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2016年02月10日 イイね!

あり得ないことが、(50)




結局クレヨン娘は一時間ほどもしてからほとんど何もなかったような顔をして戻って来た。そしてまた携帯で電話を始めた。しばらくぐちゃぐちゃとくだらない内容の電話を続けているのを黙って聞いていたが、そのうちにテキストエディターが怒り出した。


「ねえ、仕事の邪魔だから電話やめてよ。そんなに電話したいなら外でしたら。」


これはまずかった。クレヨン娘には勿怪の幸いだった。


「そうなの、じゃあちょっとお出かけしてくるわね。」


言うが早いかクレヨン娘は部屋から飛び出してどこかに消えてしまった。


「まずいわよ、あの娘にそれは。」

 
僕はエディターの顔を見つめた。エディターは何が起こったのか分からずに放心したようにドアの方を見ていた。まさか本当に出て行ってしまうとは思わなかったんだろうけれどあのクレヨン娘にはそれは甘い見方というものだ。まあ出て行ったからと言っても痛くもかゆくもないし却ってこちらには都合がいいのだけど。

 
しばらく静かになって仕事に取り掛かったところにまたクレヨン娘が帰って来た。テキストエディターと二人で黙って仕事をしていると割り当てられた場所で何やらごそごそやっていたが、静かになったと思ったらいきなり僕の後ろに来た。


「今日は慣れない仕事をしてずい分気疲れしちゃったわ。ねえ、私、ジョニーとお約束があるので失礼させてもらってもいい。」

 
何を言い出すのかと思えばいきなり気疲れしただと。昼に来てから何もしてないだろうに。ふざけたことをぬかすクレヨンだ。一言言ってやろうと思ったらもう身を翻して出て行こうとしていた。


「明日はここに九時に来てね。いいわね。」


その時僕にはクレヨン娘の背中に向かってこれだけ言うのが精一杯だった。


「一体あの子は何者ですか。」

 
テキストエディターのお姉さんが呆れた顔で僕を見た。その視線を受け止めながら何だか僕自身が非難されているような気がして来た。


「よく分からないわ。アルバイトでもないし、非常勤でもないし、関連会社の派遣でもないし。部長に押し付けられたのよ。社長から頼まれたんで面倒を見てやってくれって。社長の知り合いの娘さんらしいわ。ただでさえ忙しいのに面倒掛けてごめんなさいね。」

 
僕はテキストエディターのお姉さんに謝ったが、どうして僕があのクレヨンのために謝らなければいけないのか納得のいかない思いだった。


「へえ、そうなんですか。それにしてもずい分外れくじを引かされましたね。それにしても沖縄決戦では北の政所軍団を撃破した鉄の女佐山主任もあの子には形無しですね。」


「もう何とかして欲しいわ。半日で疲れちゃった。第一あのクレヨンで描いたような化粧って何とかならないものかしらねえ。」

 
大方の男は若い娘が良いと言うが、僕は札束を積まれてもあんな手合いとお手合わせするのは御免被りたい。


「ああ、あの手の化粧は今時の若い子にはけっこう人気があるようですよ。私なんかちょっと引いてしまいますけどね。でも急に化粧に関心も興味も示さなくなった主任には耐えられませんか。」


「他人のことはとやかく言いたくないけど幼児が描いた顔のようじゃない。若いって言うことはそれだけで美しいんだから何もあんなにしなくてもいいんじゃないかなあ。」


「あはは、よっぽど主任の趣味とは合わないようですね。さ、そんなことよりもとにかく今日の分の仕事は片付けておかないと。」

 
テキストエディターのお姉さんはそういうとまたパソコンの画面と向き合った。僕もパソコンを操作してインターネットに接続すると資料になりそうなテーマの検索やブックマークを始めた。そうして二時間ばかり残業をして引き上げた。

 
帰ると女土方はもう家にいた。すぐに食事の支度を始めようとするとクレヨン娘のことを聞かれた。


「半日で疲れちゃったわ。何だか野生動物のような子ね。」


女土方は肩をすくめた。


「野生動物ねえ。ちょっとうわさには聞いたけど。手に負えないって。取引先の娘さんらしいけどどうにもこうにも我儘だって話よ。」

 
我儘なんてものなら可愛げがある。飢えた野獣と一緒で自分の欲求だけで行動しているようなものだ。


「社長もどうしてあんなのを私によこすのかしら。北の政所様だけでたくさんだわ。」


「よほど見込まれちゃったのね。社長に。次の人事で次期役員に抜擢してくれるかも知れないわよ。」


女土方は僕に向かって目を瞑って見せた。


「冗談じゃないわ。私、そんなものには何の興味もないわ。第一息子さんがいるのに私が社長な訳がないでしょう。」

 
この先何時まであのクレヨン娘の面倒を見ていくのかと思うと何だか気が塞いで目の前が暗くなって来た。


「資料を読ませようとしても面倒臭いって放り出してしまうし、考えなさいって言っても何をどうして考えて良いのか分からないって言うし。そんなこと言われたらこっちがどうしていいのか分からなくなってしまうわ。」


今度は女土方が肩をすくめた。


「そういうのって困るわね。でも以前にあなた言っていたじゃない。考えるって行為はそのための知識を蓄積しておいてから考え方を教えないと出来ない。人間なら誰でもものを考えることができると言うのは間違いだって。

 
その子も語学教育のノウハウも知らなければそうした知識もないんでしょう。そうすると語学教育について考えなさいって言われてもそのこと自体理解出来ないんじゃない。」

 
女土方の言うことはもっともだった。僕は悩むと言うことがあまりなかった。悩むと言うこと自体その状態は概念的には知っているが、実際にはどういうことを言うのかよく理解できなかった。敢えて言えばある問題に対して前にも後ろにもどうにも身動きが取れなくなる状態を悩むと言うのだろうけどそういうことは経験がなかった。

 
性格的に大雑把でいい加減なのかも知れないが、何があっても大体は進むべき方向を決めてその方向に進んで行くし、どうにもならないことは誰がどうしてもどうにもならないのだから状況を見守りながら対症療法で対応する以外にないのだから。


「そうか、まずは相手を見ることね。得体が知れないとか騒ぎ立てて異端視しても敵のことが分からないものね。それじゃあ百戦百敗だわ。」


女土方は微笑んで頷いた。


「あなたはさすがに状況判断が早いわね。うちの聡明な社長が見込んだだけのことはあるわ。」


女土方は他人事と思ってけっこう言いたいことを勝手に言いまくっていた。


「やっぱり一つ一つ時間をかけて教えていく他ないのかな。動物に芸を仕込むのと一緒ね。根気かな。」


「おかしな知恵がついているから動物よりもずっと始末が悪いかもね。きっと甘やかされていたんでしょうから変にプライド高いでしょうし。でもあなたなら大丈夫よ。きっとうまくやるわ。」

 
女土方に『きっとうまくやるわ。』と言われてもどうにも自信がなかった。大体根気なんていうものとは縁遠くて三回言って分からないと腹が立ってしまうような短気な人間だから一つ一つ根気良くなんてとても出来そうにない。どうしたらいいかと考えたが、結局敵の出方を見て対応を決めようと言うことで誤魔化して考えるのをやめてしまった。幾ら考えても僕はクレヨン娘ではないのだから分かるわけがない。

 
それに職場にいれば仕事のことを考えるのは仕方がないが、私生活に戻ってからもそんなことを考えて嫌な気分になるのはばかばかしい。滅私奉公ではないのだから自分の時間は自分なりに楽をして楽しめばいい。


「ねえ、あなたはその子に何を一番してあげたい。」


女土方がまた突然クレヨン娘の話を持ち出した。


「え、あの子に。何を一番してやりたいかって。そうね、洗面台に引き摺って行って顔に石鹸を塗りたくってあの化粧を前部きれいに洗い流してやりたいわ。亀の子たわしか何かでゴシゴシと。」


「え、あなた、そんな過激なこと絶対にしちゃだめよ。まさかとは思うけど森田さんの時のこともあるし。」


僕は女土方の真顔に苦笑いしてしまった。


「いくら何でもよほどのことがない限り私だってそこまではやらないわ。でもあのクレヨンの化粧って本当に子供がクレヨンで描いた絵に出てくる人物みたい。あんなのがいいのかな。分からないわね、美意識って。」


「そうね、気長にね。焦ったりいらいらしたりしない様にね。大丈夫、あなたならきっとうまく出来るわよ。」


女土方は同じことを二回言った。僕も二回それに頷いた。そして僕たちは普通の自分達の生活に戻って行った。



Posted at 2016/02/10 22:42:34 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説 | 日記
2016年02月10日 イイね!

大型二輪に乗ろう(バイクのサイドスタンド、立てたまま乗る?払って乗る?)





バイクのサイドスタンドだが、教習所ではスタンドを払って乗車、降車も降りてからスタンドを立てると教えている。これは規定でそうなっているのだが、以前はスタンドにセンサーがなく、サイドスタンドを出したまま走り出して転倒する事故が多かったのでそうしていると言う。




しかし、スタンドを払って乗り降りすると時々バイクを倒すものがいる。検定の時に最後まで走り切ったのだが、降車の際にバイクが傾いて支えられずに転倒させて検定中止になってしまった教習生がいた。200キロ以上もあるバイクは一旦傾くと人の力ではとても支え切れない。




今時のバイクはスタンドにセンサーが付いているのでスタンドを出したままギアを入れるとエンジンが止まる。だからサイドスタンドを出したまま走行することはない。それで二輪の卒業生には、「サイドスタンドを出したまま乗り降りした方がいい。大きいバイクはちょっと傾くと人の力では支え切れない。こかすと気持ちも財布も大きく凹むよ。昔はスタンドを立てたまま走ってこける事故が多かったので乗る前にスタンドを払えと言うことになっているが、今のバイクはスタンドを立てた万ギアを入れるとエンジンが止まるのでスタンドを出したまま走ってこけることはない」と言っている。




技術は日進月歩で進んで行くが、お上の規定は一旦決まってしまうとなかなか変わらない。変えようとしても結果が悪く出たら、「誰が責任を取るんだ」と言うことになるので変更には消極的なのだろう。大型二輪AT650限定にしてもリッターオーバーのバイクでもATはたくさんあるし、一種原付30キロ規制もバタバタ時代の規制なら見直すべきだと思うが、これも当分は変わらないだろう。原動機の付いたバイクは全て実技教習を義務付け、その上で一種原付の制限速度を上げれば良いと思うが、これも実際にやるとなると現場は大変かもしれない。また、一種原付が売れなくなってメーカーや販売店からクレームがつくかもしれないが、・・。




しかし、四輪で停止後、再始動するのにシフトをDに入れたままでエンジンを始動しようとしてかからず、パニックになって検定不合格になる者やスタンドを払うのを忘れてバイクに乗車し、エンジンをかけて発進しようとギアを入れるとエンジンが止まるのでパニックになる教習生もいる。何とも未経験と言うのはいろいろと難しいものだ。





Posted at 2016/02/10 18:01:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | バイク | 日記
2016年02月10日 イイね!

MRJ、改修を終えて試験飛行を再開




国産初のジェット旅客機MRJを開発している三菱航空機は10日、機体の改修のために中断していた飛行試験を2カ月半ぶりに再開した。2018年半ばの納入をめざし、今後日米での試験を加速させる。



午前9時45分ごろ、愛知県豊山町の県営名古屋空港を飛び立った。遠州灘沖の試験空域で1時間ほど、上昇・下降や旋回などの基本性能を確かめた。

 

飛行試験は昨年11月末まで3回行っていたが、その後、機体の強度不足などが判明し、試験を中断。主翼の付け根に厚さ2ミリ程度のプレートを貼り付けるなどの補強や、ソフトウェアの改修をしていた。

 

今後は国内に加えて、米国でも16年冬から17年春ごろに飛行試験を始める。結果を機体に反映させる改修を続け、完成度を高める。また来月上旬には、名古屋空港そばで建設中の量産工場も完成する予定だ。





強度不足はまさにゼロ戦の遺産、急降下速度850キロでもびくともしない三式戦、四式戦、紫電改のような機体を作りましょう。これで開発が進むと良いのだが、・・。
Posted at 2016/02/10 18:00:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | その他 | 日記
2016年02月10日 イイね!

寄らば大樹の陰、選挙互助会は永遠に不滅です。




民主党と維新の党の合流問題について、両党を解党した上で新党を結成すべきと強く主張している維新の党の江田前代表は、自らに近い議員と会合を開き、解党には民主党が消極的であり極めて困難であるとの認識で一致した。

 

江田氏に近い議員には、両党を解党した上で新党を結成しないと合流できない比例代表で当選した参議院議員が多いことなどから、江田氏らはいわゆる「解党新党」を目指すべきと強く主張している。

 

しかし、民主党側は「解党新党」には消極的な姿勢を崩していない。こうしたことから、9日夜の会合では「解党新党はもう基本的に望めない」などとして、両党の解党は極めて難しいとの認識で一致した。

 

このため、夏の参議院選挙は維新の党単独で戦うべきとの意見が相次いだという。

 

これに先立ち、江田氏は松野代表とも会談し、解党新党をあきらめ、参議院選挙に維新単独で臨むことなどについて協議した。松野代表は今月中旬にも民主党との協議をまとめたい考えだが、見通しは立っていない。





野党共闘はこうして崩壊、画餅に帰していく。まあ、寄らば大樹の陰、選挙互助会だそうですから、・・。


Posted at 2016/02/10 17:58:58 | コメント(0) | トラックバック(0) | 政治 | 日記
2016年02月10日 イイね!

南半島君の能力はこんなもの、・・。




北朝鮮が7日午前9時30分に発射した長距離ロケット(ミサイル)は6分後に軍のレーダー画面から消えた。高度380キロの上空でだ。発射場がある平安北道東倉里(トンチャンリ)から南に791キロ離れた済州(チェジュ)南西側の上空で見失った。


発射前日の韓民求(ハン・ミング)国防部長官の「徹底した探知」という発言が色あせる瞬間だった。2012年12月の北朝鮮の「銀河3号」発射当時は、これよりはるかに南側の沖縄上空まで追跡した。


レーダーからミサイルが消えると、韓国軍は一時「空中爆発したのでは」と混乱を招いた。その後、急いで米国と日本に関連情報を要請し、共同分析を要請したという。1隻に1兆ウォン(約1000億円)以上のイージス艦で1000キロまで探知が可能だというのが軍の主張だったが、実戦では期待に及ばなかった。


これに関し国防部の当局者は9日、「2012年にはイージス艦3隻が投入されたが、今回は作戦運営上1隻が修理中だった」とし「出動したイージス装備は正常稼動した」と説明した。


しかし「推進体より(弾頭の)レーダー反射面積(RCS)が小さく、今回は正確に追跡できなかった」と釈明した。その一方で「消失直前に2段目と本体の分離を正常に識別できたため、性能には満足だった」と付け加えた。




まあ、南半島君の能力はこんなものでしょう。有効範囲の三分の一を追尾できたんだから上出来じゃないの。そう言えば報道も混乱していたなあ、爆発したとか、失敗したとか。その後、軌道に乗ったようだと修正されたが、あれは米国情報だったんだな。





Posted at 2016/02/10 17:57:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | 軍事 | 日記

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ntkd29です。CB1300スーパーボルドールに乗って11年、スーパーボルドールも2代目になりました。CB1300スーパーボルドール、切っても切れない相棒にな...
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