息子殺害で懲役6年の実刑判決…判決のポイントは?
12月16日、長男を殺害した罪に問われた元農水事務次官・熊沢英昭被告(76)の裁判員裁判で、東京地裁は懲役6年の実刑判決を言い渡した。
検察側は「尊敬・信頼していた被告から命を奪われた無念は察するにあまりある」として懲役8年を求刑。一方、弁護側は「経緯・動機に同情の余地が大きい」として執行猶予付きの判決を求めており、精神疾患と診断された息子に犯行直前まで献身的に向き合ったとする熊沢被告に、どの程度の情状酌量が認められるのか、執行猶予がつくのか注目されていた。
広瀬修一フィールドキャスター:
熊沢被告に対して、懲役6年の実刑判決が言い渡されました。熊沢被告は判決を言い渡された際、背筋を伸ばしたまま裁判長の方に視線を送っており、表情などに特に大きな変化はありませんでした。傍聴席の弁護側の席の最前列、つまり被告人が座る席の一番近い場所に、被告人にとっての妻、英一郎さんにとっての母親である女性が座っていました。被告人は入廷時軽く一礼したあと、妻の前に差し掛かったところで妻に視線を送る様子が見られました。そして落ち着いた様子で歩き、席につき、手は膝の上に置かれている状況で非常に落ち着いている様子でした。
安藤優子:
求刑懲役8年に対して2年減刑し、懲役6年の実刑となりました。この2年という部分髙橋弁護士はどう思われますか。
髙橋麻理弁護士:
1人の命を奪ったという結果が重大であるというところでの実刑。ただ本人(被告人)は当時、献身的にサポートできる限りのことをしていたというところが、同情の余地があるとして最大限評価されたんだと考えます。
広瀬修一フィールドキャスター:
判決理由が述べられました。「被告人は被害者に対し強固な殺意で犯行に及んでいると考えられ、結果は重大である。警察などに相談することも可能な状態なのに、犯行に及んだのは短絡的と言わざるを得ない。ただ、意図せず一週間前に被害者と同居することになり、その翌日に暴行を加えられていて、被害者への対応に不安を抱えていたことは相応に考慮する」としています。量刑については、単独で初犯の殺人罪と同じように判断したということで、検察側が求めていた内容とほぼ同じような判決が出たことになります。ただ、閉廷の際に検察側が非常に珍しい対応をしたということです。
検察側の“複雑な心境”の表れか
松木麻記者:
熊沢被告は入廷後から判決理由が読み終わるまで、証言台の前に姿勢よく座って話を聞いていました。熊沢被告はいつも、閉廷の際には丁寧に裁判所と弁護側、そして検察側に一礼をして退廷していくんですが、16日もそのように丁寧にお辞儀をして退廷しました。その際に検察官1人から「体に気をつけてください」と声をかけられて小さくうなずくという珍しい場面が見られました。
安藤優子:
松木さん、このように声をかけるのは異例のことなのでしょうか。
松木麻記者:
そうですね、私がこれまで見てきた刑事裁判の中で、そのような場面は一度もありませんでした。それだけ検察側としても、ただ単に求刑通りの刑を得ればいいという問題ではなく、複雑な心境があったのかなと推測しています。
(「直撃LIVE グッディ!」12月16日放送分より)
こっちの事件は何ともお気の毒ではある。思い余ったやむに已まれぬ犯行だったんだろう。他に手立てがあると言うが、確かにそれはそうだが、現場で長い間対応している当人から見ればまた別の思いがあったんじゃないだろうか。娘さんは被害者の問題で縁談がすべてダメになって自殺、奥さんはうつ病,夫婦で家庭内暴力を受けて「殺すぞ」と言われれば「殺すしかない」と言う結論になることはやむを得ないかもしれない。被告のそうした状況や年齢、再犯のれがないことなどを考慮して執行猶予と言う判決もあったんじゃないだろうか。この事件に関しては控訴してもいいように思うが、どうなんだろうか、・・。
Posted at 2019/12/18 16:34:41 | |
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