
コロボックル物語シリーズなどファンタジー作品で知られる児童文学作家、佐藤さとる(さとう・さとる、本名・暁=さとる)先生が9日、心不全のためお亡くなりになりました。88歳。
神奈川県横須賀市出身。横浜市職員、中学教員などを経て、1950年に故いぬいとみこ氏らと同人誌「豆の木」を創刊。54年には実業之日本社に入社し、編集者として働いた。59年にコロボックル物語の最初となる「だれも知らない小さな国」を自費出版し、後に毎日出版文化賞を受賞。67年「おばあさんのひこうき」で野間児童文芸賞、2007年「本朝奇談(にほんふしぎばなし) 天狗童子」で赤い鳥文学賞。「佐藤さとるファンタジー全集」(全16巻)がある。
私は小学生の頃読んだ「誰も知らない小さな国」が大好きで、大人になってからも読み返すことがあります。2,3年前に「だれも知らない小さな国 私家復刻版」が限定販売された時にはすぐ購入しました。
あらすじは
『夏休みのある日、トリモチ用の樹皮を取るためにもちの木を探しに近所の里山に一人で出かけた小学三年生の ぼく は、地元の人が近づこうとしない小山に、もちの木が門柱のように立ち、小さな泉からは小川が流れ出し、蕗の葉が生い茂る小さな三角形の平地(三角平地)を見つけた。この小山がすっかり気に入ったぼくは、秘密の宝物としてその後何度も通うようになった。そんなとき、三角平地でたまたま出会った知り合いの蕗採りのおばあさんから、昔からこの山には「こぼしさま」と呼ばれる小人が住んでいるという言い伝えを聞く…。』というもので国語の教科書にも使われたのでご存じの方も多いと思います。
この主人公は佐藤さとる先生本人のイメージと言われています。幼い頃遊んだ秘密の場所を、戦争や就職を経て大人になった主人公が様々な問題を解決して自分のものにするという話に、コロボックルのファンタジーを織り混ぜて語られるとても夢のある話です。
実際、佐藤さとる先生が幼少期を過ごした横須賀市には、この小説のモデルと思われる里山があるそうです。
男って子どもの頃から自分だけの場所とか仲間たちとの秘密の基地とか好きですよね。クルマ好きだとガレージに拘ったり、ドライブコースなんかに拘ったりと、自分の世界に浸れる場所を誰しも持っているものです。
「誰も知らない小さな国」は子ども向けの童話のようですが、夢を追いかけ続ける男のロマンとファンタジーなお話でした。
先生の書いたコロボックルシリーズほか、随筆とかも全部読んでましたよ。楽しい作品を有り難うございました。
先生のご逝去の報に接し謹んで哀悼の意を表します。
先生の作品は未来永劫、読者の心に生き続けます。
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一言放言 | 日記
Posted at
2017/02/17 21:47:05