衆院は16日の本会議で解散され、12月4日公示・16日投開票の日程で総選挙が行われることが臨時閣議で正式に決まった。09年9月に政権交代を果たした民主党は与党としての初めての衆院選に臨むが、野田佳彦首相は目標を「比較第1党」とし、現政権を維持できる単独過半数を掲げなかった。政権奪還を狙う自民、公明両党は「自公で過半数」を目指し、日本維新の会など「第三極」を目指す勢力との三つどもえの構図で事実上の選挙戦に突入した。
◇首相「目標は比較第1党」
政府は16日午前の閣議で衆院解散を決定。午後3時45分からの衆院本会議で横路孝弘議長が「憲法第7条により衆議院を解散する」との解散詔書を読み上げた。現憲法下の衆院解散は22回目。政党のあり方は小選挙区制の導入によって「2大政党」へ向かっていたが、自公から民主党への3年前の政権交代を経て、第三極を目指す新党結成が相次ぎ、14政党が乱立する状況で解散を迎えた。衆院選後の政権の枠組みがどうなるかが焦点となる。
野田首相は解散後、民主党の両院議員総会で「政治を前へ進めるか、後戻りをする政治なのかが問われる闘いだ。畳かきむしっても勝利するぞ」と声を張り上げた。
その後の記者会見では、自民党の原発政策を「大きな方向性は10年間かけて決めると言っている。10年も立ち止まれば旧来の政策を惰性で行うしかない」と批判。外交安保政策でも保守色の強い自民党の安倍晋三総裁を意識し「極端に走れば排外主義につながり、日本が危うい。タフな相手と渡り合い、首脳外交を担えるのは一体誰か」と述べた。
首相は自民党の経済政策も「旧来型の公共事業のばらまき」と批判したほか、「脱世襲政治」も衆院選の争点に掲げて世襲議員の安倍氏との違いを強調し、自民党との対決姿勢を前面に押し出した。
政権奪還を掲げる自民党の安倍総裁は記者会見で「この戦いは日本を取り戻すための戦いだ。最大の争点は、どの党が停滞する経済を立て直し、被災地を復興でき、3年間の(民主党政権の)外交敗北を立て直すことができるかだ」とアピール。公明党の山口那津男代表も「3年間の民主党政権の失政を厳しく指摘し、反面教師として国民の期待に応える具体的な政策を訴えたい」と語った。
ただ、民主党からは16日も3人が離党届を提出。単独過半数を目標に掲げられないのが実情だ。輿石東幹事長はNHK番組で「選挙後の勢力図を見なければ一概には言えないが、やはり民自公が中心になることは間違いない」と3党連携を視野に入れていることも明らかにした。
一方、自民党の石破茂幹事長はNHK番組で「単独過半数が一つの目安だ。わが党が政権を担当できるだけの数をもらえるかが(勝敗)ラインだ」と語った。
あれよあれよという間に選挙戦に突入した。民主党はどうやって頑張ってみても大きく数を減らすだろうし、場合によっては党の存在自体が危うくなるだろう。そうかと言って自民党に熱狂的な支持が集まるとは思えない。やっぱり新しい政党ではだめだったから元に戻すほかはないだろうといった消極的な支持が多くなるだろう。過半数が勝敗ラインと言うが、過半数が取れれば上出来すぎるというところだろうか。
経済界は自民党の復活を歓迎するだろう。第三極はまだまだ正体が見えないが、橋下、石原の強力な個性に引っ張られているようでそれ以外に見るべきものがあるかどうか疑問だ。この政党が政権を取ると日本が右傾化しそうな気がしないでもない。いずれにしても財政再建への筋道をつけること、国家としての成長戦略を確定すること、そして国際社会の中で日本の地位、立場をどのように位置づけて、それをどうして守っていくか、この辺りをしっかりと基礎固めすべきだろう。今回の選挙は争点がないと言うが、考えようによっては日本の命運がかかる選挙となるかもしれない。どうなるのか結果には興味が尽きない。
Posted at 2012/11/16 23:39:07 | |
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