トヨタは、斬新なコンセプトや兄弟車など新しい車種展開に積極的です。皆さんは、セリカの兄弟車カレン、新しいコンパクトカーiQ、ピラーレスドアのアイシスをご存じでしょうか。今回は、新しいチャレンジをしたものの、いつの間にかラインナップから消えてしまったトヨタ車を3車種ご紹介します。
デートカーとしてデビューしたが、1世代で終わってしまったトヨタ カレン
1994年に登場したスペシャリティクーペのトヨタ カレンは、流線型のボディと上質で落ち着きのある室内空間を持っていることが特徴です。エンジンは、全て直列4気筒で、125馬力の1.8リッターから180馬力の2.0リッターまでをラインナップ。ラリーのベース車トしてスポーツ色が強めな6代目セリカに対し、落ち着きのあるオシャレなクーペとして、若い女性を中心に支持を集めました。
■パッケージは良かったのにタイミングが悪かった
発売時期から考えて、カレンの開発が計画されたのはバブル絶頂期だったことがわかります。バブル期にはホンダ プレリュードや日産 シルビアといった、いわゆるデートカーがもてはやされた時代。カレンは兄弟車のセリカよりも気軽に、そして若者が乗れるデートカーとして開発されました。豪華な装備と適度な動力性能を持ち、エントリーグレードは200万円以下と若者がデートカーとして使うには間違いないパッケージングでしたが、如何せん発売されたのはバブルが崩壊したと言われる1993年の翌年。車はより実用性を重視されるようになり、実質2人乗り(後部座席はあくまでプラス2)のカレンは大きなセールスを上げることなくひっそりとその姿を消すことになります。
■トヨタ カレンの中古車相場
・中古車掲載台数:1台
・中古車相場:69万円
※中古車掲載台数および相場は、2020年10月19日時点のデータ
軽自動車よりも短い! 全長3m未満の4人乗りコンパクトカートヨタ iQ
2008年にデビューしたトヨタのマイクロコンパクトカーがiQです。全長は3m未満で軽自動車よりも短い長さでありながら、4人乗りを実現したパッケージングが特徴です。大人2人がゆったりと座れる前席に比べ、後席はあくまでエマージェンシー的な扱いで、コンセプトは「大人3人と子供1人または荷物が移動できる上質空間」。1.0リッターエンジンとCVTを組み合わせ、JC08モード燃費は21.2km/Lという当時の軽自動車よりも優れた燃費性能を実現しました。また、2009年には、現在のGRが手がけた「iQ GRMN」が100台限定販売され、2012年に第二弾となる「iQ GRMNスーパーチャージャー」を100台限定で販売。さらに、イギリスの高級車メーカーであるアストンマーティンは、トヨタ iQをベースとしたラグジュアリーコンパクトカー「シグネット」を発売するなど、マイクロコンパクトカーの可能性を大きく広げた意欲作です。
■既存の市場に発想や志だけでは勝てなかった
発売直後は目標の3倍以上を売り上げ、日本カー・オブ・ザ・イヤー2008-2009を受賞するなど、幸先のいいスタートを切りました。しかし、時間の経過と共に販売台数は減少し、1台限りで販売を終了してしまいます。発想や志はよかったものの、既にコンパクトカーとして確固たる地位を築いていたヴィッツよりも高額だったことや、そこそこの広さがあって維持費も安い軽自動車の牙城を崩すことはできなかったのです。
■トヨタ iQの中古車相場
・中古車掲載台数:374台
・中古車相場:23万円~353.6万円(応相談含む)
※中古車掲載台数および相場は、2020年10月19日時点のデータ
ファミリーにピッタリな5ナンバーミニバン! トヨタ アイシス
2004年に登場したトヨタ アイシス。ロールーフミニバンとして人気だったウィッシュをベースに開発され、最大の特徴はスライドドアにBピラーを内蔵することで実現した「パノラマオープンドア」です。助手席とスライドドアを開ければ、1890mmという巨大な開口部が出現。さらに、床下に収納できる3列目シートや、前方に跳ね上げることのできる助手席など、さまざまな使い方ができる超多彩なシートアレンジを可能にしていました。また、ウィッシュよりも全高を高めたことで室内空間はゆとりがあり、扱いやすい5ナンバーサイズだったこともあいまって、ファミリー層を中心に一定の人気を獲得します。
■豊富なラインナップの中で存在感を示せなかった
アイシスは2004年の販売開始以降、1度もモデルチェンジされることなく2017年にこっそりと姿を消すことになります。ハイエースやセンチュリーといった特殊な車種を除き、単一車種でこれほどの長期間フルモデルチェンジされないというのは異例です。ある意味放置された感が否めないアイシスですが、1代限りでラインナップから消えてしまった理由は、トヨタの車種再編が大きく影響しています。扱いやすさを求めるならシエンタ、もっと広い空間を求めるならノアやヴォクシーなど、トヨタの豊富なラインナップの中では、やや中途半端なポジションになってしまったと言えるでしょう。
■トヨタ アイシスの中古車相場
・中古車掲載台数:927台
・中古車相場:7.8万円~389万円(応相談含む)
※中古車掲載台数および相場は、2020年10月19日時点のデータ
(MOTA編集部)
カレンはセリカのノッチバッククーペ版としてセリカよりももう少し大人のちょっとシックなスポーツクーペとしてデビューした車で景気が良ければそれなりに売れたかもしれないが、バブルが弾けて車も実用性第一に転換してしまったのであえなく撃沈されてしまった。トヨタは売れない車には厳しいならなあ。iQは全長が3メーターを切る小型車に大人3人と子供1人を乗せる車としてどちらかと言えば実験的な要素が強い車だった。車としては面白い車でGRブランドで限定車が出たり、トヨタも結構力を入れたようだが、日本には軽自動車と言う定番ブランドがあり、敢えて価格も維持費も高いのにスペースの余裕のない車を買う理由がないという現実的な思考に撃破されてしまった。ヨーロッパではそこそこ売れたんだろう。この車、一時期、1.3リッター6MTを購入しようかと思ったが、さすがに設計が古くメリットがないと言うことでコペンを買ってトヨタのなじみのディーラーに恨みつらみを言われた。アイシスはウィッシュの上級豪華版と言ったレベルの車で悪い車ではなかったとは思うが、中途半端な感じがしないでもない。スペース重視ならノア・ボクシーがあるだろうし、走りと言うなら他の選択肢があるだろう。ただ13年もモデルチェンジもされずに販売が続いたのはそれなり需要があったんだろうか。ミニバンはあまり興味がないので詳しいことは分からないが、これと言った後継車種がなかったからだろうか。シエンタ、プリウスαなどが後継と言われるが、‥(^。^)y-.。o○。
Posted at 2020/10/21 19:27:46 | |
トラックバック(0) |
自動車 | 日記