内にも協力内容を定める交換公文を締結する。
米海軍は一昨年、実用艦では初の三胴船型「インディペンデンス」を就役させた。「沿海域戦闘艦」と呼ばれ、水上戦や対潜戦に加え情報収集・警戒監視、兵員・物資輸送にも投入。対中シフトでは東シナ海と南シナ海での多様な事態に艦艇を緊急展開させる必要があり、三胴船の対処能力は有効とされる。
共同研究のメリットとして日本側はインディペンデンスの教訓が得られ、米側は日本の技術を生かした能力向上とコストダウンを図れる。海自が三胴船を実用化する際、護衛艦や輸送艦を建造する案のほか、小型の掃海艇で能力を検証する案もある。三胴船の技術を習得するだけでも対中抑止力になるとの指摘も多い。
艦型としてはオーソドックスなものが多い海上自衛隊の艦船だが、技術的にはどんなものなんだろうか。民間の船舶ではいろいろと先進的な船型が出ているのだから設計思想哲学の問題だろうか。それとも予算など金の問題だろうか。高速で動揺が少なく広い甲板面積を確保できるというと艦載ヘリと特殊部隊を収容して離島などで急襲的な作戦を行う際にその移動手段として利用するなどの用途が考えられるが、用途としては悪くないように思う。いずれにしても中国の圧力に対抗するには米国やその他のアジア・太平洋地域の国との連携が不可欠だろうからさまざまな形で連携することは良いことだろう。
Posted at 2012/11/24 12:36:29 | |
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