東電は22日の記者会見で、福島第一原発1号機の格納容器の下部にある圧力抑制室が、ほぼ水で満たされているとみられることを明らかにした。
ドライウェルと呼ばれる上部も半分程度、水がたまっているとみられ、燃料が完全に水につかるまで格納容器を水で満たす「水棺」処理が事実上進行していることになる。
圧力抑制室は通常、約50%の水が入っており、圧力容器の内部が非常に高圧になると、弁を通じて内部の蒸気を導き、水中で冷却、凝結させて全体の圧力を下げる。1号機の圧力容器には、これまでに約7000トンの水が注入されており、東電は、この水がほぼ全量、格納容器内にとどまっているとみている。
2、3号機には格納容器の容量(約7000トン)を上回る1万4000トン、9600トンが注水されているが、圧力抑制室の損傷などで格納容器から流出し、タービン建屋などに流入している可能性が高いという。
1号機は大方この方向で安定化だろうか。いずれは水を抜いて解体するのだろうけど当面は水で満たして冷温停止、そして放射線遮断だろう。2,3号機は原子炉または格納容器が損傷しているようなのでちょっと難しいだろう。
炉心を冷やすには水を入れないといけないが、そうすると放射線汚染水が流れ出てくる。容器の修復は高濃度放射性物質による汚染で難しい。いっそのこと格納容器周辺にコンクリートを流し込んで水漏れをふさいでから水棺処理だろうか。それにしても相当期間、時間がかかりそうだ。
経済産業省原子力安全・保安院は23日、東京電力福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールに約140トン注水することを明らかにした。現在の2倍の量という。プールの水温が約91度と高いために注水分の大半が蒸発し、現在の水位は燃料上部から2メートル弱しかない。保安院は今回の注水で水位が上昇し、燃料上部からの高さが本来の4メートルに戻ることを期待している。
プールには、使用済み核燃料棒を束ねた燃料集合体が、1~3号機より多い1331体入っている。これまでコンクリート圧送車を使い、1日平均70トンを注水してきたが、燃料が多いために放出される熱量も高く、水が蒸発し水位が上がらない状態が続いている。
一方、プール周辺では先月発生した爆発のために、プールを支える構造物が壊れている恐れがある。このため、東電は破損状況を調べた上で、補強工事も実施する方針だ。
4号機は使用済み燃料プールの核燃料処理だが、あれだけの爆発だからどこか損傷しているのだろう。これも水を入れれば汚染水が流れ出るというジレンマのようだ。これも修理とは言っても高レベルの放射線でなかなか難しいだろう。結局、あの4基の原発の処理は今後も相当期間を要するだろう。
今日、かかりつけの医者と話していて、「菅政権のやることは何とも遅い」と言ったら、その医者は、「遅いというよりも何もしていないじゃないですか」と憤慨していたが、仮払いや補償だけでなく、20キロ圏から退避した人たちの生活の復旧をどうするのか、政府はもっと真剣に迅速に考えるべきだろう。いくらなんでもこんなことをしているとクーデターでも起きるんじゃないか。
Posted at 2011/04/23 16:11:11 | |
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