英国の戦闘機タイフーンの退役に伴う次期戦闘機の開発を担当する英国防省課長のリチャード・バーソン氏が23日までに産経新聞に寄稿し、航空自衛隊のF2戦闘機の後継となる次期戦闘機の開発に向けた日英協力を呼びかけ、その意義を強調した。英国は100年以上にわたり世界の空軍を牽引(けんいん)してきた。1941年のターボジェットエンジンや世界初の垂直離着陸戦闘機ハリアーなど、発明と革新において優れた能力を常に発揮してきた。技術面および産業面の専門知識により、ハリアーやトルネード、タイフーン、F-35を含む国際共同開発の成功において、中心的役割を担ってきた。
英国は次期戦闘機計画で現在、2040年に退役するタイフーンの後継機となる次期戦闘機システム「テンペスト」の決定および実戦配備に取り組んでいる。テンペストにおける日本との提携に向けたダイナミックかつ迅速な取り組みは既に好調な日英関係を強化し、全ての産業分野で生じている技術的変化の速度に対応するためのツールや取り組みを発展させる好機になると、英国は考える。日本のF2後継機に関する技術開発に英国が日本と協力的なビジョンを持って取り組めば、両国は戦闘機システム技術の最先端に留まることができるだろう。テンペスト開発計画に関する国際協力の一環として、英国は同じ考えを持つ国々を結集させようとしている。この協力関係はわが国の重要な戦闘機部門を持続させ、最高の軍事力を確保し、各提携国の行動の自由を保証するものである。
英国はこれまでの航空分野への歴史的な投資により国際的に確固たる地位を築いており、世界有数の産業基盤を有している。国際協力の枠組みにおいても大きな成功を収めており、その力を信じている。英国は両国が重視する既に緊密な日英関係を強化し、将来の技術開発においても密接に連携する機会を拡大していきたいと考えている。このような協力関係は、両国に(戦闘機の)改修の自由を保証し、重要な技術開発の協働から相互利益をもたらし、最高の技術力を適切な価格で利用できるようにするだろう。英国はこの提携により、既に広範囲にわたり両国の発展に貢献する日英貿易関係の強化を目指している。
日本は、航空宇宙分野の素材、エンジニアリング、試験、製造およびサプライチェーンにおいて卓越する能力を提供し、英国の産業を補完している。日本は英国と提携することで、産業面および運用面の経験において世界をリードし、高度な製造、材料科学およびシステム統合を手に入れることができる。日本との協力プログラムで開発される技術によって、日英の企業は航空宇宙分野で幅広く提携することができ、この重要分野におけるわれわれの傑出した能力が支えられ、維持されるだろう。
日本との戦略的協力関係は長期にわたり両国間の関係を強化し、また技術協力を提供することで、非常に能力の高い企業を集結させると確信する。英国は、両国が必要とする改修の自由を互いに認めると同時に、将来のプラットフォームやシステムが米国などの重要な安全保障上のパートナーとの間で相互利用可能になることを保証する、対等な協力関係を構築する絶好の機会と考える。
■F2後継機 航空自衛隊の戦闘機F2(約90機)の退役が令和17(2035)年ごろに始まるのを受けて調達を目指す戦闘機。現在は「次期戦闘機」と呼ばれる。6年度に試作機の製造を始め、17年度の配備開始を目指す。開発は国際協力を視野に日本主導で進め、今年度中に構想設計に着手する。主に空対空戦闘を想定し、高いステルス性や自衛隊内でのネットワーク戦闘能力、米軍との相互運用性が求められる。防衛省は国際協力の相手として、米国、英国と協議を進めており、年内に開発パートナーを選定する方針。
英国は戦闘機のシステム開発では日本よりも一日の長がある。またエンジン開発についても長い経験を持つ。日本は細々と経験を重ねて戦闘機の機体開発にはそれなりの知識と経験を有しているし、エンジンもXF-9で世界水準に並ぼうとしている。ATD-Xでステルス性能や戦闘機の形態設計について実証もしている。お互いに良いパートナーと思ったのだが、英国は自国産業の仕事量ばかり気にして共同開発の話し合いが進展しなかったなとと聞く。そのため搭載ミサイルやシステムの一部の共同開発に止まるとか言う話だったが、全面的な共同開発に進めばそれは結構なことではある。英国と日本はお互いに良きパートナーになれる素質を有している。ぜひうまく調整して共同開発に持ち込めるといいのだが、スエーデンなども参加しているので難しいものがあるかもしれない、‥(^。^)y-.。o○。
Posted at 2020/09/23 19:17:34 | |
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