中国で国会にあたる全人代(全国人民代表大会)が、5日に開幕し、李克強首相は、今後5年間の経済成長率の目標を、年平均6.5%以上とする方針を打ち出した。
経済減速が懸念される中、李首相は構造改革を強力に進め、安定成長を保つと強調した。
李首相は「経済の中高速成長を保ち、産業の中高次元化を促進する」と述べた。
李首相は、全人代で審議される「第13次5カ年計画」で、2020年までに、2010年に比べ、国民所得を倍増させるため、経済成長率を年平均6.5%以上に保つ方針を打ち出した。
2016年については、2015年の目標「7%程度」より引き下げ、「6.5~7%」と、幅を持たせた目標としている。
また李首相は、過剰生産の解消など、構造改革を強力に推進するとして、中国経済の失速を防ぐと強調したほか、計画では、格差是正に向けて、およそ5,000万人を貧困層から脱却させる方針も示している。
一方、2016年の国防費は、2015年より7.6%多い、日本円でおよそ16兆7,000億円を予算案に盛り込んでいる。
李首相の報告からは、中国政府の経済に対する強い危機感が感じられる。
中国の2016年国防予算は6年ぶりの低い伸び率にとどまった。しかし、李克強首相は5日、海洋権益を巡り周辺諸国と対立する南シナ海などを念頭に、「国境・領海・領空の防衛」に改めて強い決意を表明。「改革」を加速させる考えを強調した。
国防費予算は、前年実績比7.6%増の9543億5400万元(約16兆7000億円)。景気減速などを背景に予算の伸び率が6年ぶりに1桁に鈍化する中、緊張が高まる南シナ海での米国との対立などにどう備えるかが焦点になる。
李首相は全国人民代表大会で「新たな情勢下における党の軍隊強化」を図るため、「改革による軍隊強化」を推進すると指摘。「平時の戦備と国境・領海・領空防衛の管理、コントロールを厳密な計画に基づいて行う」と述べた。南シナ海への海洋進出を念頭においた発言とみられる。
「領土防衛」とともに、デモやテロなど社会の安定を揺るがしかねない事態への対応を強める傾向も変わらない。
中国軍は全国を五つの「戦区」に再編したほか、陸海空軍とロケット軍の統合作戦指揮体制も確立。宇宙やサイバーを担当する戦略支援部隊を新設するなど、軍改革を急速に進めている。また、国防関連費用は科学技術分野の予算に含まれるなど不透明で、実質的な予算は厚いベールに包まれているのが現実だ。
李首相はまた、「海外権益保護能力の整備を急ぐ」と指摘。「一帯一路(シルクロード経済圏)構想」の推進などに向け、軍事力強化を着実に進める構えも示した。
実質的には中国の国防費は20兆円以上と言うが、具体的な額はベールに包まれている。それでも二桁の伸びを続けてきた国防費が、南シナ海で米国とせめぎ合うここに来て一桁に落ちたのは経済が振るわないからだろう。金額的には日本の3から4倍だが、軍の規模が違うので一概には言えない。今年の成長目標は6.5%と言うが、この数字は無理だろう。最近の7%もかなり眉唾と言うからかなり成長のペースが鈍っているのだろう。世界平和のためにも中国経済は少し凹んで貰わないといけない。成長しっぱなしの経済などあり得ないので中国がどうやっても成長は鈍るだろう。良いことだ。
Posted at 2016/03/05 16:32:50 | |
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