11日放送のTBS系「サンデー・ジャポン」(日曜・前9時54分)で、昨年4月の「池袋暴走死傷事故」で、自動車を運転し11人を死傷させた自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)に問われた旧通産省工業技術院元院長の飯塚幸三被告(89)が8日、東京地裁で行われた初公判で無罪を主張したことを特集した。
飯塚被告は罪状認否で「アクセルペダルを踏み続けた記憶はありません。車に何らかの異常が起きて暴走した。暴走を止められなかった」と述べ、起訴事実を否認した。弁護側も「過失運転は成立しない」として無罪を主張した。
元衆院議員でタレントの杉村太蔵は「遺族の方の立場になって考えますといたたまれないし言葉がないんです」とした上で「一方で少し冷静になって考えないといけないのは、私たち民主主義の社会に生きていますよと。そういう時に裁判において被告が自分の正当性を主張するのは、基本的人権の中では最も尊重されるべき一丁目一番地。これは否定するのは、ましてやメディアで強くバッシングするのは冷静にならないといけない」と指摘した。
これにタレントの鈴木紗理奈は「ルール上はそうですよね。権利はありますけど、反省しているように見えない」などと反論した。さらにデーブ・スペクター氏も「弁護士のアドバイスを無視する権利もあるわけです。本人が最終的に人間として失格としかいいようがない」などと指摘した。これに杉村は「推定無罪という大原則はメディアで押さえておかないといけないポイントだと思います」とコメントしていた。(報知新聞社)
この事件については被害者並びにそのご遺族にはまことにお気の毒で言葉もない。ただこの事件では感情論が先行して被告人に非難が集中しているが、逮捕に関しても「逮捕」とは処罰ではなく捜査の一手段で捜査機関が勝手にできるわけでもない。現行犯以外は裁判官の審査を受けて令状の発付があって初めて逮捕ができる。要件は「逃走及び証拠隠滅の恐れがある場合」なのでそれがなければ逮捕は成立しない。死亡ひき逃げで被疑者が車両をを持って出頭してきた際に警察が被疑者を逮捕したら裁判官が却下した例もあれば高齢者が介護に疲れてつれ合いを殺した場合などでは逮捕しない例もある。この例も高齢で被告自身も負傷しており入院治療が必要で逃走の恐れがないと言うことなので逮捕しないで在宅で捜査したのだと思う。基本捜査は任意で行うことが大原則で身柄拘束は例外である。また裁判で犯行を否認したこともそれは被告人の権利であり、感情的には許せないと言うのも分かるが、それがいいとか悪いとかいう問題ではない。被告はうそをついてるのではなくて真実ブレーキを踏み続けたと認識しているのかもしれない。最終的な事実の認定は裁判官が証拠によって行う。それが日本の刑事司法裁判である。杉村氏の意見は正論ではある。議員になったころはとんでもないのが議員になったと思ったが、最近はなかなかいいことを言う、・・。
※ 例が卑近すぎるかもしれないが、満員電車の中で痴漢を疑われて、事実やっていないのだから、「おれはやっていない」と言ったら否認と言われて「とんでもない奴だ」と非難され逮捕される。その立場に自分が置かれたらどう思うだろうか。
Posted at 2020/10/11 16:10:20 | |
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