竹島では韓国、尖閣諸島では中国との“二正面外交”を強いられる中、政府は北方領土問題については「静かな環境のもとで交渉を進める」(野田佳彦首相)方針だ。ただ、中韓両国への対応を誤ればロシアに足元を見られる可能性も否定できず、中韓両国に対してどこまで毅然(きぜん)とした姿勢を示せるかがカギとなりそうだ。
≪日本≫
■北方領土 カギ握る中韓対応
「交渉が行われている領土問題とそうでない問題は、表現に相違があっても構わない」玄葉光一郎外相は24日の参院予算委員会で、韓国とロシアとでは異なる対応をとっている理由をこう説明した。
民主党政権は北方領土、竹島について「不法占拠」という言葉を封印。韓国に関しては李明博大統領の竹島上陸を機に「不法占拠」と批判したが、北方領土は「法的根拠のない形で占拠されているとあえて言う」(玄葉氏)との姿勢を続けている。背景には、韓国への対応との違いを際立たせることで、ロシアの前向きな姿勢を引き出したい思惑もにじむ。
もちろん、こうした配慮がどこまでロシアに理解されるかは未知数だ。事実、2009年10月に前原誠司沖縄・北方対策担当相(当時)が「不法占拠」と発言したことに対するロシア側の反発を受け、日本政府は「不法占拠」を封印したが、その後メドベージェフ氏は大統領、首相として2回にわたり国後島に上陸している。
ただ、竹島や尖閣諸島に関して日本が安易な妥協を図れば、北方領土交渉にも悪影響を与えかねない。日露外交筋は「外交はどちらが正しいかではなく、どちらが強いかどうかというのが現実。日本のことを強いと思えば、日本と協力したいと思うといった力学は絶えず働いている」と指摘。ロシア側が、韓国や中国に対する日本の対応を注視しているとの見方を示す。
「冷静に、毅然とした態度を取っていきたい」 首相は25日に会談した連合の古賀伸明会長に改めて決意を語ったが、対中、対韓外交で腰砕けになれば、ロシアも加えた“三正面外交”を強いられることになる。
≪ロシア≫
■揚陸艦、択捉・国後へ出航
ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦「アドミラル・ネベリスコイ」が25日、第二次大戦の戦没者慰霊などを行う記念航海のため極東ウラジオストクを出港した。インタファクス通信が伝えた。来月17日までの航海で北方領土の択捉島、国後島を訪れるとしている。
同艦隊の記念航海は今回で5回目。2010年の前回航海でも択捉島を訪れた。ウラジオストクで開かれた出港式典で同艦隊のマルトフ大佐は、「1945年8月に(北方領土などの)島々で繰り広げられた戦闘の場所や兵士の上陸地点を訪れることが計画されている」と語った。日本軍との戦闘が行われたシュムシュ島(占守島)に近いパラムシル島(幌筵島)も訪れる見通しだ。航海中には、ロシアが事実上の対日戦勝記念日に定めた9月2日も含まれており、この日はロシア極東各地で戦勝記念式典が行われている。
≪韓国≫
■メディア論調エスカレート 「過去直視しない日本 天皇の戦犯逃れ原因」
25日付の朝鮮日報など韓国各紙は、竹島(韓国名・独島(ドクト))をめぐり日本の領有権を強調した野田佳彦首相の記者会見での発言や、李明博(イ・ミョンバク)大統領の竹島上陸などに抗議した衆院の決議に一斉反発した。
韓国メディアの対日非難は竹島領有権の主張に対するものから昭和天皇の戦争責任論にまでエスカレートしており、竹島の領有権主張や天皇陛下への非礼に対する抗議を強力に打ち出した日本に対し、一歩も引けない韓国側の現状を露呈している。
朝鮮日報は、日韓併合条約発効(1910年)から29日で102年となることに関連し、日本の朝鮮半島統治における昭和天皇の責任を問う特集を掲載した。
同紙は社説で、天皇陛下に対する李大統領の謝罪要求に日本側が反発したことについて「天皇の問題となると理性をなくし、判断力を失い行動した第二次世界大戦以前の日本の姿が再現されている」と指摘。「天皇に対する発言は一言も聞き捨てならないという日本政府の態度も同様だ」と主張した。
特集記事では、昭和天皇をめぐり「戦後長期にわたり戦争責任論が取り沙汰されてきた」と言及。批判を天皇制にまで拡大し「戦後、米占領軍が日本統治に利用するために維持した天皇制」が「日本の保守化と極右化をあおる時限爆弾のような存在となった」と論じた。また、日本が竹島領有権を主張していることなどを「過去を直視しない姿勢」とし、その理由を「昭和天皇が戦犯責任を免れたため」と断言してもいる。
李大統領の謝罪要求問題については当初、韓国でも大統領を批判する論調もあったが、こうした見解は既に影を潜め、日韓関係が「最悪」の状態に陥ったとの見方が出始めている。
≪中国≫
■山東でデモ暴徒化
香港紙、明報(電子版)によると、中国山東省日照市で25日、沖縄県の尖閣諸島(中国名・釣魚島)の中国領有を主張する反日デモが起き、約千人が参加した。
中国版ツイッターの「微博」に投稿された情報によると、デモ参加者の一部が暴徒化して市内の繁華街の回転ずし店に乱入し、ガラスを割るなど店内を破壊して反日の気勢を上げた。
さらに、デモ隊は「釣魚島は神聖で不可侵な中国の領土」と叫びながら領有権を主張。「日本帝国主義を打倒せよ!」「日本製品をボイコットせよ!」などとシュプレヒコールを上げた。
デモ隊の周囲を警察が取り囲む格好で、横断幕や中国国旗を掲げ繁華街を1時間以上にわたり行進したという。日照以外でこの日、大きな反日デモがあったとの情報はない。
中国では19日も、最終的に約2万人が参加したとみられる広東省深センなど、25前後の都市で大小さまざまな規模の反日デモが行われていた。香港の活動家らによる尖閣上陸後、週末のデモは2週連続となった。
尖閣諸島は万難を排しても絶対に確保する。たとえ武力衝突になっても守り抜く。絶対に腰砕けや弱腰にならない。戦後65年頭を下げ続けてきた日本が領土と主権に関しては絶対に譲らないという姿勢を世界に示す。竹島は感情的になり易い韓国に冷静に論理で対抗していくべきだろう。
北方領土も同様、腰を引かずに冷静に粘り強く対応する。一番難しいのは一般市民が生活の基盤を構築している北方領土だろう。竹島は警備隊がいるだけなのでまだ可能性がないではないが、いずれにしても実効支配している領土を取り返すには武力行使しかないだろう。
だからこそ現実に何とか実効支配している尖閣諸島は絶対に手放してはいけない。これを手放した時日本は領土問題にかかるすべての領土を失うだろう。
Posted at 2012/08/26 20:48:12 | |
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