2023年09月23日
日本海軍は水上機を多用した。これは海に囲まれた島国でマリアナ諸島、マーシャル諸島、パラオ諸島など中部太平洋に信託統治領を持っていたこともあったが、土木建築能力が貧弱で飛行場を急速に造成出来ないこともその理由だった。米国はブルドーザーやパワーショベルなどを使用して土地を造成してその上に鉄板を敷いて飛行場を作ったが、日本の場合はほとんど人力で土地を切り開いていた。そんなわけで日本には優秀な水上機が多かった。大型機では97式大艇、2式大艇など飛行艇としての性能は他国を凌駕していた。ただし防御性能は低く被害も多かった。また94式3座水上偵察機、95式複座観測機、零式観測機、零式3座水上偵察機など傑作機と言われた機体も多かった。また零戦にフロートを付けた2式水上戦闘機、紫電改の原型となった強風水上戦闘機などもあって飛行場のできていない地域の防空に活躍した。また瑞雲水上偵察爆撃機も戦争後期に実用化されている。2式水上戦闘機や零式観測機などは飛行場のない離島で防空戦闘機として用いられた。零式観測機は空戦性能がいいと言われたが、所詮は下駄履き水上機、被害も多く何もないよりマシという程度だが、米軍戦闘機を撃墜することもあったという。また零式3座水上偵察機なども偵察、対潜哨戒、あるいは20ミリ機銃を下向きに取り付けて米軍の魚雷艇狩りにと地味ではあるが、活躍したし、94式水偵、95式観測機も複葉布張りの旧式機だったが、使いやすい安定した機体で戦争前期まで使用された。戦争後期になるとさすがに下駄履きの水上戦闘機では米軍の新型戦闘機には太刀打ち出来なくなってしまったが、強風が米軍爆撃機を撃墜したり零式観測機が米軍のF6Fを撃墜したこともあったそうだ。最後に活躍した水上機は瑞雲でフィリピン戦や沖縄戦で夜間攻撃などで活躍したそうだ。米軍も水上機はあったが、戦艦など大型艦に搭載される程度で土木工事能力の高い米軍はさほど水上機を必要としなかったようだ。太平洋戦争開戦直後にウェーキ島を占領した日本海軍が米軍のブルドーザーを見て驚いたというが、日本にもブルドーザーはあったが、ごく一部で使用されていた程度で一般にはほとんど馴染みがなかった。また作業能力も低く米国のブルドーザーを見た草加任一司令官が戦争の先行きを憂慮したと言う。ウェーキ島で鹵獲したブルドーザーを参考にして小松製作所に150台のブルドーザーを作らせて海軍が装備したというが、戦争は後期で特に戦局に寄与したと言うことはなかったようだ。そんなわけで水上機を多用した日本海軍だが、その技術は川西から改名した新明和工業に引き継がれて世界でも例を見ない高性能のPS1、US1、そして最新型のUS2飛行艇の開発につながったが、海上自衛隊だけの使用で生産数が少なく価格が高いため輸出は振るわないそうだ。1機100億円という価格で波高3メートルの荒れる海🌊に離着水できるという能力を必要とする国がどのくらいあるかもちょっと疑問ではある。それが技術的には世界のどの国もなし得ないことであったとしても、・・ではあるが、売れるといいとは思っているが、😁🌀👋😞🎃😅🌴。
Posted at 2023/09/23 22:42:37 | |
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