【ニュースの核心】
ロシア軍によるウクライナ侵攻に対し、国際社会の批判が高まっている。民間人への無差別攻撃や核攻撃示唆という〝狂気の暴走〟に、国連総会は緊急特別会合で、即時の無条件撤退を求める決議案を圧倒的多数で採択した。国際刑事裁判所(ICC)も「戦争犯罪」の疑いで捜査を開始した。日米欧は経済制裁として、国際決済ネットワーク「国際銀行間通信協会(SWIFT)」からロシアの一部銀行を排除することで合意。ジャネット・イエレン米財務長官も「さらなる強力な措置」の必要性を強調する。危機的状況に追い込まれたロシア経済。ジャーナリストの長谷川幸洋氏は、ウラジーミル・プーチン大統領が「核攻撃」に傾く危険性や、軍によるクーデターが勃発する可能性を考察した。
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ウクライナに軍事侵攻したロシアのプーチン大統領が「核攻撃」の可能性をちらつかせて、ウクライナと世界を脅迫している。だが、私は「プーチン氏の足元が揺らいでいる」とみる。ここ数日の展開で、私が注目したのは、国際的な大手企業に事実上の「ロシア包囲網」が急速に広がった点だ。英石油大手BPがロシア事業からの撤退を表明すると、極東サハリンで石油開発を続けてきた英石油大手シェルも後に続いた。
ドイツ商用車大手のダイムラートラックは、ロシア企業との提携を解消し、米国のIT大手アップルや、スポーツ用品大手ナイキ、エンターテインメント大手ディズニーも、ロシアでの製品販売や映画公開を停止した。クレジットカード大手のマスターカードやVISAは、ロシアの銀行との取引を止めた。「国際法無視の軍事攻撃を続けるロシアとは、とても付き合いきれない」と見極めたからだろう。こうした動きは、今後も続くに違いない。ロシアとのビジネスが企業イメージに大打撃になるからだ。日米欧は、一部のロシア銀行を国際決済ネットワーク「SWIFT」から締め出し、ロシア中央銀行との取引も制限した。これによって、ロシアはドルやユーロなどの外貨を入手しにくくなった。ロシア中銀は政策金利を倍近い20%に引き上げた。
これらの結果、ロシア市民は買い物でクレジットカードを使えず、ドルは手に入らず、住宅ローンは大幅金利上昇という苦境に直面している。西側の映画はおろか、コンサートや国際的スポーツ大会からも締め出されてしまった。海外旅行など夢のまた夢だ。ロシア市民はわずか1週間で、世界から隔絶された悲哀をいま、ヒシヒシと感じているに違いない。これが、独裁者が引き起こした「戦争の現実」である。戦いの行方は見通せないが、結末がどうだろうと、プーチン政権が続く限り、国民の苦難は変わらない。おそらく今後、数年は続くだろう。ロシアは「図体の大きな北朝鮮」のような国になる。ロシア国民が、そんな未来を受け入れるだろうか。
■プーチン「核のボタン」手を伸ばす可能性ある
ロシア軍の一部退役将校からは、開戦前から「戦争反対」の声が上がっていた。今後は、西側の制裁で資産を凍結された「オリガルヒ」と呼ばれる新興財閥からも、政権批判が強まるだろう。プーチン氏は軍事攻勢とは裏腹に「国民の支持」という政権基盤が傷つき始めているのだ。
追い詰められたプーチン氏は「核のボタン」に手を伸ばすだろうか。
私は「可能性はある」とみる。プーチン氏が合理的なら、軍事侵攻自体があり得なかった。だが、彼は2014年のクリミア侵攻でも、1年後に「核攻撃の用意があった」と告白している。「全面侵攻」というレッドラインを超えた彼に「もはやタブーはない」と考えるべきだ。ただ、プーチン氏1人が決断しても、軍トップなどが関与して止まるかもしれない。そうなれば、事実上のクーデターである。
米国のジョー・バイデン大統領が2日の一般教書演説で、サラリと「プーチンだけに(Putin alone)責任がある」と語ったのは、意味深長だ。「他は見逃してやる」つまり「軍の反乱を促した」と、とれなくもない。いずれにせよ、私たちは「最悪のシナリオ」に備えた方がいい。
この時代に独立主権国家に武力侵攻して思うままに動かそうと言うその神経が理解できない。しかも民間人や原発まで攻撃するなど正気の沙汰ではない。しかし、プーチンの頭の中では正当な行為なんだろう。ウクライナの抵抗で軍事侵攻が思うようにいかないが、抵抗はさらに激化するだろうし、西側の支援も続くだろうし、制裁もさらに厳しくなるだろう。企業は次々ロシアから撤退して生活にも影響が出てくるだろう。ロシアにしても経済が安定しているわけでもないだろうから経済制裁はじわじわと効いてくるだろう。ウクライナ侵攻の莫大な軍事費もロシア経済に重くのしかかるだろう。今時ネットを遮断しても情報は入って来るだろう。ろくな補給もなく命を懸ける前線の兵士だって不満を募らせているだろう。今回のような大規模作戦の経験がないロシアは作戦遂行に様々不都合が生じているんだろう。プーチン自身は「ロシア中興の英雄」として頂点に君臨したいのだろう。だから何があっても引くと言う選択肢はあり得ない。後は内部から崩壊するのを待つしかないだろう。ウクライナの抵抗が長引けば長引くほどその可能性が高まるし、制裁がさらに厳しくなればやはりその可能性が高まるだろう。しかし、そうなったときにプーチンがウクライナに対して戦術核を使わないとも限らない。その可能性は五分五分だろう。ただもしも核を使用した場合ロシアはどうなるんだろう。ロシア国民はプーチンと心中する覚悟があるんだろうか、・・(^。^)y-.。o○。
Posted at 2022/03/07 22:43:19 | |
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