単純な軍事力の比較ならアメリカが北朝鮮を圧倒するが、楽勝とはいかない
北朝鮮が11月29日、ワシントンさえ脅かしそうなICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射したことで、米朝戦争の可能性は日増しに高まっているようにみえる。
北朝鮮の金正恩党委員長とドナルド・トランプ米大統領はここ数カ月、今度手を出したら互いを「完全破壊」すると威嚇し合ってきた。そこへ北朝鮮が「アメリカ本土全域を攻撃できる」新型のICBMの発射実験をしたことで、トランプ政権は再び武力行使の選択肢を検討し始めている。
こうなるとアメリカ人も今年ずっと恐れてきた疑問に向き合わざるを得ない。もしアメリカと北朝鮮が戦争になったら、どちらに勝ち目があるのか。
アメリカと北朝鮮は数十年にわたり敵対し、万一の軍事衝突に備えて大量の兵器を備蓄してきた。もし軍事衝突が現実のものになれば、米朝は次のような現実に直面するだろう。
■軍事力で上回るのは?
アメリカの米軍は世界最強で、北朝鮮を圧倒するのは間違いない。だからといって、軍事衝突でアメリカが容易かつ速やかに北朝鮮を倒せる保証はない。
世界133カ国・地域の軍事力をランク付けしている米「グローバル・ファイヤーパワー」(GFP)によれば、2017年度版の1位はアメリカで、北朝鮮は23位だった(同ランキングは、人員、兵器の種類、地理的要因などを含む50以上の要素を総合評価したもの)。
<予備役を入れれば660万人>
GFPによれば、米軍兵士は約130万人、予備役は99万9000人。北朝鮮軍は現役兵士が110万人だが予備役は550万人おり、合わせると世界4位の人数だ。
韓国駐留の米軍兵士は約2万8500人だから、もし突発的に米朝戦争が起きれば人員、物資とも北朝鮮軍に圧倒される。だが戦闘の主力は韓国軍だ。韓国軍兵士は約62万7500人、予備役も520万人いる。在日米軍4万5000人から直ちに増援を送る準備も整っている。
空軍力では、アメリカが北朝鮮を圧倒する。米軍には合計で約1万3760機の軍用機があるが、北朝鮮軍は1000機にも満たない。
米軍はさらに、戦車5884台、装甲戦闘車4万1062台、軍艦415隻(うち10隻は空母、2隻は新たに建造中)を保有している。6000億ドル近い国防費は世界最高。韓国に新型迎撃ミサイルTHAAD(高高度防衛ミサイル)を配備するなど、北朝鮮のミサイルを迎撃するミサイル防衛体制も整えている。
一方、北朝鮮が保有する戦車は5025台、装甲戦闘車は4100台、国防費も75億ドルと、アメリカに遠く及ばない。約967隻の船を保有するが、うち468隻は巡視船で空母は1隻もない。
核武装解除には地上侵攻しかない
北朝鮮は生物兵器や化学兵器を大量に保有すると見られており、戦争になればそれらを使用する可能性が高い。
北朝鮮軍は様々な面で規模こそ大きいが、使用する兵器が古いうえ、北朝鮮兵士は極度の栄養失調に陥っている。南北軍事境界線を越えて11月13日に韓国に亡命した北朝鮮兵士の小腸からは、最大で26センチになる寄生虫が見つかり、胃には未消化のトウモロコシが残っていた。これほど劣悪な栄養状態にある北朝鮮兵士が、戦争中に長い間持ち堪えられるとは思えない。兵器だけでなく兵士についても、数より質の方がよほど重要だ。
■核兵器の保有数が多いのは?
アメリカは約6800発の核弾頭を保有し、ロシアに次いで世界第2。位だ。うち1800発は実戦用に配備、4000発は備蓄用、2800発は廃棄予定だ。一方、北朝鮮が保有する核弾頭数は25~60発の間だと、米情報機関や専門家は分析している。
今差し迫った問題は、米本土に到達可能な核弾頭を搭載したICBMを発射して標的に撃ち込む技術を北朝鮮が確保したかどうかだ。まだだとしても時間の問題で、早ければ2018年中に完成させる可能性があると専門家は見ている。
米軍は、射程が1万キロ以上で数分以内に発射できる命中精度の高い長距離ミサイルをすでに保有している。アメリカの核兵器は北朝鮮をはるかに上回る規模で、核・ミサイル技術も格段に進んでいる。
<米軍勝利は疑わないものの>
■米朝戦争が起きれば流血の大惨事になる
軍事専門家のほとんどは、米朝戦争になれば必ずアメリカが勝利するに決まっていると言う。だが同時に多くの専門家は、米軍や韓国、日本、米領グアムの数百万人が犠牲になる可能性もあるとみる。
米議会調査局が10月に発表した報告書は、米朝戦争が起きた場合、通常兵器しか使用しない場合でも、最初の数日で最大30万人が死亡すると推計した。米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」が10月に発表した別の報告書は、もし北朝鮮が韓国の首都ソウルと東京を核攻撃した場合、両都市で死者が最大210万人に上ると推計した。
米軍の最高機関である米統合参謀本部は10月下旬、北朝鮮が開発する核兵器や関連施設を破壊するには、地上侵攻しかないとする見解を示した。北朝鮮の核兵器や通常兵器の保管場所に関する情報がほとんどなく、空爆で完全に破壊することができないからだ。米軍が地上侵攻に踏み切れば、北朝鮮と国境を接するロシアと中国の利害が絡み、事態が極めて複雑になる。中ロ両国には、親米政権による朝鮮半島の統一を避けたい思惑があるからだ。
勝つのはどっちって北のバカ大将に万に一つも勝ち目はない。太平洋戦争開戦時の日本の方がはるかに勝算はあった。その差は泥沼とアンドロメダ星雲くらいもあるだろうか。米国は開戦と同時に大量の巡航ミサイルと空爆で北の拠点やインフラをつぶすだろうけどそれだけで北の戦闘力を完全に奪うことはできない。北は完全に近代戦を遂行する能力は奪われるだろうけど一部のミサイルや火砲は残存しているだろうし、兵員も相当数残るだろう。また北は「死なばもろとも攻撃」で日米韓の主要目標に弾道弾攻撃をかけるだろう。この際、弾道弾に搭載可能な核弾頭があれば当然使用するだろう。そうすると日米韓で百万単位の死傷者が出るだろう。また北朝鮮を完全制圧するには地上軍の派遣が必須なので残存北朝鮮軍、大半は逃亡あるいは投降するだろうけど、との激戦になるだろう。概ね1か月から3か月程度で北朝鮮全土を制圧して戦争は終わるだろうけど国の体制をどうするのか、復興はどうするのか、難民はどうするのかと言った重い課題が残される。戦っても殺戮と破壊、そして永く続く憎悪が残るだけなんだけどねえ。やらずに済むならそれに越したことはないんだけど、・・(^。^)y-.。o○。
Posted at 2017/12/02 11:35:12 | |
トラックバック(0) |
軍事 | 日記