東京電力は26日未明、定期検査のため、柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の6号機(135万6千キロワット)を停止する。東電の保有原発17基が停止するのは、原発設備のデータ改竄(かいざん)問題を受けた平成15年春以来。東電は原発なしで今夏の電力需給を乗り切る計画だが、最大13%超の電力不足になる可能性もある。国内54基のうち、稼働中は北海道電力泊原発3号機の1基だけになるが、5月初めまでには定期検査入りの予定で、国内の全原発が停止する。
東電は25日午後2時から、柏崎刈羽6号機の原子炉に核分裂を抑制する制御棒を注入し、徐々に出力を下げ始めた。26日午前0時に発電をストップ、同1時半すぎに原子炉を停止する。東京・内幸町の東電本店の中央給電指令所と柏崎刈羽原発内では、25日深夜から翌未明にかけ、6号機の出力表示が「0」になる状況を報道陣に公開。定期検査は、約2カ月半で終了する見込み。
東電の西沢俊夫社長は同日、「当面は安定供給は確保できる見通しだが、無理のない範囲で節電へのご協力をお願いしたい」とコメントした。また、福島第1原発事故後も柏崎刈羽の稼働を継続できたことに感謝の気持ちを伝えた上で、「(地震や津波対策など)安全性・信頼性向上に向けた取り組みを着実に進める」として、将来の再稼働に意欲を示した。
東京電力は27日、福島第1原発2号機の原子炉格納容器内に線量計を入れて計測し、最大で毎時72・9シーベルトの高い放射線量を確認したと発表した。これまで同原発で測定された線量で最も高く、溶融燃料の取り出しなど今後の廃炉作業の障害になる可能性もある。炉心溶融を起こした1~3号機で、格納容器内部の線量を測定したのは初めて。
東電は格納容器の貫通部から線量計を挿入し、底から約4~7メートルの高さの計8地点で線量を測定した。内壁から約1メートル離れ、高さ約7メートルの地点では毎時39シーベルトだったが、底に近づくにつれて線量は上がり、約4メートルの高さの作業用足場付近で同72・9シーベルトと最も高かった。
人間は7シーベルト浴びると1カ月以内に死亡、20シーベルト以上では数日以内に死亡するとされており、東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「非常に高い線量。内部で作業するためには、遮蔽(しゃへい)や、放射線に強い機器を使う必要がある」とした。
東電は廃炉に向けて、格納容器を水で満たした上で燃料を回収する予定だが、高線量や低い水位が作業を阻む可能性がある。
日本の産業や経済のことを考えれば当面の原発の再稼働は必須だろうが、東日本大震災のような災害を考えると感情論が台頭するのだろう。しかし、止めていても被害を受ければ同じことだろう。
原発があんなに簡単に電源を喪失してメルトダウンするとはかなり意外だった。燃料と発電機を耐震・防水構造の建屋にでも収納しておけば良かったんだろうが、今となっては後の祭りだろう。
日本の原発54基を廃炉にして解体するとしても長期間をかけた国家的事業になるだろう。それならばいっそのこと感情論は封印して耐久性を高めたうえで使えるものは使ったらどうだろうか。
Posted at 2012/03/27 21:54:16 | |
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