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2012年03月24日 イイね!

悲劇の老朽戦艦「扶桑」型

扶桑型戦艦は日本海軍最初の超弩級戦艦として1911年に呉海軍工廠で建造が開始され、1914年3月に進水、1915年11月に竣工した。多くの艦を建造できない日本海軍の個艦優越主義により、扶桑型は連装砲塔6基12門の主砲を搭載する当時の最重武装艦となった。出力40,000馬力で速力も当時の戦艦としては比較的高速の22.5ノットで、完成当初は世界最大最武装最速の戦艦だった。


しかし扶桑型は英国ライオン級巡洋戦艦や、英国戦艦「エジンコート」、ドイツのケーニヒ級戦艦のように砲塔がボイラー室を挟むような配置で、後年の近代化改装時にボイラーの増設が困難となったようだ。また全長の5割に達する長大な被弾危険箇所(弾薬庫等)、6割に達する砲塔配置(金剛型は33%)という防御上の弱点、第3・第4砲塔の不適切な主砲塔配置により一斉射撃時に爆風が艦全体を覆う等、数々の問題を抱えていたようだ。


準同型艦の伊勢型戦艦ではこの点は改善されているものの、当時の日本の技術力としては無理が多かった部分もあり、防御能力では当時の列強の戦艦類と比べると見劣りするという。実際に1912年5月の報告書では列強の戦艦と比較し、本型の砲塔装甲の薄さを指摘、『此の如きは正に寒心に堪えずと曰はざる可からず』と評しているようだ。また速力もクイーン・エリザベス級戦艦との比較で十分とは言えず、速力増大を必要としている。


1930年4月に呉海軍工廠で近代化改装に入り、1933年5月に完了たが、問題となっていた主砲発射による爆風の対策として、艦橋部分の新設と改装、装甲防御の増設と改善、更に7.6センチ砲等対空砲の搭載と、主砲仰角の引き上げという具合に攻防両面の能力向上が図られたようだ。増設した艦橋の高さは、およそ水面から50m以上になり、姉妹艦「山城」と共に日本戦艦中最高となったようだ。第一次改装後に機関出力がほぼ倍増され、速力も24.5ノットに向上したため、「伊勢」「日向」「長門」「陸奥」と戦隊を組み、高速艦隊機動が可能となっている。この当時、24ノットで艦隊機動を行える戦艦部隊はイタリア海軍に存在するだけだったという。


第二次近代化改装は、第一次から僅か一年後の1934年9月から行われ、1935年2月に終了している。この時にバルジを増設、艦尾を約5メートル程延長し、全長も212.75mとなった。艦橋上の測距儀も8mのものを搭載し、防空施設の増設や水上偵察機の搭載を行った。後年のフィリピン決戦前には電探も積まれている。しかし機関の改善という点では5,000馬力出力増加したものの、太平洋戦争時には速力が24.7ノットと日本戦艦中最も遅くなった。ちなみに、イタリアのコンテ・ディ・カブール級戦艦やカイオ・ドゥイリオ級戦艦は煙突と煙突に挟まれた砲塔を1基撤去して、それぞれ21.5ノット→28ノット、21.5→27ノットへ増速している。日本海軍の場合、大和型戦艦や翔鶴型航空母艦の建造、他艦の改装による予算と設備の不足から、1943年に艦齢30年を迎える老朽化した扶桑型戦艦に大改装を施す余裕がなかったという事情があるようだ。


太平洋戦争緒戦では、真珠湾攻撃に向かった南雲機動部隊の後詰め・曳航艦として山本五十六連合艦隊司令長官が座乗する戦艦「長門」や「陸奥」と共に出撃、1941年のミッドウェー作戦で日本を出撃]したが、米軍と交戦することはなく日本へ戻っている。それ以降は出撃もなく、「山城」、「伊勢」、「日向」と共に二線級の扱いだったが、ミッドウェー海戦で日本軍は主力空母4隻を喪失、空母不足に陥った日本軍は扶桑型や準同型艦である伊勢型戦艦「伊勢」「日向」を航空母艦へ改造することを検討したが実現せず、伊勢型のみを航空戦艦に改造した。


1943年7月には、戦艦「長門」と共に航空隊の演習目標艦となったが、1944年6月初旬の渾作戦に「扶桑」は第五戦隊、第十駆逐隊、第十九駆逐隊、第二十七駆逐隊と共に出撃、ビアク島に上陸した米軍を撃退すべく同方面に進出したが、米軍機動部隊出現の報告(誤認)を受けて連合艦隊司令長官の命令により退避した。1944年10月、「扶桑」は第二艦隊第三部隊として、旗艦「山城」と共にブルネイ泊地から出撃、スリガオ海峡を通り抜けてレイテ湾を目指したが、米軍第7艦隊第77任務部隊第2群の攻撃を受け、魚雷4本が命中した「扶桑」は落伍し、大爆発を起こした。「扶桑」の船体は直ぐに沈没せずそのまま炎上し続けたが、艦長の阪匡身少将を含む全員が戦死したので、その最期を詳しく知る者はいないという。


この扶桑型は老朽・低速と言うことで太平洋戦争では何ら活躍することもなくレイテ突入で悲劇的な最期を遂げたが、第2次改装で思い切って第3・4砲塔と副砲を撤去して機関を増設し、速力を30ノット程度まで上げて金剛型と同様の高速戦艦としておけば相当程度活躍したことだろう。低速と言っても5ノット、時速にしてわずか9キロ程度の差だったのだから、扶桑・伊勢・長門の各型を高速戦艦としておけば相当な戦力になり得ただろう。


予算や設備不足、戦術思想などの問題があったようだが、高速化しておけば、艦橋の後ろから第5砲塔まで甲板がかなり広く空いており、ここに高角砲を増設して防空戦艦として空母の護衛にも使えたのではないだろうか。海軍が力を入れて建造した1万トン級重巡などは意外に脆く、レイテ沖海戦ではほとんど全滅しているなどさほどの活躍はしていないが、戦艦はなかなかタフで使い勝手も良かったように思う。中央の砲塔を撤去しておけば防御上の問題も減少しただろうから一石二鳥だっただろう。しかし、これも結果を見ての後知恵なのでやむを得ないだろうが、扶桑型戦艦を見ると、「高速化しておけば、・・・。」と残念で仕方がない。
Posted at 2012/03/24 15:22:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2012年03月23日 イイね!

政府、フィリピンへ巡視船を供与

南中国海(南シナ海)で中国と領有権紛争中のフィリピンに対し、日本が‘武器’に相当する巡視艇を供与することにしたと、日本経済新聞が22日報じた。

報道によると、日本政府は1000トン級の大型巡視艇を含む複数の船舶を年内にフィリピンに供与する方針を決めた。これは南中国海の領有権をめぐって中国と対立しているフィリピンの防衛能力を高めるためだ。米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)各国は海洋安全保障協力で中国を牽制しており、日本もこれを支持している。


フィリピンは日本に対し、1000トン級巡視艇2隻、180トン級小型巡視艇10隻の支援を要請した。日本は政府開発援助(ODA)を活用し、数百億円規模の円借款を供与する予定だ。また約10億円規模の無償資金支援で、フィリピンの沿岸警備隊運用を支援する方針という。


日本は武器の輸出を禁止した「武器輸出3原則」を昨年末に緩和したことで、こうした支援が可能になった。日本はソマリア海賊対策を支援するため、中東のイエメンにも巡視艇の無償供与を検討している。


一方、フィリピンは米国にも国防分野の支援を要請している。フィリピンのアキノ大統領は20日、中国を牽制するために米国との軍事協力を拡大すると明らかにした。アキノ大統領は「フィリピンが国防力を高めるためには米国の支援が必要」とし「フィリピンが要請したF-16戦闘機、巡視艇、防空レーダーなどの支援について、現在、米国が検討している」と述べた。


フィリピンに巡視船を供与するというが、第2次大戦時の米国の護衛駆逐艦と数隻の警備艦艇しかないフィリピンにとっては1000トン型巡視船は大きな戦力になるだろう。しかし、だからと言ってその程度で中国をけん制することが出来るとは思わないが、米国が供与したハミルトン型巡視船とともに海賊などの制圧には力を発揮するかもしれない。直接の戦力よりも国家間のつながりが出来ることの方が効果が大きいかもしれない。
Posted at 2012/03/23 21:47:46 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2012年03月21日 イイね!

日本の未来を拓くか、最新海洋資源調査船「白嶺」

日本の未来を拓くか、最新海洋資源調査船「白嶺」独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は21日、2月に完成した最新鋭の海洋資源調査船「白嶺」(6283トン)を、東京・晴海埠頭で報道陣に公開した。海底に眠るレアメタル(希少金属)など天然資源の開発を目指し、日本近海で埋蔵量の調査などに当たる。

日本は1970年代から海洋資源調査を進めており、白嶺は3代目の専用調査船となる。先代の「第2白嶺丸」と比べ、総トン数は約3倍に大型化した。

船上に設置したボーリング装置は、2千メートルの海底に到達した後、さらに地下400メートルまで掘り進むことが可能。従来は地下十数メートルが限界だった。

世界第7位のEEZ海面を管理する日本だから海底資源は宝の山だろう。大量の資源の採掘が可能になれば日本の未来はまた変わるだろう。是非資源開発を推進して明日の日本の支えになることを期待している。
Posted at 2012/03/21 22:53:52 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2012年03月21日 イイね!

ここまで来ると笑うしかない防衛大臣

北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射実験とみられる「衛星」打ち上げ予告を受け、田中直紀防衛相は21日の記者会見で「情報収集、警戒監視に遺漏なきよう期している。P3Cとイージス艦の配備も検討している」と説明した。どうやら沖縄本島や石垣島に展開を検討する航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット「PAC3」と、海上自衛隊の哨戒機「P3C」を混同しているらしい。


あまりの防衛知識の欠如から国会での野党の追及の矢面に立たされている田中氏だが、ミサイルが発射されれば破壊措置命令を下す立場だけに防衛省内では不安視する声が続出する。まさかミサイル発射直前にコーヒーを飲みに失踪することはないだろうが…。


ご愛嬌と言えばご愛嬌だが、P3CとPAC3くらい覚えられないのかねえ。傍で見ている分には面白いが、防衛省や自衛隊の関係者はげっそりとやつれてしまうだろう。それともなまじ中途半端な知識であれこれ口を出される方がやり難いだろうか。いずれにしてもこの緊迫した状況を抱えて防衛関係者の苦悩はさぞ深いことだろう。
Posted at 2012/03/21 21:39:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2012年03月20日 イイね!

北に備えて南西諸島にMD配備へ。

政府は20日、北朝鮮が「人工衛星」を名目に発射を予告した長距離弾道ミサイルが日本の領土・領海に落下する事態に備え、上空通過が予想される沖縄県に航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)を配備するとともに、周辺海域に海上自衛隊のイージス艦を展開する方向で検討に入った。田中直紀防衛相が自衛隊法に基づく、「破壊措置命令」を発令すれば、速やかにこうした態勢を整える。


国際海事機関(IMO)に北朝鮮が通報した計画によると、打ち上げは4月12~16日の期間に行われる。沖縄県の石垣島など先島諸島の上空を通過し、ロケットの2段目がフィリピン・ルソン島の東方沖に落下する。


これに対し、防衛省は、2009年4月に北朝鮮の弾道ミサイルが東北地方の上空を通過した時と同様の迎撃態勢を取る方向だ。09年の打ち上げの際は、日本海と太平洋にイージス艦計3隻を展開し、秋田、岩手両県や首都圏にPAC3を配備した。


北朝鮮が衛星打ち上げに偽装してミサイル打ち上げ実験を行うというのに何もしないわけには行かないだろうから、前回に倣った定番の配備だろうし、これが特に問題とも思えない。ただ、こちらが騒いだ分だけ北朝鮮には効果があったことになり、当然のこと高い金をかけて打ち上げた甲斐があったと喜ぶだろうから、あまり右だ左だと右往左往しないで淡々黙々と配備をしてその時を待った方が良いのではないだろうか。政治家は時として腹を据えて盤石の態勢でその時を待つ必要があると思うが、今の政権では無理だろうか。
Posted at 2012/03/20 21:19:50 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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