スバルが作るトヨタのスポーツカーに登場前は賛否両論
スバルが北米向け2ドアスポーツカーとして登場させたのがBRZだ。2011年3月、スイス・ジュネーブモーターショーのスバル(当時は富士重工)ブースに登場した、スケルトンの技術展示。名称は「ボクサー スポーツカー アーキテクチャ」だ。
この頃のスバルといえば、アメリカ市場を最優先を掲げており、「インプレッサ」を筆頭に「フォレスター」、「レガシィ」、「アウトバック」と商品企画のアメリカシフトが加速し始めていた。こうした流れのなかで、スバルとして北米向け2ドアスポーツカーが欲しいと考えていたが、1社では販売台数が限定的のため、結果的にトヨタに対するOEM供給を行うことで合意していた。
スバルが作る、トヨタのスポーツカー。
いったいどんなクルマに仕上がるのか、その発想も含めて、日本のユーザーの間では賛否両論があったのは事実だ。筆者が最初にBRZプロトタイプに試乗したのは、栃木県のツインリンクもてぎ。その走りについて「まるで四輪駆動車のように、物凄く安定したコーナーリング特性」という印象を強く持った。その際、開発担当者からは「トヨタ86のサスの味付けは、トヨタ幹部からの要望があり、これ(BRZ)とは走りのイメージを少し変えた」と話していた。
主戦場アメリカでは着実にファン増やす
北米向け86はFR-Sとして北米トヨタ独自のサイオンブランドから発売された。「86」の製品企画担当者である多田哲哉氏は、アメリカ駐在時代にロータリーエンジン搭載車でローカルレースに出るなど、「アメリカ」や「レーシーな走り」に理解が深い人物である。北米向け「86」は、北米トヨタによる独自のサイオンブランドから発売され、モデル名称は「FR-S」とし、順調に販売数を伸ばした。
「FR-S」がアメリカ人に受け入れた背景には、90年代末から2000年代初頭に全米で爆発的なブームとなった、日系改造車のトレンドがある。映画「ワイルドスピード」の初作や第二作で描かれた若者カルチャーである。こうした極度のブームが去った後でも、日系小型2ドアスポーツカーに対するアメリカ市場からの要望は着実に存在した。「FR-S」でも、ライトチューニングからビックタービン搭載までアフターマーケットをけん引した。その後、2016年にサイオンが13年間の短い歴史の幕を下ろすと、「FR-S」は日本同様にトヨタ「86」として販売が継続された。
こうした北米での「FR-S」「86」、さらに「BRZ」について、多田氏はアメリカ現地でユーザーの声を丁寧に拾っていた。そうしたなかで「86のさらに上のモデルが欲しい」という声が挙がり始めた。それが具現化したのは、BMWと協業した「スープラ」である。いろいろな意味で、「86」はアメリカ人に愛され、そしてトヨタの新世代スポーツカー市場の礎となったといえるだろう。(桃田健史)
まあ商売と言うのはこういうもので需要があるからものを作って売るのが常道ではある。何だかんだ言ってみても米国と言う大きな市場があるから金をかけて小型のスポーツカーを開発して販売する。そのメイン市場で「もう少し力があった方がATとのマッチングもいいし、乗り易い」と言う要望が出れば、「では86も8年が経ったのでエンジンの排気量をちょっと増やして馬力とトルクをアップしましょう。でも台数が出る車ではないし、拡大するとスープラと競合するのでプラットフォームは現行型を改良して使いましょう。ボディデザインはイメージを残して変えましょう。せっかく出すのだから自動安全運転支援装置もつけましょう。」と言ったところだろうか。そうして商品価値を上げるんだろうけど何だかスープラとバッティングしそうな雰囲気ではある。スバルは米国で売りたいのかもしれないが、トヨタはスーパーGTやWRCと言うレースカテゴリーと連結したスープラとヤリスに執心でレースのカテゴリーをなくした86には興味をなくしているのかもしれない。トヨタは86を販売すると同時にソフト面でもスポーツカー文化を育てることを企てていて、それは「スポーツカーは、カルチャーです。」という発売当初のキャッチコピーからも窺えるそうだが、まあそうした熱も8年という年月が経過するうちにさめたのだろうか。でも新型が出れば自動車評論家の皆さんは「パワーが向上してドライバビリティが格段に向上、ボディ剛性もサスペンションも旧型とは比較にならないほど進化してしている」とか持ち上げるのだろう。86もその役目を終えたのかもしれない。でも今乗っている86GR、この車は間違いなくそれまで乗っていた車、とは言っても大した車には乗ってはいないが、とは比較にならないほど上級な乗り味の大した車ではある。まあ86も売りたいがためにあれこれ改造を加えて個性をなくして埋もれてしまわないといいのだが、‥(^。^)y-.。o○。
Posted at 2020/09/07 11:14:50 | |
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