2021年02月04日
そして当日六本木の防衛省の近くで事前の打ち合わせをするために待ち合わせをした。こっちがクレヨンと行くと向こうはもう来てこっちを待っていた。小僧は不貞腐れた顔をしていたのでこっちから「先日は大人気ないことをして悪かった」と一言謝っておいてから今回のいきさつを説明して「本当にやる気があるならこれから行って担当者に話してみれば、・・」と言ったところ、「もしも可能であれば、‥」と言うことだったので相手方に「これから伺う」と電話を入れて防衛省に向かった。
正門で「採用担当の何とか一尉にお会いしたい」と言うとすぐに連絡を取ってっくれてその何とか一尉と言うのが迎えに来てくれた。そして通行証をもらうと中に入って行って面接室のような部屋に案内された。ただ僕とクレヨンは付き添いなので「外でお待ちください」と出されてしまった。しばらくすると何とか一尉は一人で出てきてどこかに行ってまた戻って来た。それから僕たちも中に呼ばれて結果について説明を受けた。要するに海自に条件付き採用と言うことで教育期間中どんなことでもトラブルを起こしたら除隊と言うことでの採用だった。本人も納得しているようだったのでそう言うことでいいのだろう。
「では指定の日時に指定の連絡事務所に行ってください。こちらから事前に連絡を入れておきます」
何とか一尉は玄関まで送ってくれて「では間違いのないようによろしく」と言って戻って行った。なかなかスマートな対応ではあった。それも本格派美人のせいかもしれないが、・・。
この件については最初に何とか一尉が言った通り条件付き採用ということで小僧はネット通販サイトを畳んで海上自衛隊何とか教育隊と言うところに入隊した。期間は3ヶ月とか、その後それぞれ専門分野に分かれ、さらに教育を受けて部隊に配属になるのだそうだ。本格派美人に借りた金は今後分割で返すと言うことだったが、本格派美人にはその気はないようだった。
そしてその本格派美人の方はそのまま残ってしまったが、彼女も小僧に対する義理は果たしたと言うことで気分的にも自由になったのだろう。小僧とは一旦お別れして次を考えることになった。そうしたら女土方が、「ちょっと一つ話があるんだけど、‥」と言ってホステスの話を持ってきた。例のあのバーのマダムからの話なんだそうだが、銀座のあるクラブの知り合いのママさんがホステスを探しているんだそうだ。超一流どころではないが、それなりに堅実な営業をしているところだそうでこの時期もきちんとお客が入っているそうだ。ただ時期的なこともあって店のホステスが何人かやめてしまったので何とか至急に人出が欲しいとか。まああの女なら引く手数多だろう。クレヨンに連絡を取らせて話を伝えると「ホステスなんかやったことがないからできるかどうか。でも食べて行かないといけないのでやってみる」と言うことなのでしばらくぶりにみんなであの店を訪ねることになった。
まあこのご時世だが、いつも一緒にいる家族のようなものばかりなので大丈夫だろう。そんなわけで例のバーに行くと「このご時世で閑古鳥が鳴いているの」と嘆くママが大歓迎してくれた。そして本格派美人を見ると「この人なら先方も大歓迎よ」と太鼓判を押してくれた。そして面接の時間を決めてくれて話は進んであとは宴会となってしまった。この時期だから不謹慎かもしれないが、みんな家族、おっと家族のようなものなのでまあいいだろう。結果としては本格派美人はその銀座のバーにお勤めすることになった。ただ一つの条件は付き合っている相手がいたら別れることだそうでそのことだけは「ざまあ見ろ」だった。本格派美人も小僧に対する義理は済んだということだし、向こうは缶詰で会えないし、この先もどこに配属になるかもしれないし、一旦離れようということで決心したそうだ。後で聞いたところでは本格派美人はやはり引く手数多ですぐにナンバーワンになりそうだとか。まあそれは当然だろう。男だったらあの女を放っておくのはまずいない。男の、おっと元男だった、僕が言うのだから間違いはない。
「ねえ、あなた、ずいぶんとあの女にご執心だったようだけど気に入ったの」
ある日、知的美人がいきなりそんなことを言い出した。
「そうそう、私たちなんか眼中にないといった態度だったわ。よほどお気に入りだったんでしょうね。まあ彼女、きれいだからね」
クレヨンが珍しく知的美人に同調した。
「そうね、あの人きれいだったわね。でも彼女って面食いでもないと思うけど。私とお付き合いしているんだから。」
女土方がちょっと僕を擁護するようなことを言ったが、女土方だって世間一般で言えば十分美人ではある。
「彼女もきれいだったけど皆さんも十分きれいでしょう。まあそういうことは個人の好みもあるから誰が上とか下とか言えないけど。私なんか皆さんがうらやましいわ」
僕がそう言うと知的美人がふふんと鼻で笑った。
「あなただって十分きれいだと思うけど。私たち以上に、・・」
まあ美人と言えばそうかもしれないが、美人と褒められてもそれはこの体の元の持ち主のせいであって僕にはあまり関係ない。美人なんてものは結構主観的なものではあるが、ここにいる3人はまあきれいだと思う。クレヨンも普段は「サル、サル」などと言ってはいるが、それは知的レベルの話であって姿かたちは結構いい線行っていると思う。知的美人もかなりいい線行っていると思う。女土方はちょっと冷たい印象があるが、これも立派な美人ではある。でもやっぱり本格派美人はその上を行っている。まあ銀座のクラブの売れっ子ホステスになってしまったのでもう縁はないだろうけど。女土方はともかくクレヨンと知的美人は結構男を食ってきたんだろうけど最近は方向転換してしまって女食いになってしまった。もっとも二人とも僕の男の部分の魅かれているようなのでやっぱり男食いなのかもしれない。
Posted at 2021/02/04 14:11:53 | |
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