
三菱重工業と三菱航空機は5日、国産初の小型ジェット旅客機「MRJ」(三菱リージョナルジェット)の組み立て開始を記念する「鋲(びょう)打ち式」を、飛島工場(愛知県飛島村)で開催した。操縦席の天井となる骨組みに、作業員がかけ声とともに留め金具を打ち込むと、会場から大きな拍手がわき起こった。
東日本大震災後の自粛ムードで、一時は式典の中止も検討されたが「MRJは日本の航空業界の夢と希望。日本を元気にしたい」(三菱重工の石川彰彦民間航空機事業部長)と実施に踏み切った。
MRJは関連企業の大半が東海地域に集中しており、現時点で生産に大きな影響は出ていない。平成26年春の1号機納入に向け、工程はほぼ計画通りに進んでおり、24年夏には初飛行を行う見通し。三菱航空機の江川豪雄社長は「生産スケジュールは見直さない。明るい話題で日本を力づけたい」と意気込む。
三菱航空機では5月にも欧州に販売拠点を設け、海外での受注を強化する計画で、江川社長は「欧州、米国、アジアでの受注に全力をあげる」と述べた。
三菱航空機は、開発中の次世代リージョナルジェット機『MRJ』の欧州地域での販売を強化するため、オランダのアムステルダム市に現地法人を設立し、5月1日から営業活動を開始すると発表した。
欧州は、米国に次ぐ規模のリージョナルジェット機の市場がある。現地法人を設置することで顧客のニーズに迅速に対応するなど顧客に密着した営業活動を展開するのが狙い。
新会社「ミツビシ・エアクラフト・コーポレーション・ヨーロッパ」は、欧州に加え、中東、アフリカ市場も担当地域として、地域内の潜在需要の開拓に注力するため、顧客との信頼関係を強化、MRJのプレゼンスを高めながら新規受注獲得を目指す。資本金は50万ユーロ。従業員数は事業開始時点で4人。
世界のリージョナルジェット機市場は、今後20年間に5000機の需要が見込まれており、このうち約3割が欧州市場が占めるとの見方もある。欧州市場での活動をより効率的で生産的なものにするため、地域内各国へのアクセスの良さや大陸内での時差が無いことからオランダのアムステルダムに現地法人を置くことが最適と判断した。新会社は当面、販売活動、情報収集、広報活動を中心に事業を展開してMRJブランドの市場への浸透を図る。
三菱重工が日本の民間航空機製造の未来をかけた挑戦が始まる。日本の復興をかけたプロジェクトというほど大げさなものでもないが、航空機産業は極めてすそ野の広い産業なので成功すれば日本の経済にそれなりに効果があるだろう。
機体についてはなかなか革新的という評価と凡作という評価が入り混じっているが、技術的には水準以上を行く機体と思われる。特に運航経費や燃費などはそれなりに優れたものになるだろう。問題は販売とその後のサービスケアやメンテナンスだろうが、これもボーイングの支援を受けるというので良い結果が出るかもしれない。また、トヨタが参入していることもサービスやメンテナンスには効果があるだろう。
400~500機が採算分岐というが、現在はオプションを含めて125機、実機が出来てからが本当の勝負というのでこれからが本当の勝負の時だろう。ボンバルディ・エンブラエルの2大メーカーの後塵を拝するか、これらの一角に食い込むことが出来るか、YS11以来、50年ぶりの挑戦が始まる。
Posted at 2011/04/06 23:20:52 | |
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