トヨタ自動車は2022年度の国内生産について、3年ぶりに300万台を回復する見通しを据え置いた。300万台は、トヨタが国内工場の競争力を維持する目安としている水準だ。原材料費の高騰に苦しむ部品メーカーへの支援を強化し、コロナ禍による生産の遅れを挽回していくシナリオを描いている。(山本貴徳)
想定外の事態
4~6月期のトヨタ・レクサスブランドの国内生産は、前年同期比22%減の約59万台にとどまった。コロナ禍が深刻化した20年4~6月(50万台)に次ぐ低水準だ。半導体をはじめとする部品不足で、繰り返し工場が停止した。中国・上海のロックダウン(都市封鎖)、半導体メーカーの工場火災、愛知県で発生した工業用水の供給停止など、想定していなかった事態が相次いだ。目標の300万台を達成するためには、3か月ごとに80万台のペースで生産しなければならない計算となる。顧客に納車を待ってもらっている「受注残」は、国内だけで80万台規模に膨らんでいる。信頼をつなぎとめるためにも生産の回復は必須だ。トヨタは、課題だった半導体の調達には「ある程度のめどがついた」と説明している。増産に向けた人員確保も準備が整いつつあり、7~9月期からは、段階的に生産を増やす方針だ。
雇用・技術を維持
国内の新車市場が縮小する中でも、トヨタが生産「300万台」を掲げ続けるのは、雇用や技術、サプライチェーン(部品供給網)を支えていくのに必要な水準だと考えるためだ。一定の規模を確保することで、国内で研究開発や技術革新が活性化し、人材の育成にもつながる効果を見込む。生産拠点として日本を再評価する声もある。中国などアジア地域の人件費は急速に上昇しているが、日本は相対的に安定している。一方で、国内工場の生産性は向上を続けている。部品メーカーも含めて、自動車産業のすそ野を守ることが、長い目でみるとトヨタの競争力の源泉になるとみている。
「当社の分工場と心得」
挽回生産には、部品メーカーとの緊密な連携もカギとなる。相次ぐ減産に、原材料費の高騰も重なって、部品メーカーは疲弊しており、トヨタは支援を強化している。部品メーカーの要望を受け、生産計画の見通しは、ある程度、明確になった時点で伝えるようにした。伝える範囲も「1か月先」から「3か月先」に見直した。
鉄やアルミニウムなど原材料費の価格が上がった分は、トヨタへの販売価格に上乗せすることを認めている。電気代やガス代、物流費の増加についても、トヨタが実質的に肩代わりする仕組みを導入する。
トヨタの熊倉和生・調達本部長は「他社も減産しているため、トヨタ(の注文)で経営を支えている仕入れ先もある。(部品メーカーの)声に応えていく必要がある」と話す。創業者の豊田喜一郎氏は、部品メーカーについて、「当社の分工場と心得、その工場の成績をあげるよう努力すること」と説いた。異例とも言える手厚い支援も、部品メーカーとの共存共栄を図る理念に基づいている。
トヨタもいろいろと苦労しているようだ。内輪の事情は分からないが、半導体不足、その他部品不足、新型コロナ、ウクライナ侵攻などが足を引っ張っているんだろう。人災も自然災害も何が起こるかわからないからなあ。でもこの先も何が起こるかわからない。まずは洪水、日本の治水対策は現在の降水量に対応していない。コロナもまだ分からない。半導体はかつて日本の得意分野だった。1988年の半導体売上高では日本が世界の50%を超えていた。そのころはNEC、東芝、日立製作所、富士通などが世界の売上高トップ10の常連だったが、その後、日本のシェアは徐々に下がり、2019年の世界シェアは10%にまで落ちている。日本メーカーが強かったのはコンピューターのデータを記憶するメモリーの分野だったが、メモリーは量産品となりコンピューターの演算処理をこなす中央演算装置(CPU)などの「ロジック」とよばれる半導体が主役になってきたためだそうだ。アメリカの半導体市場調査会社がまとめた2021年の世界の半導体メーカー売り上げランキングではトップは韓国のサムスン電子、2位はアメリカのインテル、3位は韓国の SKハイニックスだそうだ。日本勢では電源を切ってもデータが記憶されているナンド型フラッシュメモリーを得意とするキオクシア(旧東芝メモリ)が2020年には9位に入っていたが、2021年にはトップ10から消えてしまった。このランキングでは半導体の受託生産会社は除かれているが、受託生産会社を含めると世界最大手の受託生産会社であるTSMCは上位に入ると見られている。半導体に細かい回路を書き込む技術では他の追随を許さず、世界で最先端を走る半導体メーカーとして今最も注目されているメーカーだそうだ。半導体は世界の生産高の10%程度だが、日本の半導体メーカーはキオクシアのほかにルネサスエレクトロニクスは自動車用のマイコンでは世界の約3割のシェアを持ち、首位に立っているし、ソニーグループはスマホのカメラや車の自動運転に欠かせない画像解析用の半導体のイメージセンサーで世界シェアの約5割を握っている。半導体をつくるための半導体製造装置は日本メーカーがまだ世界の上位にある。アメリカ市場調査会社の調べでは2020年の半導体製造装置メーカーの売上高の上位15社に日本メーカーが7社も入っているそうだ。東京エレクトロンが4位、アドバンテストが6位、 SCREENが7位、日立ハイテクが9位、 KOKUSAI ELECTRICが11位、ニコンが12位、ダイフクが15位に入っている。半導体材料の分野では基板になるシリコンウェハーは信越化学工業が世界でトップのシェアを持っていて、SUMCOが2位だそうだ。フォトレジストとよばれる感光材はJSRや東京応化工業などの日本メーカー5社が世界シェアをほぼ占有している。以前から日本はCPUでは米国に後れを取っていた。日本も先端技術には金をかけて世界をリードするようにならないといけない。先端技術立国で先端技術で国を富ませれば人が減っても優秀な研究者を育成すれば大丈夫だろう。ちょっと脱線したが、半導体の供給がうまくいってコロナが落ち着けば大丈夫だろう。少しくらい価格が上がっても契約を変更して払ってやるから頑張れ、トヨタ。技術は継続が力になる。関連会社の技術はお客も一緒に守っていかないといけない。自然災害はどうにもならないが、どうにかなることはどうにかして受注残を一掃しよう、‥(^。^)y-.。o○。
Posted at 2022/08/06 22:29:38 | |
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