政府は、オーストラリア政府との間で締結交渉を進めている新協定に、自衛隊と豪軍の共同訓練などの際、豪軍の武器・弾薬や戦車など軍用装備品の日本国内への受け入れおよび移動を容認することを盛り込む方針を固めた。政府関係者が明らかにした。米軍以外では初めてで、検疫手続きの簡略化なども行う方向だ。
日本は“準同盟国”とみなす豪州との安全保障・防衛協力を加速させており、同協定はその象徴となる。アジア太平洋地域で日豪共通の軍事的脅威となっている中国や北朝鮮などを牽制(けんせい)する狙いがある。
検討されているのは「訪問部隊地位協定」。今年7月、豪州で行われた安倍晋三首相とアボット首相との会談後に発表された共同声明に、自衛隊と豪軍による共同訓練・運用の円滑的な実施に向け法的整備を相互に行う新協定締結の交渉開始が明記。9月の日豪首脳会談で協定の早期締結に向け作業を急ぐことで一致していた。
政府関係者によると、これまでの日豪の外務・防衛当局間協議で、自衛隊との共同訓練・運用のために豪軍を日本国内に短期間迎え入れる際、武器携行や戦車、戦闘機などの持ち込み、陸空の移動を認めることが骨格として固まったという。
日本は現行法上の制約から豪軍部隊を国内に受け入れられず、本格的な共同訓練の舞台はグアムなど国外に限られていた。政府関係者は「新協定の意義は大きい。自衛隊の演習場は手狭とはいえ、日豪の共同訓練が地理的に近い中国や北朝鮮への強いメッセージになる」と話している。
政府は豪側との調整を進め、来年の通常国会会期中に外務・防衛閣僚協議(2プラス2)で合意し、国会承認を得た上で、関連国内法を改正したい考えだ。
西太平洋、インド洋で中国を抑え込む核となる国は、日米のほかには豪印だろう。この四カ国がスクラムを組めば中国に対する抑止力となる。豪州は中国を防衛機の最大の相手国とするなど経済的には中国に依存する度合いは極めて高いが、インド洋、西太平洋もまた豪州にとっては生命線で中国の進出は警戒するところだろう。インド洋、東シナ海、西太平洋は日米豪印いずれの国も重要な生命線となっている。利害が一致する国同士が脅威にスクラムを組むのは自然の成り行きだろうが、各国の立ち位置が微妙に違うところも難しいところだ。いずれにしても日本が豪州と準同盟関係になることは自然の成り行きだろう。良い関係が出来上がると良いのだが、やはりまだまだ難しいところはあるだろう。
Posted at 2014/11/26 22:45:26 | |
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