就任から100日。「課題のあぶり出しから、答えを出していく段階にきた」そうだが──。
11月4日、小池百合子都知事は築地市場移転問題の工程表を発表した。
都政担当記者の話。
「会見の前に、『移転のロードマップが提示される』という話を聞いていたものですから、いつどこに移転するのか、歯切れのいい回答が出ると思っていました。が、まったくの期待外れ」
会見で示されたのは、「4つのステップ」なる手順のみ。曰く、(1)安全性の検証、(2)環境アセスメント、(3)必要な追加対策工事、そして最後の(4)農林水産相への認可手続き。この4つをクリアすれば晴れて移転できるそうだが、
「各手順にはそれぞれ月単位の時間がかかります。中でも(2)の環境アセスメントが、最長で15カ月もかかるという説明でした。『東京五輪までに移転できないのでは』という声さえ出ていました」(同)
ひとつだけ進展があった。
政治アナリストの伊藤惇夫氏によると、
「私が注目したのはステップ(3)です。追加対策工事ということは、豊洲の施設の不足分を補うという意味です。つまり、他所への移転や、築地を引き続き使う可能性は低いということがこれでわかる」
とした上で、
「それ以外は、『答えはわかりません』という発表をしたのと同じです。8月末に小池さんが豊洲移転延期をぶち上げたのは、地下水調査の結果を見てから判断したかったため。それで問題がなければ移転に踏み切るはずだった。ところが“盛り土問題”という手に負えない事態に発展してしまった。責任問題や業者への補償を大々的に取り上げて問題を引っ掻き回すのも、移転をいつ行うか、収め方を見出せないから。しかし、都民が求めるのは新市場の開場のメド。決断を延ばせば延ばすほど、小池都政への不信感は増すでしょう」
あぶり出されたのは、都知事の力量だったわけだ。
このおっかさんも世間の耳目を引くためにオリンピック予算や豊洲を槍玉に挙げて世論の支持を得ようとした。このおっかさんの読みでは世論の支持があれば何でもできるはずだった。しかし、オリンピックではIOC会長にあっさりと否定され、豊洲は着地点が見えなくなってしまった。政治とは政策を掲げてそれを実行していくことで世間の耳目を集めそうなことにスポットライトを当てて騒ぎ立てることではない。政治家としての力量が問われるのは他人の粗を探しては鬼の首でも取ったように騒ぎ立てることではなく自分の政策を掲げてそれを着実に実行することではないのか。
Posted at 2016/11/18 14:05:41 | |
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