4~7月、日本最大級の海上自衛隊護衛艦「いずも」は、南シナ海やインド洋東部を72日間かけて航海した。その最中の6月19、20両日には、快晴の南シナ海で、一回り大きい米海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」がぴったりと並走した。20日にはヘリコプターでレーガンを飛び立った第5空母打撃群司令官のトーマス少将が、いずもの甲板に着艦。第1護衛隊群司令の江川宏海将補と敬礼を交わし、笑顔で握手した。日米共同訓練の一幕だが、日米連携の固さを表すような光景だった。いずもはシンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイに立ち寄り、これらの国とも共同訓練を実施した。6月30日、最後の寄港地であるフィリピンのスービック港。艦内で記者会見した江川氏は「自由で開かれたインド太平洋の実現」というフレーズを3回繰り返し、こう強調した。
「いずもは各種作戦のほか、人道支援、災害救助でも高い能力が発揮可能で、地域に貢献することが期待できます」
自由で開かれたインド太平洋とは、安倍晋三政権が掲げ、米国とともに推進している構想だ。中国の脅威を念頭に、南シナ海を含む太平洋やインド洋の沿岸国と協力関係を強め、海上交通路(シーレーン)の航行の自由を確保する狙いがある。いずもの72日間は、構想を象徴する任務だった。
いずもは平成27年春に就役した。基準排水量1万9500トン。全長は248メートルで、東京都庁(高さ243メートル)や大阪府咲洲庁舎(同256メートル)が横たわったようなスケールだ。最大の特徴は、艦首から艦尾まで貫く広大な甲板だ。全長248メートル、幅38メートルで哨戒ヘリ5機が同時に離着陸できる。甲板の直下にはヘリの格納庫がある。居住区画のほか、手術室、ICU(集中治療室)、歯科治療室まである。平成29年の年末、事実上空母(航空母艦)化されるという報道が相次ぎ、その名が世間一般に広く知られるようになった。
事実上の空母化、とはどういうことか。
航空機(戦闘機やヘリなど)を運用する艦艇を空母とするなら、いずもはもともと「空母のような艦艇」ではあった。そこに加え、防衛省は戦闘機の運用も可能とするため、来年度予算案の概算要求に改修費31億円を盛り込んだ。着陸時の高熱噴射に備えた甲板の耐熱性強化などに充てられる。いずもに搭載する目的で、米国製戦闘機「F35B」6機の新規取得費846億円も計上した。次年度以降に別途、F35Bの運用に必要なシステムの導入なども行えば、事実上の空母として機能する。ただ、いずもの排水量はレーガンの4分の1、全長は4分の3であり、サイズは「軽空母」といえる。
空母化にかじを切らせたのは安全保障環境の悪化だ。
平成28年12月、中国軍の空母「遼寧」が沖縄本島と宮古島の間の公海を抜け、初めて太平洋に進出した。政府は、沖縄などの南西諸島周辺や太平洋側で戦闘機の発着拠点となるいずもを展開することで、中国の進出を抑止したい考えだ。(政治部 田中一世)
この船は始めから短距離離陸・垂直着陸能力を持った固定翼航空機、F35Bなどの、を運用できるように作られている。自艦防御用の火器しか装備しない全長250メーター、全幅38メーター、満載排水量で3万トン近い巨艦を作るのにそんなことも考えずに作るようなお人好しの軍人などこの世に存在しない。F35Bを導入してこの軽空母で運用するのは既定路線だったんだろう。太平洋戦争で負けて海軍が消滅して75年後、新生日本海軍は再度空母機動艦隊を運用するようになる。その最大の敵は、‥人員不足だろうか、‥(^。^)y-.。o○。
Posted at 2019/12/16 01:33:44 | |
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