広島県大竹市の阿多田(あたた)島沖で海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」と釣り船「とびうお」が衝突して2人が死亡した事故で、とびうおの乗員でけががなかった伏田則人さん(67)が17日、報道陣に「おおすみが後ろから来て衝突した」と証言した。もう1人生き残った寺岡章二さん(67)の証言とほぼ一致しており、第6管区海上保安本部は両船の動きを慎重に調べている。
伏田さんは、とびうおの前部に前を向いて座っていたという。出航後まもなく、南進するとびうおの左側(東側)を航行するおおすみに気づき、予定より右側(西側)を走った。その後も100メートル程度の距離を保ちながらおおすみの右側を並走。おおすみの速度が遅かったため速度を上げておおすみの左前方に出た。この直前、タンカーのような大型船が向かってくるのが見え、おおすみの汽笛が鳴った。
おおすみと50~100メートルの距離をとり、「安心して談笑していた」ところ、追い越してから10分ほど後に「ボーッという音が1回鳴るのと同時に突然おおすみが視界の右側に現れた」という。こすれるような音がして転覆。「気配に全く気づかなかった」と語った。
広島県沖の瀬戸内海で海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」(全長178メートル)と釣り船「とびうお」(同7.6メートル)が衝突し、2人が死亡した事故で、衝突直前に両船の周囲を航行していた船はなかったことが17日、第6管区海上保安本部(広島市)への取材で分かった。
救助された男性は「輸送艦は、前を横切った貨物船を回避するために曲がった」と証言していたが、同本部は両船の航行に影響を与えるような船はなかったとみて詳しく調べている。
メディアは釣り船の乗員の証言で、おおすみが釣り船の航路をまたぐように蛇行していたという航跡図を描いているが、内海であれほどの大型艦が蛇行しながら航行するというのは常識的にも考えにくい。釣り船はおおすみの右舷側から左舷側に追い越しておおすみをかわしたと安心していたところ、その後増速したおおすみに追いつかれて衝突した。おおすみが汽笛を5回鳴らして面舵に切って急減速しているので左舷から接近してきたのは釣り船の方なのではないか。交通事故も同じだが、いずれにしても不幸な事故だった。
Posted at 2014/01/18 00:18:26 | |
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