2017年の中国国防費予算案の伸び率が、前年実績比「7%前後」になると4日発表され、初めて1兆元(約16兆5000億円)の大台に乗ることが確実になった。米国の国防費もトランプ政権下で大幅にアップされる見通しだ。両大国の軍事バランスは日本の安全保障にも関わる。中国と米国の国防費の伸びは、冷戦期のような軍備拡張の競争を引き起こすのか。
◇初の1兆元台…中国国防費7%増
今年の国防費をめぐって中国では、米国が軍拡に転じたことに対抗して2桁増を復活させるよう求める意見が軍OBから出ていた。ただ、1桁とはいえ1兆元の大台を確保し、過去最大の国防費支出が確実になっている。中国軍事科学院の陳舟・研究員は「国防費の増加は強軍の目標に資する」と評価し、「特に海からの挑戦が突出している」と指摘した。南シナ海、東シナ海などを念頭に、陸軍中心から海軍・空軍の近代化につながるとの期待感を示した発言だ。
海軍重視が鮮明 中国は建国以来最大の軍事改革を進めている。軍の編成を七つの「軍区」から五つの「戦区」に再編。中国海軍の司令官に南シナ海を担当する沈金竜・南海艦隊司令官を抜てき。南シナ海をカバーする「南部戦区」の司令官に海軍の袁誉柏・中将を登用した。陸海空の統合運用を目指す戦区のトップに海軍出身者が就任するのは初めてで、海軍重視を鮮明にした。
海軍では、初の国産空母が今年中に進水する見込みで、建国100年の2049年には原子力空母を含む10隻の空母保有を目指しているとの見方もある。戦闘機や艦船の製造も急ピッチで進められており、北京の外交関係者は「潤沢な国防費が量も質も向上させることを可能にしている」と警戒する。
これらを南シナ海に大量に投入すれば、シーレーンを中国が握る「内海化」が現実味を帯びる。米国は「国際法に基づく航行の自由」を中国に求めているが、全国人民代表大会(全人代)の傅瑩・報道官は4日、英金融街・シティーの情報では船舶保険料は高騰していないとして、「南シナ海の航行の安全を心配するのは、米国が中国の(軍事)能力が追いつくか、追い越される事態を恐れているからだろう」と皮肉った。
傅氏はまた「我々は外部の力が(領土)紛争問題に介入することを防がねばならない」と強調。「米国の挑戦を受けるようであれば、落ち着いて対応する。今後、米国が南シナ海でどうふるまうかが、(事態の)風向きを知る指標となるだろう」とけん制した。【北京・石原聖】
◇政権内主導権争い…米国、南シナ海強化へ
「歴史的増額だ」。トランプ米大統領は2月27日に州知事らとの会合で国防費を540億ドル(約6兆円)増額すると表明した。トランプ氏は増額した予算の振り向け先を具体的に示していないが、対中国と受け取れる指示も出ている。
一つは「主要な国際水路での(米軍の)存在強化」だ。国際物流の要である南シナ海などでの哨戒活動を強化し、中国をけん制する狙いがあるとみられている。
トランプ政権の対中政策では、右翼メディア「ブライトバート」の会長を務めたスティーブン・バノン首席戦略官が強硬派の筆頭格だ。一方、穏健派はトランプ氏の長女のイバンカさん夫妻や、今月半ばの訪中に向けて準備を進めるティラーソン国務長官だ。
ティラーソン氏らは地球温暖化防止の新しい枠組みである「パリ協定」をテコに、米中関係を維持する外交路線の踏襲を訴える。バノン氏は「パリ協定」離脱を主張しており、対中政策を巡る政権内の主導権争いは当面続きそうだ。【ワシントン会川晴之】
中国の目は米国をロックオンしている。米国の国防費は68兆円、中国は17兆円、未だ25%ほどだが、2049年には空母10隻体制を完成させたいそうだ。そのころ日本は空母4隻体制だろうか。それにしても超覇権主義の習政権と超過激なトランプ政権に対決、この先どうなるか見ものではある。「今なら勝てる」米国はそう言うが、・・。中国もねえ、米国には向かうのは止めた方が良いと思う。あの国、結構強いよ。
Posted at 2017/03/05 11:07:50 | |
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