■判決、勝者なしの可能性も
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古移設をめぐり、政府が同県の翁長雄志(おなが・たけし)知事に代わって辺野古の埋め立て承認取り消しを撤回することを求めた代執行訴訟は29日、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)で第5回口頭弁論が開かれ、ヤマ場を迎える。多見谷裁判長が提示した和解案に国と県がどのような見解を示すかが焦点となるが、主張の隔たりは大きい。和解できない場合、名護市の稲嶺進市長の証人尋問を終え、訴訟は同日で結審する見通しで、焦点は判決へと移る。
◇
裁判長は2通りの和解案を提示。根本案は辺野古の代替施設建設を認めているため国に有利な案で、暫定案は移設作業の停止を求めているため県に有利な案といえる。
裁判長は和解案を「アウトライン」「手直しの余地がある」とし、「前向きな提案があれば考慮する」と修正案の提示を呼びかけた。県は暫定案であれば修正は不要との立場だが、国は根本案をそのまま受け入れることはできず、使用期限や軍民共用化などの条件は修正が必要との考えだ。
ただ、両案とも双方が同意することは想定しにくいため和解が成立する可能性は低く、判決を求めることになりそうだ。判決では翁長氏による辺野古の埋め立て承認取り消しが「違法」か「適法」かが問われる。
そこで注目されるのは、裁判長が和解案の提示にあたり、「まず根本案を検討し、否である場合は暫定案の検討を」と明確に優先順位を付けたことだ。裁判長は、取り消しは違法で撤回すべきだとの判断に傾いているようにも映る。
取り消しは違法として「撤回せよ」との判決が出れば国勝訴で、国土交通相は翁長氏に代わって取り消し処分を撤回できる。逆に、取り消しは適法との判決が出れば県勝訴となる。
一方的な勝利とはいえない第3の判決が出る可能性も指摘され始めた。裁判長が暫定案で強制力の弱い違法確認訴訟の提起を国に促し、代執行訴訟に踏み切ったことに批判的な考えも示唆しているからだ。
県内の法曹関係者は「強制力の強い代執行は認められないのでは」との見方を示す。つまり裁判長は取り消しが違法との判断を示す一方、強制的に撤回させることまでは認めないという判決内容だ。その場合、翁長氏に自ら取り消しを撤回させる必要があり、事態は流動的になりかねない。
辺野古移設問代も困ったものだねえ。調停案もどっちつかずで双方合意は難しいし、判決も違法だが裁判所判決ので撤回は認めないなどと言うとさらに混乱に拍車をかけかねない。どちらかに決めないと混乱は深まるばかりだろう。さて、判決はどうなるか。
Posted at 2016/02/29 20:03:20 | |
トラックバック(0) |
政治 | 日記