2022年09月21日
バイクが買えないそうだ。先日8月にホンダドリーム世田谷にバイクの点検に行った際もほとんど買えるバイクがなかった。ショールームはがらんとしてCBR1000RRーR、NT1100、レブル250、それにスクーターくらいしかなかった。CB1300について聞いてみたら在庫のみの販売で新規オーダーはストップだという。その理由と言うのが四輪と一緒で新型コロナウイルス感染症に起因した半導体不足による電子部品の入荷遅れ、海外工場のロックダウンによる一時操業停止、海上輸送の混乱などがバイクの生産の障害となっているようだ。また新型コロナ感染症の感染爆発で通勤のためのバイクの需要が高まっていて、主に二種原付スクーターだろうが、一部の車種については増産しても需要に追いつかない現象も起きているそうだ。バイクメーカーの広報も「生産遅延は新型コロナ感染症の流行で海外の工場が断続的にロックダウンしている」のが大きな理由と言う。バイクの部品生産は世界各国の工場で行われているので最終的な組み立てを行う工場にパーツが揃わないと車両を組み上げることはできなくなるんだそうだ。また新型コロナに起因する物流の混乱で国内入荷の見通しを立てるのが難しくなっているらしい。この辺の事情は四輪と全く一緒ではある。
さらにバイクの生産を混乱させる理由がある。それは排ガス規制で2022年11月以降に生産する車両は令和2年排出ガス規制に適合していなければならないからだ。生産継続車は2022年10月まで猶予があるものの2022年11月でモデルチェンジをしなければならず新たに型式を取る必要があるのだそうだ。そこでメーカーは現行機種について金をかけて排ガス規制に適合させるか、それとも生産終了するか、選択しないといけない。この1~2年前に生産終了になった機種についてはABSの義務化(2021年10月以降)やヘッドライトの保安基準変更(2020年7月以降)が主な理由でそうなったそうだ。排ガス規制後も生産するためには新たに型式を取らないといけないが、そうなると現行モデルの受注が生産可能台数に達してしまったので現行モデルの受注を終了するというもの。先の新型コロナ感染症による生産の混乱がなければ増産できたモデルもあったかもしれないが、旧排ガス規制適合モデルでは2022年10月まで継続生産したとしても受注に追いつかない。新排出ガス規制適合モデルでは年間計画の上限に達してしまってこれ以上の増産ができないということだろう。しかし、これは「改めて新排出ガス規制に適合、または継続生産か色変更などを施した次年度モデルを発表してから受注再開する」と言うモデルと文字通り生産が終わってしまう生産終了モデルに分かれる。次年度モデルの登場を約束しているのが受注一時停止なんだそうだ。要するに新型コロナによる生産遅延、受注が計画生産数に達したことによる受注一時停止、令和2年排ガス規制を主な理由とした生産終了は生産遅延に相乗効果として存在はしているものの若干事情が異なるということのようだ。
ホンダの生産終了機種(2022年10月生産まで)はGold Wing(リアトランクレスタイプ、Gold Wing Tourは含まず)、VFR800F、VFR800X、CB400スーパーフォア&スーパーボルドール、ベンリィ110
受注一時停止機種(2022年8月1日時点)はレブル1100、レブル500、レブル250、CRF250ラリー、CRF250L、フォルツァ、ADV150、グロム、モンキー125、CT125・ハンターカブで、これ以外に新型CBR250RR(マイナーチェンジ)、新型レブル250(マイナーチェンジ)、CT125ハンターカブ(新エンジン搭載)、CB1300シリーズ・30周年記念モデルの登場が国内SNS等で予告されているそうだ。海外では新型車としてADV160(ブランニュー)が登場し、NC750やNT1100などの2023年モデル(新色)が発表済みだ。
ヤマハは、セロー250やSR400のファイナルエディションを発表した後、FJR1300シリーズ(2022年2月発売)の生産終了を公表。このほか現行ラインナップで令和2年排出ガス規制に適合していないのはYZF-R3、MT-03、ナイケン/GT、ボルト、トリシティ125/155/300、マジェスティS、シグナスX(後継車シグナスグリファスが発売済み)。海外ではYZF-R3/MT-03、トリシティシリーズのユーロ5(令和2年排出ガス規制相当)適合モデルが導入済みだそうだ。
スズキは最後の4気筒ナナハンスポーツであるGSX-S750は生産終了、原付二種スクーターのスウィッシュ/リミテッド、アドレス125/フラットシート仕様も生産終了、このほか現行ラインナップで令和2年排出ガス規制に適合していないのはGSX-R1000R、Vストローム1050/XT、Vストローム250、GSX250R、ジクサー250、ジクサーSF250、バーグマン200、ジクサー150、アドレス110だそうだ。海外ではユーロ5適合の新型Vストローム1050/DEが発表された他、ジクサー250シリーズおよび兄弟車のVストロームSX(日本未発売)についてはインドでユーロ5に近いBS6モデルが販売中だそうだ。
カワサキは10月に発売されるニンジャZX-6R KRTエディションおよびKLX230SMが旧排出ガス規制適合型式のままでどうなるかは未定。同じく10月発売で旧排出ガス規制適合モデルのヴェルシスX250ツアラーはこの2023年モデルをもって次年度以降は生産は終了のようだ。このほか現行ラインナップで令和2年排出ガス規制に適合していないのはZ H2シリーズ、Z1000、ニンジャZX-25R、ニンジャ250、Z250、KLX230S、Z125プロ(2021年モデルをもって国内導入終了済み)だ。海外ではZ H2シリーズのユーロ5適合・2023年モデルなどが発表済みだそうだ。
バイクも生産規模の縮小に加えて排ガス規制や電動化などで四輪同様に大きな曲がり角に来ているようだ。バイクの場合、実用的な要因よりも趣味的な要因が強い乗り物なのでこの先どのようになっていくのか予想が難しいが、小型のバイクは電動化へ、大型のバイクは趣味的な乗り物として存在していくのだろう。大型のバイクは数が少ないのだから電動化よりは内燃機関搭載として存続してほしい気もするが、なかなか難しいだろうし、四輪の電動化が進めばガソリンの入手も難しくなるだろう。今のところはバイクの買い替えは予定していないが、CB1300シリーズも30年記念モデルが出るとその後は生産終了だろう。もう一度くらい買い替えるかどうか、CB1300の今後の生産の様子を見たいが、並列4気筒大排気量エンジンにツインショックなんて博物館ものだそうだからそろそろ殿堂入りだろうか、・・(^。^)y-.。o○。
Posted at 2022/09/21 22:33:39 | |
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バイク | 日記