安倍晋三首相は9日の日韓首脳会談で、文在寅大統領に対し、慰安婦問題をめぐる日韓合意の着実な履行を直接求めた。だが、文氏は「歴史の直視」に言及して元慰安婦の尊厳回復へさらなる努力を求め、すれ違いに終わった。北朝鮮への対応でも、最大限の圧力維持を力説する首相と、対話を重視する文氏との温度差が露呈。「未来志向」の日韓関係構築を目指しながらも、互いに不信感を拭い切れないままだ。
◇文氏「傷癒やす努力を」
首相「日韓合意で『最終的かつ不可逆的な解決』を確認した以上、約束を全て実行してほしい」
文氏「合意が(問題を)解決できなかったのは、元慰安婦や国民が内容を受け入れなかったためだ」
冬季五輪開幕の祝賀ムードに沸く平昌で行われた首脳会談。慰安婦問題では一転、双方が激しく主張をぶつけ合う展開となった。文政権は1月、日韓合意を「誤り」と位置付け、日本が拠出した10億円を韓国が肩代わりするなどの新方針を発表。日本側は「国と国の合意なのにあり得ない」と猛反発し、首相は一時、五輪出席への見送りに傾いた。
しかし、首相は、未来志向の関係を築くには慰安婦問題に区切りを付ける必要があると判断。「電話ではなく直接会って、日本の立場を伝えないといけない」として、国内の保守派からの訪韓反対論を押し切って平昌に赴いた。
首相は会談の半分近くの時間をこの問題に割き、「国家対国家の合意は政権が代わっても守らなければならない」と説得。見直しには応じない姿勢を貫いた。これに対し文氏は「被害者の名誉と尊厳を回復し、心の傷を癒やせるよう両国政府が共に努力しなければならない」と日本側に譲歩を迫り、最後まで溝は埋まらなかった。早速、自民党内の保守色の強い議員からは、「今でも訪韓には反対だ。韓国の甘えを許して付け込まれる」と批判する声が上がった。首相が頼みとする保守派からの信頼が低下すれば、政権運営や秋の自民党総裁選にも影を落としそうだ。
◇首相、南北融和にくぎ
五輪参加に乗じて「ほほ笑み外交」を進める北朝鮮への対応をめぐっても、日韓両首脳のずれが浮き彫りとなった。首相は「日米韓が連携して最大限の圧力をかける方針がぶれてはならない。対話のための対話には意味がない」と、韓国の融和姿勢にくぎを刺した。これに対し、文氏は圧力の意義を認めつつも「南北対話が非核化を曖昧にし、国際協調を乱すというのは杞憂(きゆう)にすぎない」と訴え、対話重視の姿勢を譲らなかった。
首相は訪韓に先立ち、来日したペンス米副大統領との間で、圧力強化の方針を再確認。日米の結束をてこに、韓国をつなぎ留めようと努めた。9日の平昌でのレセプションでは、首相と文、ペンス両氏がそろっての記念撮影の時間を設け、日米韓3カ国の緊密な連携をアピールした。日本政府は北朝鮮が五輪後に挑発姿勢に転じることを警戒。首相は文氏との会談後、「この瞬間も北朝鮮は核・ミサイル計画を執拗(しつよう)に追求している。この現実を国際社会は直視しなければならない」と警鐘を鳴らした。
とはいえ、文政権は北朝鮮との対話路線へますます傾斜しているのが実情だ。文氏は9日、北朝鮮序列ナンバー2の金永南最高人民会議常任委員長と握手。10日には金正恩朝鮮労働党委員長の妹、与正氏と会談する。外務省幹部は「文氏は日米にも北朝鮮にもいい顔をしようとする八方美人だ」と指摘しており、日本は圧力維持に苦慮しそうだ。(平昌時事)
安倍総理が一転訪韓に転じたのは米国からの強い要請があったからだろう。そうなれば行かざるを得ないので、「ではせっかく行くなら言うことは言って来るぞ」というところだろう。ただ日米韓の連携強化を演出するためにはあまり過激なことは言えないのでその辺は辛いところだろう。文政権は日米にも国民にも北のバカ大将にもすべていい顔をしようとしているのでこれでは遠からず破綻するだろう。そしてまた訴追されるか殺されるのかな。まあそんなことはあちら様の問題でどうでもいいことだが、・・(^。^)y-.。o○。
Posted at 2018/02/10 12:46:06 | |
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