2022年07月16日
帝国陸海軍の高高度戦闘機は大体18試と言って昭和18年になってB17に手を焼き、更にその上を行くB29の存在を認知したころから慌てて陸海軍共に様々な機種を試作し始めた。それまでも陸軍の二式単戦、海軍の雷電などがあったが、陸軍はさほど切羽詰まっていなかったので片手間だったし、雷電は振動と零戦の呪いのような視界不良、運動性不足などの苦情で開発が遅延していた。
そんなわけでまともな高高度戦闘機がなかった日本だが、昭和18年になって必死の開発が始まった。海軍は震電と天雷、陸軍はキ87にキ94、その前にキ96と言う双発の戦闘機があったが、そのころはさほどの緊急性がなかったので試作で終わってしまったが、この機体はけっこう高性能だったので対爆撃機用戦闘機として完成させておけばそれなりの活躍をしただろう。その後この機体はキ102襲撃機、キ108高高度戦闘機に発展したが、時すでに遅しではあった。
海軍の天雷は誉エンジン双発の4千馬力高高度戦闘機で30ミリ機銃2門、20ミリ機銃2門と重武装を誇ったが、粗製乱造の誉の性能低下とエンジンナセルに起因するナセル失速などで予定の高速が発揮できず試作で終わってしまった。速度は出なかったが、運動性はまことによかったとか言う。
震電は前翼でエンジンを操縦席後方に装備したエンテ型推進式の戦闘機で機種に30ミリ機関砲を4門装備していた。最高速度は750キロと言う高速を発揮するはずだった。しかし2回の試験飛行だけで終戦になってしまった。この戦闘機もカタログデータ上はなかなかの高性能だったが、装備されたハー43と言う三菱金星の発展型エンジンが量産になればトラブルが発生するだろうこと、エンジンの冷却に問題があったこと、エンジンのトルクが強く右に傾斜すること、機首に武装を集中したので機首が重く容易に上昇姿勢にならなかったことなど機械的、または空力的な問題が多かった。しかし致命的と思われるトラブルはなかったと言うが、3回の試験飛行で終戦となってしまった。
陸軍は中島でキ87と言うタービン過給機を装備した戦闘機を試作したが、車輪を90度ひねって後ろに引き込むようにした主脚が正常に作動せず大事を取って脚を出したままで5回試験飛行しただけで開発中止になってしまった。小型で強力なモーターが作れなかったのが失敗の原因と言うが、素直に一番簡単で確実な機構にしておけばよかった。
さらに立川飛行機に高高度戦闘機の試作を命じたのが、キ94Ⅰだが、双発双胴でエンジンを操縦席の前後に串形に取り付けたものだったが、陸軍にこのような形式が嫌われて実機の製作中止となり、代って提案されたのが単発のキ94Ⅱである。この戦闘機は与圧キャビン装備、タービン過給機を操縦席の下面まで引っ張って過熱を避けるなど様々な工夫がされていた。全備重量は7トンと言う日本戦闘機としては空前の巨大戦闘機となったが、姿は極めて美しい戦闘機だった。この機体も試作機が完成して試験飛行を行う前に終戦となって消えてしまった。エンジントラブル、排気タービンの過熱、その他さまざまな問題が生じただろうが、予定通りに完成すれば世界でもトップクラスの高高度戦闘機だったと言う。
その他三菱の閃電、満州飛行機のキ98などがあったが、閃電は開発中止、キ98は旧ソ連の侵攻で製作中の機体も設計図も焼却されたと言う。また陸軍はキ96から発展したキ102、キ108などがあったが、いずれも試作あるいは少数生産で終わっている。
日本の高高度戦闘機の共通の問題点は安定した性能を発揮できる大馬力エンジンが作れなかったこと、タービン過給機、機械式過給機などの技術が遅れていたこと、更にはそうした機器を作るための材料が入って来なくなったこと、ハイオクタン燃料、高品質潤滑油が製造できなかったこと、高高度用プラグコードなどの技術が遅れていたことなど様々な問題があった。
残念なのは陸軍のキ96という機体でこの機体は金星エンジン双発の戦闘機だったが、陸軍が必要性を感じず、試作で止めてしまった。この機体の翼面荷重170キロをもっと大きく、つまり翼を小さくして速度を上げて、排気タービン過給機装備の金星双発にしたら超高性能とはいかなくても高高度の迎撃にかなり使えたかもしれない。それがちょっと残念ではある。
当時陸軍と海軍は同じような機種を別々に開発していたが、例えば長距離援護戦闘機は海軍の零戦を、防空用の迎撃機には陸軍の二式単戦を、と言うようにお互いに融通して使用していたらもっと余裕を持って新しい機体の開発ができたかもしれない。しかし同じ口径の機銃の弾丸も規格が違い融通できないと言うのだから軍用機の目的別の開発など夢のまた夢だっただろう。戦争末期になって共同開発を始めたが、時すでに遅しの感があった、‥(^。^)y-.。o○。
Posted at 2022/07/16 22:54:09 | |
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2022年07月16日
16日、東京都が確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は1万8919人だった。先週土曜日の9716人から9203人増え、5日連続で1万人を超えた。また、29日連続で前週同曜日を上回った。新たに感染が確認されたのは、10歳未満から100歳以上の1万8919人。直近7日間の感染者数の平均は1万4106人で、前の週の209.1%となっている。
16日時点の新型コロナ患者用病床の使用率は37.0%(2571人/6944床)。オミクロン株の特性を踏まえた重症者用病床使用率は10.2%(43人/420床)だった(どちらも分母は現時点の最大確保見込数)。重症者は前日から2人減の14人となっている。また、70代と80代の男女合わせて2人の死亡が確認された。(ABEMA NEWS)
東京の新規感染者は1万8千人台、全国は11万人台、青森県(975人)、宮城県(958人)、山梨県(481人)、静岡県(2712人)、愛知県(7269人)、香川県(593人)、高知県(427人)、山口県(770人)、福岡県(6588人)、熊本県(2752人)、長崎県(912人)、鹿児島県(1701人)、沖縄県(3904人)で感染者数を更新したそうだ。お上も何も制限をかけていないので連休で人出は多い。防疫環境はよろしくないので自分自身でできうる限り感染防止対策に努めるしかないだろう、・・(^。^)y-.。o○。
Posted at 2022/07/16 18:54:57 | |
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