北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)阻止を目指す韓国軍の対潜用海上作戦ヘリの配備計画が、ここ数年遅延していることが判明した。3回にわたって実施した委託研究ではいずれも「海外からの購入が最善」という結論が出たのに、韓国航空宇宙産業(KAI)などが少なくとも5年、最長で10年以上かかる「韓国製ヘリの改造」を要求し続けているからだ。北朝鮮のSLBMは先月の試射で500キロも飛ぶなど、実戦配備が迫っているとみられるが、韓国軍の対応はあまりに安易という指摘がなされている。
■「スリオン」ヘリで潜水艦を捕まえる?
最大野党「共に民主党」の李哲熙(イ・チョルヒ)議員(国会国防委員会所属)は26日、国政監査が開かれた国防部(省に相当)から「海上作戦ヘリ第2次事業」という資料を受け取った。この資料によると、防衛事業庁(防事庁)は2012年、1兆4125億ウォン(現在のレートで約1281億円)を投じて対潜用海上作戦ヘリ20機を配備する計画を立てた。海で敵の艦艇や潜水艦を探知・攻撃する海上作戦ヘリは、SLBMを阻止する「水中キルチェーン(挑発原点先制攻撃)」の中心的戦力だ。しかし、12年から15年にかけて韓国航空大学・安保経営研究院・国防技術品質院が計3度行った委託研究では、いずれも「韓国の開発能力、費用などを考慮すると、独自開発より海外からの購入が最も効率的」という結論が出た。これにより防事庁は、英国製のAW159ワイルドキャットを導入することとし、今年末までに第1次分8機を配備すると決めた。
ところがKAIは、韓国製の陸上用ヘリ「スリオン」を海上用に改造したいとして4回にわたって委託研究を要求し、このため第2次配備(12機)が遅れていると伝えられている。国防部も「国内研究・開発の育成が重要」として追加の研究調査を考慮しているという。韓国産の兵器での代替は自主国防という観点からも望ましいが、問題は、事業の妥当性調査から契約に至るまで少なくとも40カ月以上を要するという点だ。加えてスリオンは、今年初めに米国で行われた結氷テストを通過できず、第一線軍部隊への納入が全面的に中止されている。
世界的に見ても、陸上用のヘリを海上用に改造することに成功したケースは米国が唯一といわれている。またスリオンは、韓国海軍の護衛艦の格納庫には入らないため、ローター(回転翼)の長さを縮めるなど全面的な改造が必要な状況にあるという。李議員は「韓国の防衛産業の技術を発展させるため、国内研究・開発は極めて重要」と述べつつも「北朝鮮のSLBMの脅威が現実のものになったにもかかわらず、成功の確信もなしに少なくとも5年、最長10年以上かかるスリオンの改造にばかりこだわることはできない」と語った。
艦上機の陸上機化は簡単だが、陸上機を艦上機に改造するのは難しいと言う。今でもまともに飛ばないヘリを魔改造などした日にはどうなってしまうか分からないからやめた方がいい。あっちでドボン、こっちでドボンで救助に駆けずり回って対戦戦闘どころではなくなってしまう。やるなら米国からまともなヘリを買えばいいだろう。背伸びしてはいけない。身の丈に合ったことを考えよう。
Posted at 2016/09/27 16:42:23 | |
トラックバック(0) |
軍事 | 日記