2015年12月18日
沖縄県議会(喜納昌春議長)は18日の11月定例会最終本会議で、名護市辺野古の新基地建設をめぐる翁長雄志知事の埋め立て承認取り消しを執行停止した石井啓一国土交通相の決定を違法として、決定の取り消しを求める抗告訴訟提起の議決案と、訴訟関連の1334万3千円を計上した補正予算案をいずれも賛成多数で可決した。
与党と中立会派など26人が賛成、自民会派13人は反対、公明会派4人と無所属の3人が退席した。
議決案の討論で、賛成の立場の玉城義和氏(県民ネット)は「国交相の執行停止決定は辺野古の作業を進めるための方便」と違法性を指摘。その決定の効力を止める抗告訴訟は有効であると主張した。
反対の花城大輔氏(自民)は、国が県を訴えた代執行訴訟が進む中、県が国を訴えることに「分かりにくい状況」と疑問視。裁判ではなく、国と協議し、問題解決を目指すべきだと訴えた。
県は21日にも弁護士と契約を結ぶ。訴状などの準備が整えば、年明け早々に那覇地裁へ提訴する。国交相決定の執行停止を同時に求めることで「国の工事を止めるには有効」と、新基地阻止に向けた取り組みの一環であると強調している。
国が県を提訴し、県が国を提訴し、宜野湾の住民が県知事を提訴している。まあなんとも複雑怪奇なことではある。こうした状況を見て喜んでいるのは中国だけだろう。沖縄本島は反政府、先島諸島は反本島、この構図も複雑ではある。しかし、そんな訴訟につぎ込む金が有るなら振興費用など必要ないだろう。沖縄の知事さんも、「振興費用など要らないから機知をどこかに持って行ってくれ」と言えば、それも筋が通るんだろうが、金の話になると満面笑顔になるから不思議な人だ。
Posted at 2015/12/18 16:56:48 | |
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軍事 | 日記
2015年12月18日
中国が南シナ海の支配を強める中、南西方面に軸足を移す日本の防衛政策が、地域の軍事バランスにとって重要性を増しつつある。中国本土から西太平洋への出口をふさぐように連なる南西諸島を軍事拠点化し、東シナ海に壁を築く日本の戦略は、中国軍の膨張を食い止めたい米国の思惑とも合致する。
南西諸島に監視部隊やミサイルを置いて抑止力を高め、有事には戦闘機や潜水艦などと連携しながら相手の動きを封じ込める戦略を、日本政府は「海上優勢」、「航空優勢」と表現している。しかし、安全保障政策に携わる関係者は、米軍の活動を制限しようとする中国の軍事戦略「接近阻止・領域拒否(Anti─Access/Area Denial、A2AD)」の日本版だと説明する。
<重要性増す第一列島線>
「事態を遅らせることはできたかもしれない。だが、列車はすでに出発してしまった」──。米軍が南シナ海で「航行の自由作戦」に踏み切った今年10月末、アジア情勢に詳しい米軍幹部はロイターにこう語った。
南シナ海に滑走路を備えた人工島を造成する中国に対し、米海軍は艦船を派遣し、中国の海ではないとメッセージを送った。しかし人工島はほぼ完成しており、関係者の間では、中国が軍事的な支配を確立しつつあるとの認識が広まっている。
1996年の台湾海峡危機の際、中国軍は急派された米空母の前に矛を収めざるを得なかった。その経験をもとに中国は、有事に米軍が戦力を投入できないよう、南シナ海、東シナ海、さらに西太平洋まで「内海化」することを狙っていると、米国や日本の専門家は分析している。
「中国の目標は南シナ海、さらに東シナ海で覇権を取ることだ」と、在日米国大使館の政治軍事部長や米国務省の日本部長を歴任したケビン・メア氏は言う。「譲歩すれば中国の挑発的な行動を助長するだけだ」と、同氏は話す。
このうち南シナ海が中国の勢力圏に入りつつある今、鹿児島県・大隅諸島から沖縄県・先島諸島を通り、マレーシアのボルネオ島まで連なる島々が、これまで以上に戦略的な重要性を帯びてくる。中国が「第一列島線」と呼び、米国に対する防御線と位置づけているラインだ。
「今後5、6年で第一列島線が日米同盟と中国の間の軍事バランスを左右することになるだろう」と、中谷元防衛相の政策参与で、自身も民主党政権時代に防衛相だった森本敏氏は指摘する。
<ミサイルで「拒否力」狙う>
それまでに態勢を整備しようと、日本は第一列島線のうち、自国領内の南西諸島の軍事拠点化を進めている。 鹿児島県の奄美大島に550人、沖縄県の与那国島に150人、宮古島に700─800人、石垣島に500─600人の部隊を置く予定だ。
これまで沖縄本島以南には、宮古島と久米島に航空自衛隊のレーダー基地がある程度だった。防衛省は、この空白地帯に警備部隊や監視部隊を編成することで、離島に侵攻された場合の初動態勢を整えると説明している。
しかし、配備するのは警備や監視部隊だけではない。奄美大島、宮古島、石垣島には対空・対艦ミサイル部隊も展開する。日本の防衛政策を南方重視に変えた民主党政権で、党の安全保障調査会事務局長として防衛大綱策定に関わった長島昭久衆院議員は「A2ADというきっちりとした考え方ではなかったが、南西方面に拠点を造り、ミサイルを展開して(相手が接近できないようにする)拒否力をつけようとした」と振り返る。
旧ソ連の侵攻に備えて開発された射程180キロの地対艦ミサイルなら、沖縄本島と宮古島の間に横たわる350キロの宮古海峡もカバーできるようになると、元陸将で笹川平和財団参与の山口昇氏は言う。
中国が構築しているとされる軍事戦略・A2ADは、対空・対艦、弾道ミサイルを沿岸部や内陸に大量に配備。潜水艦や戦闘機などと連携し、有事に米軍の艦船や航空機を中国本土に近づけさせない、近づいても自由に活動させないことを狙っている。
人民解放軍は今年9月の「抗日戦争勝利70周年」軍事パレードで、艦載機と合わせて50億ドルの米空母を破壊可能とされる対艦ミサイル「東風21D」を披露した。
米議会は、中国が第一列島線を射程に収める短・中距離ミサイル1200発を保有していると分析する。さらに中国は潜水艦を増強、レーダーを回避できる地上発射型の弾道ミサイルの開発にも取り組んでいる。
<航空優勢、海上優勢>
南西方面の防衛力を強化する方針は、2012年末に発足した第2次安倍晋三政権にも引き継がれたが、新たに策定された防衛大綱の中に「海上優勢」、「航空優勢」という単語が盛り込まれた。
敵の艦船や航空機の活動を制限した状態を指す軍事用語で、中国が構築を目指しているA2ADと同じ概念だ。
「我々はA2ADではなく、航空優勢、海上優勢という言葉を使った」と、今年10月まで安全保障担当の首相補佐官を務めた礒崎陽輔参院議員は言う。「米軍と一体となって一定の海域、空域で優勢が確保できるようにすることを念頭に置いた」と話す。
日本は新型哨戒機や無人偵察機の調達のほか、潜水艦部隊を増強することを決定した。ステルス性の高いF35戦闘機や新型輸送機オスプレイの取得、水陸機動団の新設も進めている。
平時の警戒監視を手厚くして軍事的空白を埋める一方、いざとなれば短時間で戦力を集中し、島に配備されたミサイル部隊と連携しながら、中国軍を東シナ海で自由に動けなくするのが狙いだ。
中国海軍の動向を研究する米海軍大学のトシ・ヨシハラ教授は、東シナ海から西太平洋にわたる海域で自衛隊が果たす役割の重要性を指摘する。有事の際に中国軍の作戦を制限できれば、米軍の活動の自由度が増すだけでなく、米軍が来援する時間を稼げるとみる。「日本は情勢をひっくり返そうとしている」と、ヨシハラ教授は言う。
国防費を大幅に削減する一方、中東問題から抜け出せない米国が、一国で中国の膨張を止めることは難しくなりつつある。アジア太平洋地域の友好国との関係強化が不可欠になっており、米海軍第7艦隊のアーコイン司令官は日本の動きについて、米軍の戦略を補完するものと指摘する。「米軍は世界のどこであれ、同盟国・友好国、そして潜在的な敵国の能力と戦力を考慮して作戦を立案する」と話す。
一方、中国は警戒を隠さない。中国国防省はロイターの取材に「いかなる日本の軍事的な動きも、近隣諸国の不安を呼ぶ」としている。
<運べなかったミサイル>
とはいえ、今はまだ机上の構想にすぎない。1つ1つの島が小さな南西諸島には大規模な戦力を常駐させることはできないため、緊急時には本土から素早く部隊を移動させる必要がある。
輸送手段を持たない陸上自衛隊の部隊や装備を、航空自衛隊と海上自衛隊が効率的に運ぶ統合運用がカギを握る。
10月末から11月中旬に陸・海・空の統合訓練を行った自衛隊は、本土のミサイルを南西諸島に初めて空輸しようとした。しかし、福岡県の築城基地から沖縄県の那覇基地まで、空自の輸送機が陸自の中距離ミサイルを運ぼうとしたところ問題が発生した。
危険物の輸送方法を定める国連勧告に従い、陸自が空自に事前申請したのは燃料の入っていないミサイルだったが、実際に運ぼうとしていたのは燃料を搭載したミサイルだった。燃料入りのものを運ぶ準備をしていなかったため、カラのまま運ばざるをえなかった。
「自衛隊は各地に部隊がいるが、輸送、ロジスティクス(兵たん)に問題がある」と、安倍内閣で14年9月まで防衛相を務め、自衛隊の統合運用を進めた小野寺五典衆院議員は言う。「陸・海・空、それぞれ整備や給油の仕方が違う。陸だけで使っていれば不便ではなかったことが、共同使うと問題が出てくる」と指摘する。
南西諸島への基地配備も、本格的に動き出すのはこれからだ。与那国島には15年度末までに150人の沿岸監視部隊を配置する予定だが、奄美大島と宮古島はこれから用地取得と造成に取り掛かる。石垣島については19年度以降の配備予定だ。
一方、中国軍が第一列島線を抜けて西太平洋に出ていく動きは常態化しつつある。11月下旬には爆撃機と情報収集機、早期警戒機が宮古海峡の上空を、12月上旬には駆逐艦、フリーゲート艦、補給艦が大隅海峡を通過した。
「(日本は)常に国会対応ばかりに終始して、安全保障の本質的な議論をすることすらタブーな国だった」と、小野寺元防衛相のもとで防衛副大臣を務めた武田良太衆院議員は言う。「そのツケが今日まで回ってきている」
中国が太平洋で自由に作戦を行なうには太平洋までの通路を確保する必要がある。その通路が九州と南西諸島の間の海峡だ。中国を封じ込めるにはかつて冷戦時に宗谷、津軽などの海峡封鎖を行なったようにこれらの海峡を自衛隊がコントロールしておく必要がある。そのために宮古、石垣などの各島に対空ミサイル、対艦ミサイルなどの配備を計画している。中国にしてみればこんなところに対空対艦ミサイルを配備されたら自由な活動が出来なくなるのでいざとなればまずこれらの島を押えに来る。それが何時かは分からない。今日明日かもしれないし、30年、50年先かもしれない。尖閣諸島もあの小さな無人島だけの争奪戦などあり得ない。兵站補給基地として中国が尖閣を取りに来る時は必ず先島諸島を押えに来る。先島諸島を押えれば太平洋への安定した通路を確保できるとともに尖閣諸島を実効支配下において東シナ海の制空制海権を握ることができる。中国にとっては万々歳で、日本にしてみれば、これが、「Clear and present danger(今、そこにある危機)」なのだ。沖縄に米軍基地が集中しているので各県が沖縄の負担軽減を検討しようと知事会が言っているが、沖縄に米軍基地が集中しているのは沖縄いじめでも何でもなく沖縄が置かれた地理的条件に理由がある。他の場所では代替不可能なのだ。戦争は自分から仕掛けなくても仕掛けてくるものがいる。安全保障は感情論や神学論ではなく冷徹に現実を見つめて考えるべきでそれが危機管理だろう。
Posted at 2015/12/18 16:55:26 | |
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軍事 | 日記
2015年12月18日
自衛隊は17日、内乱などで混乱した外国から、日本人を安全な地域へ輸送する訓練を、相馬原演習場(群馬県)で公開した。今年から配備された、路上での爆弾攻撃などに耐えるための装備がある「輸送防護車」を初めて使った。
防護車は、豪軍がイラクやアフガニスタンで使ったのと同型。車体の底部が爆風を逃すようにV字形になっている。10人乗りで、車の上で機関銃を構えて周囲を警戒しながら走れる。今年、海外派遣で先遣隊を担う陸自中央即応連隊(宇都宮市)に4両配備された。
訓練は、政変で治安が悪化した国で日本大使館に集まった邦人を避難させるという内容。民間人役の15人を防護車に乗せ、空港へ向かう途中、群衆に取り囲まれたり、爆弾の攻撃を受けたりする想定で行われた。
安全保障関連法では、在外邦人救出活動での武器使用基準を緩和したが、今回は、新たな法制に基づく訓練は見送られた。
邦人輸送用装甲車はオーストラリア製のブッシュマスターを購入したようだが、この程度のものは国産で作れないものだろうか。96式装甲車は底面が逆V字型で地雷などの爆風をもろに受けると言う。そのくらいの配慮が出来ないのかと思うが、「特に考慮せず、出来上がったらそうなっていた」と言うようではやはり実戦を踏まえたノウハウがないということだろうか。最近は96式や軽装甲機動車、トラックなども増加装甲を施しているようだが、軽装甲機動車は米軍に、「うちにはこういう装甲車がない」とうらやましがられたそうなのでぜひ実戦を踏まえて良いもの作って貰いたい。そうでないと武器輸出などといっても誰も買ってはくれないだろう。
Posted at 2015/12/18 16:53:43 | |
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軍事 | 日記