
中古車、未曽有の価格高騰
中古車の価格が高騰している。その背景には、新型コロナ禍を発端とした都市のロックダウンによる物流の滞りや、世界的な半導体不足がある。それにより新車の生産が遅れ、納車待ちが発生している。つまり、新車を注文してもなかなか届かない状況になっているのだ。この納車待ちは、自動車メーカーや車種によって差があるとも言われている。その理由はどこにあるのか探ってみた。
新車よりも中古車の方が売れている
車の購入を検討している、あるいは買い替えを検討しているユーザーは、新車を注文しても納車されるまでの期間が長過ぎるため、すぐに納車可能な中古車に流れている。実際、以下のようなデータがそれを物語っている。日本自動車工業会(JAMA)のデータによると、2020年の四輪車新車販売台数は約381万台(普通車、小型四輪車、軽四輪車)だったのに対し、四輪中古車販売台数は約574万台(普通車、小型四輪車、軽四輪車)だった。
日本自動車販売協会連合会(自販連)のデータでも、2022年5月末時点の新車販売台数の累計は約108万台、中古車登録台数は約152万台となっている。中古車が多く販売されており、中古車の在庫(タマ数)が減少傾向にある。その状況は2022年6月時点でも解消されていない。中古車価格は、車種、年式、走行距離、色、外装・内装の劣化具合などさまざまな要因で変わってくる。そのため、個体差が大きく一概に安い・高いと判断することは難しい。しかし、筆者の愛車(2019年式に新車で購入した国産ハッチバック)の値段を比較しても、新車と中古車であまり差がないことに驚いた。自動車販売店の担当者に聞いてみても「新車と中古車の価格差が少ないこともあり、納期が長くても構わないのであれば、新車をお薦めしている」と話す。
納車まで4年以上かかる車種も
現在、新車を注文するとどのくらいで納車されるのか。各自動車販売店に出向いて具体的に聞いてみた。もちろん車種やグレード、カラーによって違いがあることはお断りしておく。トヨタでは、大人気ミニバン「ヴォクシー」や「ノア」の納期は、6か月から8か月ほどかかるという。また、車の周囲を確認できるアラウンドビューモニターなどのオプションを付けると、さらに3か月ほど納期が伸びる可能性があるという。アラウンドビューモニターなどは半導体が使われているため、製造に時間を要してしまうからだ。さらに、本格SUV「ランドクルーザー」にいたっては、注文すると、納車まで4年(2022年4月時点)ほどかかるという。「世界各国で好評なためお届けするのに多大な時間を要する見通し」だとアナウンスされている。
次にホンダはどうかというと、トヨタ同様、売れ筋のミニバンの納期は数ヶ月以上になる可能性があるらしい。ただし、ミニバン「ステップワゴン」は、2022年6月にフルモデルチェンジされたため、前モデルで在庫が残っていればすぐに納車できるケースもある。
軽自動車のラインナップが充実しているスズキは、軽自動車SUV「ジムニー」や、乗用車版ジムニー「シエラ」は納車までに1年半ほどかかる。実際、筆者は2年前にジムニーシエラを注文した経験がある。その時の納期は1年2か月だった。早急に乗り換える必要があったため、泣く泣く別の車種に変えた。あれから2年以上経過しているが、いまだに納車までの期限が解消されていないどころか、より長くなってしまっている状況だ。
三菱デリカ、1か月納車の理由は?
スズキの販売担当者は、
「全ての車種ではないが、ジムニーのような決して燃費がいいとは言えない車種よりも、比較的燃費が良く幅広い層から注文を受けるような車種の製造を優先するケースがある」
と、ジムニーの納期が遅れている一因を明かした。つまり、低燃費車の方が製造の優先順位は高く、納車までの期間が短くなる場合もある。ちなみに軽自動車「アルト」は、現在長くても5か月ほどで納車可能だという。
そうした中、SUVなどを多く販売している三菱自動車は、半導体不足などの影響を受けずに新車を比較的すぐに納車できるメーカーだ。実際、三菱自動車で「デリカD:5」を注文すると、1か月ほどで納車される。自動車メーカーは軒並み納車待ちが発生している状況の中で、なぜ、三菱自動車だけが1か月あまりで納車できるのか。
その理由を三菱自動車の販売担当者に聞くと、
「車種によって異なるが、三菱自動車の関連会社(商社など)で多くの半導体や部品をストックしているため、自動車の生産に大きな影響が出ていない。もちろん注文が集中している車種については納車までに時間がかかっているが、それでも半年前後だ」
と説明。一方で、
「当社で扱っている認定中古車などの人気も非常に高まっており、他メーカーの車に乗っていたユーザーからの問い合わせも増えている。ここ数年の同じ時期と比較しても、認定中古車の在庫は少なくなっている状況だ」
と付け加える。
中古車の価格高騰しばらく続く
全ての自動車メーカーには取材できなかったが、いずれの販売担当者もコロナ禍による中国のロックダウンが大きく影響していると口をそろえた。今後しばらく中古車価格の高騰は解消されない可能性が高い。ただ、前述の通り新車の納期に影響が出ていないケースや、低燃費車を優先して生産されるケースも存在する。半導体を多く使うオプション装備品を選択肢から外すことによって、納期を短縮できる可能性もある。
筆者自身、これまで新車も中古車も購入してきた。そのどちらにもメリットがある。今後、車の乗り換えを検討している場合、新車であれば、メーカーや車種、カラー、グレードによって納車までの期間に違いがあるため、いつごろ納車されるのかといった事前の確認は必須だ。中古車であれば、コロナ禍以前の中古車価格の相場を調べ、本来の相場を把握しておく必要がある。損をしないためにも、その中古車が適正な価格で販売されているのか、徹底した相場チェックを欠かせないようにしたい。(室井大和(自動車ライター))
今年5月の自動車生産台数はトヨタが前年比で30%弱の減少だが、日産は80%近い増加、ホンダも60%近い増加だと言う。トヨタの生産が遅れているのは新型コロナによる中国のロックダウンと言うが、それは他社も一緒だろう。トヨタだけが生産が減少しているのは「看板方式」という効率化を最優先した部品の調達方式に原因があると言う。購入がトヨタ車に集中しているのも原因だろうし、日本だけでなく世界市場の状況の問題もあるのだろう。大体車を買っても納車が1年も2年も先になると買ったと言う実感がない。2年も経って「納車されます」なんて言われても「え、車買ったんだっけ、・・?」なんてことになりそうではある。中古車も価格が上がっていると言うが、GRヤリスも程度のいいものは中古の方が新車価格よりも高いなんてこともあるそうだ。86GRも契約から納車まで半年かかり、「長いなあ」と思ったが、今度のヤリスは速くて1年半と言うので「買ったんだかなんだか訳が分からない状態」ではある。最近のトヨタ車は速くて2,3ヵ月、普通で半年、ちょっと遅いと1年以上とか言うのが当たり前なので仕方がないのだろう。この状態はこのまま大きな問題がなくても2025年一杯続くと言うことなので何かあればさらに伸びるだろう。しかし電力が足りないとか生産遅延だとか一時は世界を席巻した日本の産業は一体どうなってしまったんだろうねえ。困ったものではある。もっともロシアは侵攻したウクライナで分捕った電気製品の半導体を外して軍用に再使用しているとか言うのでそれよりはまだましだろう。最も比較の対象がロシアでは話にならないか。早く生産が正常に戻るといいのだが、・・(^。^)y-.。o○。
Posted at 2022/06/29 23:04:45 | |
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