釣魚島(日本語名称:尖閣諸島)が日米安保条約第5条の適用対象となることが米上院で採択され、世論を騒がした。これは日本を後押し、中国を抑えつけるためだと受け止められるが、筆者は、うわべは日本を後押しするように見えるが、実のところアジア太平洋地域を自分の支配下に置くための米国の布石に過ぎないと考える。環球時報が伝えた。
米上院の決議に最終的に下院も可決し、オバマ大統領が署名すれば、釣魚島の主権が日本に属するという日本の主張は徹底的に否決されてしまうことを意味する。言い換えれば、釣魚島において日本が持っているのは主権ではなく、冷戦時代における委託管理権だけということになる。中日双方も米国の介入の正当性と必要性を認めることになる。米国は冷戦体制に戻る新たな選択とアジア太平洋地域の新たな構図によって東シナ海と南シナ海の主権議題を紛争を招く歴史的起点に戻させ、米国により主導される冷戦体制がまだ終わっていない上、米国がアジア太平洋に戻る基盤であることを世界に宣言することになる。冷戦体制を公然と明かす必要性はないが、米国が冷戦体制の遺産から自分に利用できる利益を掘り起こすことは隠しようがない秘密だ。米国がアジア太平洋に回帰することでもたらされるのはウィンウィンではなく、形式だけを変えて内容を変えないゼロサムの冷戦の思考法にほかならない。
米国の介入はうわべは日本の後ろ盾になるによう見えるが、実のところ中国に流し目を使う主導権を握っている。釣魚島に対する日本の領有権を否決することは中国の最大の利益のあるところで、釣魚島に対する領有権の実質行使をいつ実現できるかは談判に任せることができる。言い換えれば日本にとって得られるのは糖衣錠だ。日本が釣魚島に対する実質管理権を持っていることが米国に認められた一方、釣魚島に対する主権が明らかに否決された。米国は中日両国を同時に左右できる碁石を盗み取った。釣魚島紛争はもう中日両国の争いではなくなり、中米日ひいてはアジア太平洋地域の争いになってしまった。
釣魚島問題に介入した米国の目的はいったい何か。まず、国家破綻の寸前に瀕する日本経済を保護すること。さもなければ、米国のアジア太平洋地域復帰戦略は水泡に帰する。第2に、米国に追随するという日本の位置づけを強化する。これこそ形成しかねない敵対勢力を解消できる。第3に、米国国内の深層的危機を遅らせる効果のある地域戦争を誘発させる。アジア太平洋地域の新たな構図づくりをめぐる競争が幕開けする中で、これは中米の既定利益構図を変えてしまうだろう。
国際信義などと言う言葉は欠片も存在しない米国のことだから自国の利益がなければこんなことはしないだろうが、こうして日本の領有権を後ろ盾することで尖閣諸島の帰属は米国の手の中に入るということだろう。米国が後ろ盾では中国と言えどもそうは手が出せない、そして日本にしても米国が中国寄りの立場をとればもう手も足も出ないだろう。ここで尖閣の領有権を使うことで米国は日中慮国への影響力を強めることができる。外交とは黒いベールの後ろで手練手管、丁丁発止の駆け引きが繰り広げられているようだ。どうも日本と言う国の外交は甘すぎる、というよりはこんな国からみれば外交の体をなしていないと言うところだろうか。
Posted at 2012/12/07 00:15:34 | |
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