
最近はハイブリッドのパトカーをたまに見かけるが、少し前までパトカーはエンジン車じゃないと!と言われていた。当時は停止時間が長いと……もしもの時を考えると……などなど、さまざまな意見が飛び交っていたが、今やハイブリッドのパトカーも散見するまでに。おそらく技術的にも耐久性的にも問題ないとの判断で今のパトカーが採用されたのだろうが、今後電動モデルのパトカーは増えていくのか!?(文:小鮒康一/写真:ベストカーWEB編集部)
ハイブリッドはNGじゃなかった!?排気量か最高出力がポイント
ちょっと前まではパトカー、特に交通取り締まりに従事する車両においてはガソリンエンジンモデルであることが定説となっていた。そのため、210系クラウンの覆面パトカーの見分け方として「リアにハイブリッドエンブレムが備わっていないこと」が目印とまで言われていたのだ。
しかし2020年に警視庁管轄においてカムリハイブリッドをベースとした覆面パトカーが登場し(しかもTRD仕様だ)この常識が打ち破られることとなったのである。ただ、それ以前も取り締まり用のパトカーにおいてハイブリッド車がNGと明確にされていたことはなく、指定されているのは排気量もしくは最高出力の値のみとなっており、そのどちらかをクリアしていれば問題なくパトカーとして採用されるものとなっている(内容は都道府県によって微妙に異なるようだが)。そのため、現行クラウンパトロールカーである220系においては交通取り締まり用車両が2リッターターボとなり、2リッターターボ仕様には4WDが存在しないため、警ら用の4WD車においては2.5リッターハイブリッドが採用されているというワケなのだ。
信頼性からハイブリッドが避けられていた説も
とはいえ信頼性が必要なパトカーだけに、部品点数を増えるハイブリッドカーはこれまで避けられてきたという側面も否定できない。実際、クラウンのパトロールカーは伝統的に後期型になってから(もしくは一部改良がなされたあとから)登場するパターンとなっているが、これも登場間もないモデルをベースとした際に、初期不良などが発生してしまう可能性を嫌ってのことだと言われている。ただ、1997年に初代プリウスが登場してから早25年、トヨタのハイブリッドシステムも熟成が進んで信頼性も大きくアップしたということが、警察車両にもハイブリッドモデルが採用されるようになった要因のひとつと言えるかもしれない。
地方にEVパトカーも!当面はハイブリッド全盛になる予感
クラウンのように国費によって大量に導入されるモデルではなく、各都道府県が独自に導入しているパトカーにおいては実はかなり前からハイブリッドモデルの採用実績がある。古くは初代プリウスから2代目のインサイト、最近ではプリウスPHVやアウトランダーPHEVなどもパトカーとして採用実績があるため、決してハイブリッドカーをパトカーとして採用しないというワケではないのだ。
また、過去には燃料電池自動車であるミライ(初代)が徳島県警のパトカーとして導入されたことや(こちらは地場のトヨタディーラーからの寄付だったが)、実証実験の一部として三菱のi-MiEVが導入されたこともあるほか、現在ではミニキャブMiEVのパトカーも警視庁管轄に存在している。さすがに20万kmもの走行を前提に導入されている取り締まり用車両や警ら用車両にはまだまだ電気自動車が採用されるには航続距離やバッテリー劣化、充電問題などさまざまなハードルが存在している。だが、ハイブリッドカーに関してはもはやなんの問題もないと言え、今後も多くのハイブリッドカーが警察車両として導入されていくことだろう。
警察車両には国の予算(国費)で購入されて各都道府県に配備されるものと各県が独自の予算(県費)で購入するものの二種類がある。パトカーは伝統的にクラウンが多かった。それ以外ではマークⅡ(マークX)やスカイラインなどがあったが、最近はクラウン一本のように思う。警察庁がクラウンが好きらしい。パトカーらしいとか。で、購入は大体モデルチェンジ前に在庫車両を購入して赤灯や無線機、データ通信機などを搭載して白黒に塗装してパトカーに架装する。車両自体は驚くほど安いが、赤灯や無線機、データ通信機などが高いのでそれなりの額になる。架装はTRDなどがやっている。そんなわけだから今は15代クラウンが巷に出始めた。次期クラウンがパトカーとして世に出てくるのはまだ先になるだろう。国費の捜査車両などは各メーカーに購入が均等に割り振られる。メーカーは警察庁からの要求仕様に合致するような車を選んで納入する。大体2リッタークラスのセダンやミニバンが多かったが、メーカーも売れていない車を売り込むのでキャバリエとかキザシとか不人気車種が入ってくることがある。あまり人気車種が入ることはない。一時期予算の削減で捜査用車両にコンパクトカーを導入したらどうかなんて話があったが、現場のおまわりさんは「窮屈だ。疲れる」とか言って小型車を極端に嫌うので流れたようだ。県費の車両は県が独自に買うので地元のメーカー、神奈川なら日産、愛知ならトヨタ、栃木だとスバルとかの車が入って来るが、数は少ない。一時期、神奈川の高速隊や交通機動隊にGT-Rが大量に入ったことがあったが、日産が寄付したとか。交通取締用の車両はエンジンをでかいのに積み替えている車両が多い。舐めると痛い目を見るかもしれない。あいつら、運転はめちゃくちゃうまいしなあ。このご時世で世の車がBEVやFCVになってくると警察車両もその手の車を導入するだろう。東京は白バイにBMWの電動バイクを導入したが、あれは緑のタヌキが無理やり押し付けたらしい。EVのミニパトを使っている県警もあったような、・・。そう言えばCB1300Pが絶版になるとホンダはどうするんだろうか。NT1100Pでも作るんだろうか。白バイも国費と県費があって国費はグリップヒーターがついていないとかで評判が悪かったそうだが、グリップヒーターないと冬場は辛いよなあ。まあいずれにしても新型クラウンがパトカーデビューするのはまだ当分先だろう。県が独自に購入すればまた別だろうけど数は極めて少ない。国費車両の耐用年数も伸びて10年くらい使うしなあ、・・(^。^)y-.。o○。
Posted at 2022/09/04 02:05:14 | |
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