• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

元Gureのブログ一覧

2011年09月05日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! ミニカ編⑤

 保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! ミニカ編⑤偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! 
今回はいい加減古くなり街角からも消えつつありながらも我がGure2号機としてまだまだ(?)活躍中の89/1に発売された6代目となる『H21A/V・H22A/V・H26A/V・H27A/V型ミニカ』を取り上げます。

先代、5代目H10系がそれまでの軽乗用の常識を破る車室の広さで好評を得ていた点を尊重、6代目でも横置き+FF及びフルタイム4駆とトールボーイスタイルを継承しますが世はまさにバブル絶頂期でもありミニカに限らず当時は車格以上の豪華さ、装備、品質が与えられた頃でH20系も“バブリーミニカ”として分不相応なグレードが存在しておりました。

スタイリングは先記のように先代のトールボーイスタイルを継承しますが先代のペキペキした直線一辺倒のボディに随所柔らかい丸味が付けられ87年に登場し人気/注目を得ていた上級E30系ギャラン/エテルナの“うねりのフォルム”をそのまま軽のサイズに縮小したような出で立ちとなり特にサイドの波打つプレスラインやRrウィンドゥ、テールランプ部に付けられたアールがE30系を彷彿させられ以前みんカラブログにもあげたように個人的には勝手に親子と呼んでおります(^^;)

↓Rrからの眺めは誰が何と言おうと“親子”(Gure 1号機/2号機)


先代でも上級E10系ギャランΣ/エテルナΣのスタイリングアイディンティを採用していましたがこの時期、ミラージュもランサーもデリカもパジェロも、そしてギャランもミニカもどれを取っても“三菱車”をいい意味で主張するデザインであり個人的には一番この時期のモデルが好きです!

ギャランでは武骨で勇ましいイメージだった“うねりのライン”は軽のミニカではキュートな丸味を印象付け、当時はまだまだ主要ユーザーだった女性にも大好評!
キャラクターには当時『あぶない刑事』では男性に、各ドラマでは女性に人気だったバブリー時代の“トレンディ女優”の浅野温子を起用、女性にも支持が高かったこのイメキャラは成功し先代H10系末期の88yが2万7000台弱の登録台数だったところ一気にH20系発売の89yには7万7000台弱まで販売を引き上げています。

普及タイプと高級/スポーツ系の二つの顔を持ち普及版は可愛らしくキュートな表情、スポーツ系はいかつい出で立ちでH20系のスタイリングには不釣り合いな“強面”だった感じがします。
テールはRrバンパー上端まで開くテールゲートにギャランやディアマンテ風味のテールランプを採用し高級かつスポーティなイメージでした。

↓トレンディ女優の浅野温子がキャラを勤めた“トレンディ”なH20系ミニカ!!


もちろんイメージだけではなく造りは至ってマジメで軽ボンネットタイプでは最大寸法を誇る車室、新開発で市販では国内初となる5バルブDOHCエンジン(当初はDANGANNのみ)等が話題を呼びました!!
中でもギャランVR-4のミニ版的存在となるシリーズ最高峰の『DANGAN(ダンガン)』は“弾丸”をイメージさせるミニカのやんちゃモデル、先代で常にアルト・ワークスやミラ・TR-XXの後塵を仰いできたミニカ渾身のスポーツモデルであり550CC 3気筒DOHC 5(15)バルブ+I/C(インタークーラー)ターボで軽自主規制いっぱいの64psを発生、三菱のお得意で世界初のHCU式フルタイム4WDモデルもラインナップ(89/8~)されており先代までは機能もパワーもライバルに追い付けなく地団駄踏んで悔しがった三菱ファンはもちろん、ハイパワーミニ指向のユーザーにも高い注目をもって迎えられていました!

エポックメーキングな5バルブDOHC+I/Cターボが人気を博した『DANGAN』
(前期ZZ-4=89/8以降 タイトルは前期バン・DANGANN-ZZ㊤とセダン・XPm)


DANGANは考えられるスポーツ装備はほぼ身に付けられ3気筒からなる排気管はテールエンドのデューザーまでも3つの排気口を設けると言う凝りぶり!しかもピラーに存在するラジオアンテナですらエアロパーツでカバーされるという徹底ぶりには正直、当時は「そこまでやらんでも…笑」って感じでしたが今の時代の楽しさが皆無となってしまった軽自動車、遊び心がまだまだ健在でいい時代だったなー と。。。

尚、当時の三菱(上級車)はタイプ別に3~5つの基本グレードを設定するのがMyブームでありH20系でもそれに準じ普及版ベーシック系/女性向けモデル/エアコン標準装備の『P』=高級系/4WDの『F』系/DANGAN=スポーツイケイケ系に区別、それぞれのタイプ別に内/外装の意匠を変え更にその中で細分化されたラインナップを持ちバブルならではの贅沢で夢のあるユーザーチョイスを可能としていました。
また、5ナンバーと4ナンバーが設定されていたのは従来通りながら81y以来名乗った4ナンバー専用のネーミング『エコノ』は廃止されどちらも『ミニカ』に統一、5ナンバーは『セダン』、4ナンバーは『バン』と呼ばれる事となっています。

それではH20系の車輛概要です。

(サイズ)
全長3195全幅1395高1465/1515(2WD/4WD) (以上mm)
(車重)
650kg=XG
(定員)
2名(バン2シーターのみ)/4名
(エンジン)
3G81型水冷直3 2バルブOHC 550cc シングルキャブ30ps→バン/32ps→セダン
3G81型水冷直3 5バルブDOHC 550cc ECI I/Cターボ64ps
(駆動)
FF/フルタイム4WD
(ミッション)
4速MT/5速MT/3速AT
(脚回り)
Frストラット式独立懸架/Rr3リンク(2WD)5リンク(4WD)
(ボディ)
5ドアHB(乗用5ナンバー)/1:2ドアバン・3ドアバン(商用4ナンバー)
(バリェーション)
バン2WD (型式H21V):2シーター/M/S/レタス/Pg/DANGAN-ZZ
バン4WD (型式H26V):S-4/F-4
セダン2WD(型式H21A):M/XM/XPm/XL/XG
セダン4WD(型式H26A):XF-4

上記のようにサイズは自由の効く高さのみが拡大、先代でも充分驚いた室内空間はより高さが増し身長174のワタクシが座っても拳3個でもまだ余る程の広さ!高さ(ヘッドスペース)だけを見ればもはや当時の規格でも“ボンネット付き軽”の概念ではなかったのがまた驚きでしたネ~…。
インパネもこれまたギャランのイメージが強く大型のメーター(メーターフード)にトレイ形状のダッシュはE30系ギャランそのもので2段式タイプの視認性に優れミニカ独自の円形の空調吹き出し口など洒落っ気も充分、どうしてもタイト気味になる足元に気を配り引き出し式のグローブBOXやセミセンターコンソールを採用していました。

見切りのいいインパネ&十二分なヘッドスペースを誇る室内


もちろんミニカ伝統のH/B+可倒式シートは健在でより広がったヘッドスペースと相まって広大なラゲッジスペース確保も可能、商用専用の2シーターでは軽箱バンに迫る積載スペースを確保していました!

搭載エンジンは普及版は従来型3G81(セダン32ps/バン30ps)をキャリーオーバーして搭載しますが注目なのは上でも述べた新開発5バルブDOHCエンジン!
ワタクシの現在の2号機は後年追加されたNA版ですが当時はダンガンのI/C付きしかなくこれに初めて乗った時はワークス、TR-XXでも感じた【危険】さを覚えた程です。
5バルブとしてのフィーリングは良くできた2バルブOHC/DOHCや4バルブのDOHCと比較して特別“これだ!”というのはなくむしろライバルに遅れようやく電子燃料噴射(ECI)となり確実な燃料供給と圧倒的なターボパワーに5バルブならではの味は掻き消された感じで後年のNA仕様で高回転時の吹け上がりの鋭さとサウンド、そして嫌でもOIL管理に神経質にならざるを得ない事が改めて印象付けられた感じです。
18年落ちで7万近く走った我が2号機、現代のリッターカーには勝る加速をし必死になれば軽ターボにもそれほど置いていかれない実力はやはり5バルブのおかげ?かなと思います、同時に燃費も軽離れしてしまうのは言うまでもありませんが(汗)

↓64psを誇った名機?迷機?5バルブDOHC-ECI I/C付きターボの3G81型エンジン!


これらエンジンに組み合わされるのは4/5速MTと先代で軽初の3速化したAT!!
ATやパワステという現代でイージードライブに必需とされる装備がこの頃既に広い車種に設定されていますがラック&ピニオンのステアリングフィールはアシストなしの感覚の方が重くもなく軽過ぎずで個人的には好きですねー、H20系のパワステは電動ですのでイマイチ感覚が相に合わず特にハードな走りをするとステアリングが1歩遅れる感じが好きになれません、もっともこのクルマでそんなハード走りするのが間違いかもしれませんが。(DANGANを除く)
尚、ブレーキも増えた車重に対応し廉価モデルを除きほぼ大型マスターバック付のディスクブレーキを採用しています。

↓大幅に設定が増えた3速オートマッチック!


↓ブレーキも強化!!


脚廻りは基本、旧型を継承し4WDは後輪を5リンクとしています。
脚は先代同様適度な堅さを持ちながらしなやかさも得られる軽としては上品な乗り心地の部類だと思いますが初期のDANGANはFFという点もありとても安心して飛ばせる代物ではなく強化は必須でした、DANGANに4WDモデルが追加以後足も見直されされたりして後期型でようやく安全?なレベルになってはいましたが初期モデルは完全にパワーに負けワークス/TR-XX以上に不安を感じたのを憶えています…

ボディは従来通りの2BOXですが常識的な5ドア/3ドアに加え変則的な1:2ドアというモデルがラインナップ、これは後年の派生車種である『H30系ミニカ・トッポ』でメジャーになりますが女性向けグレードの『レタス』として当初からラインナップ、左側のみを乗降性に優れた2ドア(前後ドア)とし右側は大型化した1ドア(と言っても右は3ドアのものを、左は5ドアのものを装着しただけですが…)というモノ。
1:2ドアはレタス専用ボディでこれは三菱/西友が特に小さい子供を持つ女性ユーザーのライフスタイルを参考に共同開発したのは有名な話です!
レタスは当初は売れ線だった4ナンバーモデルでしたが先代H10の項で記載した通り消費税導入→物品税廃止による5ナンバー有利を見越して登場後すぐに(89/5~)5ナンバーとなる『セダン・レタス』に変更され女性ユーザーに一早く使い易さをアピールしていました。

当初のバリエーションは上記の通りですが上級セダンXL/XGには軽では異例の後席ヘッドレストが奢られ最上級のセダンXGとバンPg(DANGANはスポーツ最上級として別枠)はフルトリムの内装と簡易式パワーシートまで装備するバブリーさ!
パワーシートはスライドのみでリクライニングは手動ながらスライドにはメモリー機能まで搭載した2L級普通車ですらまだ考えられない装備がなされ当時は目がテンでした、何もそこまでやらんでも~って感じの過剰装備そのものですね~、このような“バブル装備”により価格も全部入れたら軽く100万オーバーとなりもはや軽自動車の範疇を超えた!!と言っても過言ではなかったでしょう。。。

↓高級車顔負けのXG/Pgに採用された“パワーシート”


それではモデル改歴に移りますがH10系同様に女性への軽人気とバブル期の為やたら限定モデル、特別仕様が多く重要モデル以外は詳細を省いている場合もありますのでどうぞご了承願います(^_^;)

(89/5)
4ナンバーのみだった『レタス』を5ナンバーの『セダン・レタス』に変更(既出)

↓セダン・レタス(89/5~の前期型)


また同時に4ナンバー専用ボディだった3ドアにも5ナンバーセダンを追加設定しこれによりセダンシリーズは既存の『5ドアセダン』に加え『1:2セダン』、『3ドアセダン』と拡充します。

↓89/5~新設された『3HBセダン』(XPg)


そして搭載エンジンに新たなチューンとなる3G81型水冷直3 5バルブDOHC 550cc ECI 46psが新設されました。
これは従来のDANGAN-ZZ用の3G81 DOHC+I/CターボをNA化したものでミニカ上級と拡充したDANGANシリーズに搭載、5バルブエンジンの普及版とされています!

(89/8)
消費税導入を睨みセダンシリーズの拡充とDANGANの乗用5ナンバー化が施されDANGANもこれまでのモノグレードから4WDモデル(ZZ-4/Ri-4)、NAモデル(Ri-4/Si)とバリェーション化がなせれます。
これによりグレード編成、グレード呼称が大幅に見直されており新ラインナップは下記となります。

(3ドアバン)
2シーター/S/Pe/Pf/Pg=H21V・3G81 30ps
(同4WD )
S-4/F-4=H26V・3G81 30ps
(1:2ドアセダン)
レタス=H21A・3G81 32ps
(3ドアセダン)
Pe/XPe/XPf/XPg=H21A・3G81 32ps
(同)
DANGAN Si=H21A・3G81 5バルブ46ps
(同)
DANGAN ZZ=H21A・3G81 5バルブI/Cターボ64ps
(同4WD)
DANGAN Ri-4=H26A・3G81 5バルブ46ps
(同4WD)
DANGAN ZZ-4=H26A・3G81 5バルブI/Cターボ64ps
(5ドアセダン))
XS/XPf/XPl/XPg=H21A・3G81 32ps
(同)
XFi=H21A・3G81 5バルブ46ps
(同4WD)
XF-4=H26A・3G81 5バルブ46ps

尚、この時から先代H11V時代から業務用として受注生産に近かった特殊モデルである『ウォークスルーバン』を正式なカタログモデル化しラインナップに加えられます。
これはシャーシ、ノーズ部はミニカそのものながら運転席~荷台を拡大した“変わり種”で当時ミラやアルトもラインナップし小口配達や移動販売車等に活躍しました!

↓89/8~正式モデルとなった『ウォークスルーバン』


(89/10)
3ドアセダンにお買い得モデルの『ライラ』『μf』を追加設定。
ライラには32psエンジンを搭載し贅沢装備を省き598,000円(4MT)という低価格を実現した限定車扱いのモデル、一方のμfはカタログモデルでありパワーアシスト類を装備し高級グレードのXPgに準じた外装、装備が施されながら3G81 5バルブDOHCをそのままにECIをキャブレターに変更(出力を38psにデチューン)しDOHCの高性能と低価格を実現し750,000円(4MT)812,000円(3AT)となっていました。

↓ECI→キャブレターとされ38psにデチューンした3G81 DOHC5バルブエンジンをμfに搭載


※(90/2)
軽自動車規格、二度目の改正がなされ従来の幅1400mm/長さ3200mm、排気量550ccという規格値が幅はそのままに長さは3300㎜以内、排気量660ccと枠が拡大されました。

(90/3)
DANGAN ZZ、同ZZ-4(ターボモデル)を除いて新規格対応モデルとなります。
エンジンは3G81型の基本はそのままに100ccスケールアップ、660ccとなった3G83型に換装されOHC版が40ps(バン/セダン出力共通化)、DOHC5バルブキャブ仕様が46ps、同ECIが52psとなっています。
ボディはFrバンパーを+30mm大型化、Rrはボディ部を拡大しRrオーバーハングを+70mm延長しています。
この時にFrグリルの意匠変更(MC)が行われ中期型となっています。

↓90/3~新規格に準じボディ/排気量拡大がなされMCされた中期型(660 1;2セダンレタス)


新規格は横幅は従来のままのため室内の広がりは後部ラゲッジルームの拡大のみで実質空間は変わらず新鮮味はありませんでしたが100ccスケールアップの3G83、特にアンダーパワーのOHCキャブバーションではトルクフルな印象が顕著でECIや後の同ターボ660版では差が感じられなかった低速トルクの余裕感、特にパワー不足が特に感じられたATモデルで劇的な走りの違いを感じました。
550時代の30/32ps、トルク4.2kgmからpsで約10ps、トルクでたかが1kgmのアップながらその差は歴然で登坂やAC使用時に余裕が産まれた感じでした。

スタイリング的にも特にRrの拡大されたオーバーハングが堂々とした印象となりどことなく660ccになってから頼もしいイメージになった気がします、下手すればRrのみの拡大ですと間延びして取って付けたような印象になる事が多い手法ですが非常にうまくまとめた一部拡大だったと思います。
尚、660cc化され型式を2WDバンがH22V、同4WDがH27V、2WDセダンがH22A、4WDセダンがH27Aに変更されています。

そしてこの時同時に派生車種となる非常に個性的かつ新しい提案である『トッポ』が追加されます!
トッポはウォークスルーバンをヒントにしたファミリーユース向けに開発された当時としては“変わり種”的ワゴンで今から見れば現在の軽乗用の主流であるハイト系のベースを造ったモデルと言えるでしょう…

ウォークスルー同様、ミニカのノーズとシャーシはそのままに運転席~後部ラゲッジルームを新設計したものでこれでもか!と思えるほど天井を上げノーマルのミニカが1465~1515mmだったのに対し1695~1745mmと実に200mm以上の背高モデル、元々のミニカがトールボイーイスタイルでしたのでさほど違和感はないものの出た当初は「何じゃこりゃ!?チョロQの実車版!?」ってな感じでした。
窓面積が大きくこれ夏場エアコン容量不足なんじゃね?とか冬場寒~ぃだろーなー など余計な心配したりして(笑)
リアゲート(Rrドア)が通常の上ヒンジ式ではなく右ヒンジで左から開閉させたり高い天井を活かし運転席/助手席頭上に大容量の物入れを設置したりレタスからヒントを得たのか左サイドドアをRrへの乗降性を考慮して大型化、右は開閉角度を抑えるため短くするなど数々の工夫がなされており三菱の良心が垣間見れました~!

↓ヘンテコ感アリアリながら楽しいカーライフが送れそう!と注目された『ミニカ・トッポ』
個性だけではなく使い易さも徹底追及しRrドアは横開き式!(セダンQ2)


『トッポ』の由来は文献によればイタリア語でネズミ、そして日本語の背高ノッポをもじって名付けられたとの事、ネズミよりは“背高ノッポ”が出で立ちからしっくりくる、そんな感じですネ。
とにかくトッポは軽とは思えない広大な室内空間がビックリで現代のハイト系のように当初からハイトとして専用設計されていないが故に殆ど空気を運んでるような感じながらベースが従来型のため重心が低く見た目から不安定な走行を想像しましたが驚くほどしっかり地に足が付いてる感じで後年のワゴンRやムーブに較べても横風に影響される度合いも少なくノーマルのミニカとほぼ遜色ない走りが得られました。
ユニークなスタイルはきっとウケ狙いもあったのでしょう、見事に新しモノが好きな層のハートを掴み一時はベースのミニカを上回る人気を得て結構見かけたモノです。
競合車種が発売時はなく元祖ハイト系として販売も好調、後にアルトハッスルなどライバルは現れますが93yのワゴンR発売までは唯我独尊の状態でした!
ただでさえ高い天井はハイルーフのため子供なら楽に室内で立てるというのもウケたのでしょう、若いお母さんが小さい子供を乗せて走る姿、今でもたまに見かけます…。

↓広大なるヘッドスペースはもはや軽自動車ではありません!!



トッポも商用4ナンバー登録モデルと乗用5ナンバーが用意され前者を『トッポ・バン』後者を『トッポ・セダン』としています。
セダンは上記のようにファミリー層に、バンは花屋さんとか箱バン並の積載スペースから意外と大工さんとか室内装飾業者なんかが愛用していた記憶も…

↓4ナンバー商業登録もラインナップ(バンU2-4)


トッポに搭載されるエンジンはベースのミニカから3G83のOHCキャブと5バルブDOHCキャブを採用、バリェーションの性格で分けて搭載、設定は下記の通りです。

(トッポ・バン=H22V)
C/B/U/U2=3G83 OHC40ps搭載
(同4WD=H27V)
U2-4=3G83 OHC40ps搭載
(トッポ・セダン=H22A)
Q/Q2=3G83 DOHC5バルブキャブレター46ps搭載
(同4WD=H27A)
Q2-4=3G83 DOHC5バルブキャブレター46ps搭載

それではミニカのモデル改歴に戻りますがココからはトッポも含めた改歴をご紹介してゆきます。

(90/8)
旧規格、550ccのままであった『DANGAN ZZ』『DANGAN ZZ-4』も新規格化、Rrボディ延長とFrバンパー大型化及び排気量660ccへのアップが行われます。(出力変更なし)
先にMCしたDANGAN、NAモデル(Si/Ri-4)に準じた意匠変更も行われています、左右非対象のいかつい顔付はCD5A型ランサーGSR風のいささかジェントルな顔付きになりました!

↓中期型『DANGAN ZZ』


(90/10)
トッポ・セダンに特別限定として『Q坊』設定。

(90/11)
トッポセダン、『マーブル』追加設定。

(91/1)
ミニカ、3/5ドア両セダンに『ライラ』及び3ドアセダンに『μX』追加設定。

(91/3)
トッポ・バンに特装車扱いとなる『フラワーエクスプレス』追加設定。

(91/5)
ミニカ5ドアセダン『μL』『XPe』『XS-4』、3/5ドアセダン『ライラ(限定)』、3ドアセダン『μX』バン『Pf』を追加設定、DANGAN ZZにこれまで5MTのみのラインナップだったところに3ATモデルを設定します。
また、トッポに最上級でフル装備となる『Q3』を設定しています。

↓91/5に追加されたトッポ最上級の『Q3』


(91/8)
トッポ・セダンに限定車として『Q坊』を再度設定。

(91/10)
ミニカセダンに限定車として『ライラⅡ』、トッポ・バンに特装車扱いの『クリーニング仕様』追加設定。

(92/1)
ミニカ/トッポともにMCが行われ後期型となります。
主な変更はFrフェイスリフトと安全対策、新デザインのFrフェイスは廉価版/普及モデルとラグジュアリー/スポーツ系の二つの顔は従来通り、ラグジュアリー/スポーツ系はライトベゼルやラジエータグリル下部を大きく取りフォグランプを両側に埋め込むランサーエボリューション風の所謂『エボ顔』となりDANGANシリーズは一層精悍なイメージとなっています。
普及版もスポーツ系同様にライトベゼルを大型化、彫の深い顔付となり従来型より高級感を増しました!

↓92/1~後期型(1:2ドアセダンレタス)


↓後期型DANGAN ZZ


↓後期型トッポ・セダン(Qtキャンバストップ)


このMCではミニカでは増えすぎた?グレードの整理、見直しが行われトッポでは新エンジン(と言ってもミニカのものを移植ですが…)の搭載がなされており下記にまとめています。

【ミニカ】
(3ドアバン)
2シーター/S/ライラ(限定)/Pe/Pf/Ae
(同4WD)
M-4/ピァチェ4WDバン
(1:2ドアセダン)
レタス
(3ドアセダン)
ライラ(限定)/Pf/ピアチェE/Pe/XPe/XPf/Pg/Am/μf/ピアチェL(限定)/μL/μG/ミラノ(限定)
DANGAN Si/DANGAN ZZ/DANGAN ZZ-LTD
(同4WD)
M-4/XM-4/DANGAN ZZ-4
(5ドアセダン)
XPe/XPf/ピアチェE(限定)/ピアチェL(限定)/XPg/μf/AF/μG
(同4WD)
XM-4/Li-4

↓ミニカ後期型のバリェーションの一部
(3ドアバン2シター)


(5ドアセダンμL)


(3ドアセダンXM-4)


(DANGAN ZZ-4)


(DANGAN ZZ-LTD)


【ミニカトッポ】
(トッポ・バン)
C/B(受注)/U/U2/Ua
(同4WD)
U2-4
(トッポ・セダン)
Q/Q2/Qa/Q3/Qc/Qt
(同4WD)
Q2-4

尚、型式に変更なくバンモデルはH22V、同4WDがH27V、セダンモデルがH22A、同4WDがH27Aとなっています。
上記グレードの性格に応じて3G83型エンジン=OHC40ps/DOHC 5バルブキャブ仕様46ps/同ECI仕様52ps/同I.Cターボ64psが組み合わされ搭載されていますがこれまでトッポには40/46ps仕様のみだったところQ3/Q2-4/QcにECI NA52psを、QtにはDANGAN ZZ同様のI.Cターボ64psモデルもラインナップしシリーズを充実、ボディもより遊び心をくすぐるオープンタイプのキャンバストップをQc/Qtに採用しています。

安全対策部分では普通車にもようやく普及し始めたばかりのこの時代に早くもABS設定モデル(DANGAN ZZ-LTD/トッポ・セダンQa)がデビューしています。
DANGAN ZZ-LTDにはRr3点ELRシートベルトも装備されていました。

↓安全対策で4ABSもラインナップ!


(92/8)
ミニカ生誕30周年記念特別限定モデルの『ミラノ』『ピアチェPARTⅡ』を追加設定、トッポ・セダンにも三度特別限定の『Q坊』を設定。

(93/1)
ミニカセダンに30周年記念シリーズのトリとして『ミラノ4WD』『ミラノLTD』を追加設定します。
この二つの限定モデルはECI 5バルブDOHC 52psを搭載し『ミラノ4WD』はこれまで最上級装備を施されたミラノの4駆版、そして『ミラノLTD』はミラノの装備を更にバージョンアップしピアチェ/ミラノのみ標準のRrリクライニングシートや軽唯一で話題を巻いたパワーシート、そしてカセット付4スピーカーステレオ、パワーウィンドゥ、アルミホイール、ブロンズガラス等高級車並のフル装備を与えたものでした。

↓30周年特別限定モデルのシリーズ最高峰『ミラノLTD』


↓ミラノLTDのインパネ&インテリア


IMG_0011_20110926192553.jpg

↓Rrリクラインイグシート(他にピアチェ/ミラノも装備)


ミラノ/同LTD共にフォグランプ埋め込み式の“ダンガン顔”で精悍な顔付きに軽らしかぬメタリックを主流としたボディカラーや各部味付けは高級感漂うもので内装もフルトリム、高級シートに同カーペットと正にバブル時代を象徴するモデル、ワタクシGure2号機も実はコレでこの贅沢装備には古いのでいつ壊れるかビクつきながらも重宝しています(;^_^A

(93/5)
トッポ・セダンに4度目となる『Q坊』及び『Q坊4WD』を限定発売。

(93/9)
好評H20系ミニカは通常のモデルライフを超える4年9カ月で次期型7代目H30系にバトンタッチ、FMCを迎えます。
90/3発売の後発トッポも僅か3年半での同時FMCとなりますがH20系同様、ノーズのみH30系ミニカになりながらAピラー以降の奇抜で個性的なデザインは好評に付きH20系を継承、FMCというよりビッグマイナーチェンジ的変更になっています。

↓93/8より7代目にバトンタッチ!(㊤7代目H30系ミニカ3ドアセダン㊦2代目H30系ミニカトッポ)



先代のH10系で劇的変化を遂げたミニカ、6代目は二度目の軽規格改正を挟みながらもハイパワー・ミニのDANGANや個性派トッポのラインナップがウけ好評、軽専門メーカーのスズキ/ダイハツには遠く及ばないながら富士重、ホンダを上回る人気を実現、バブル真っ盛りの時代を考慮した贅沢モデルの適宣追加も劫を奏しH10時代に較べて大幅に販売台数もUP!!!しました!

次期型H30系では人気のトッポに対抗する本格ハイト系ライバルが出現、軽乗用の世界はこれまでのセダンタイプからこのハイト系に移行し始め新時代に突入、さてさてH30系はこの新時代にどのように対応するのか!!

(次回7代目H31A・H32A/V・H36A・H37A/V型ミニカに続く)
Posted at 2018/05/27 17:40:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年09月05日 イイね!

保存版・“華麗なる一発屋!!!”…スカイラインRS編

保存版・“華麗なる一発屋!!!”…スカイラインRS編
“華麗なる一発屋!!!”…今回は趣向を変えて(汗)

今回取り上げるのは『DR30型スカイラインRS』!!

ん?何でやねん?何でスカイラインが!とクレームを出そうとしているアナタ!
ちょっと待って下さいね(;^_^A

スカイラインはもちろん一発屋どころか1957年からに発売され名将、桜井真一郎氏の手により育てられ磨かれ(7代目まで)て今現在まで国産車では稀に見る伝説と人気を得ている日本を代表するクルマの一つ!それが何で一発屋???

ワタクシが今回取り上げたいのは“華麗なるエンジン一発屋”と言い変えた方がイイと思います、これなら納得して頂けますよねー。。。


RSに搭載されたFJ20 DOHC 4バルブエンジン



な訳でその一発屋エンジンのFJ20Eを搭載した6代目DR30型スカイラインRSを紹介させて下さい!

有名なスカイラインですからワタクシごときがその歴史をくどくど解説はするべきではありあせんが紹介上少しだけR30以前にも触れさせて下さいネm(_ _)m

スカイラインと言えばそう、GT-Rがお約束!S20型DOHC 4バルブソレックス3連160psと文字を読むだけでもワクワクするようなエンジンが一番の魅力!3代目ハコスカC10時代に旧S54Bの流れで登場して以来伝説を作ったトヨタ2000GTと並ぶ国産1,2の名車、そのGT-Rが4代目ケンメリ時代に排ガス規制やOILショックの絡みで消え51年規制時には普及型L20ツインキャブモデル(GT-X)ですら消え去り排ガス規制でスポイルされた鈍重で魅力を失せたスカイライン、ケンメリ後期から5代目C210ジャパンの末期までこの状況が続き規制後もDOHCを載せ続けそれでなければ『GT』の称号は与えていなかったトヨタからセリカのCMで~名ばかりのGTは道を空ける~と屈辱的言葉までコピーされる始末でした(78~79y頃)

しかしスカイラインは80年になると逆襲を始めます、まずは80年にジャパンにターボを追加、81/8に6代目R30にフルチェンジ後もターボ路線で進むと思いきや81/10に今回の主役である久しぶりにDOHC搭載した『RS』を追加し本格的逆襲に転じます!

81/10に登場した最初期RS(HT/セダン)


RSの専用カタログ冒頭にはこう書いてあります↓

↑凄い!自信と憎悪の塊の文章って感じ(爆)

レーシングスポーツ=RS の名に恥じず既に世の中が贅沢志向に向かいスカイラインもジャパン以降ややバブリー化してきてハコ/ケンメリ世代には?が付き始めた不安をこのRSは見事打ち消すかのように“ハードな男のクルマ”そのものの超硬派にて登場、パワステ?パワーウィンドゥ?何それ?と言う感じのおよそ走りには関係ない装備は一切奢られずラジオすらオプション、そっ気なさ過ぎる程のインテリアや内装でした。
ただ、ワタクシもこの初期RSは乗っていましたがこの時期の日産のインパネ、あまり好きではなく内装も黒なら“スパルタン”と言い訳できましたがワタシのはグレーでしたのでそれはもう「タクシーか?」と思う程ビニールと樹脂パーツ丸出しの悲しくなるモノで友人のマークⅡやセド/グロが眩しく見えたモノでした(-_-;)

RS前期インパネ(81/10~83/8)


しかし、ショボイ内装の代りに脚廻りは伝統のFrストラットRrセミトレのハード4独サス、減衰力切り替えダンパー、ノンスリが組み込まれシートだけは見栄えも機能もなかなかのバケット、そしてFJ20Eエンジンの野太いサウンドでドライブ中の居住空間は快適かつ楽しいモノでした!
ただRSに限らずトヨタや三菱に慣れてると日産のクルマのシフト位置って当時これらよりも遠く最後までシフト感覚にはワタシの体形(一応標準体形ですから~、残念。笑)では違和感がアリましたねー。
エクステリアは顔付がGT/TIのハニカムグリルを横太線3本にし睨みを利かせテールはGTでお馴染の◎◎です!

さて真打、FJ20エンジン!赤いカムカバーが何ともスパルタンでイイ!!
2000ccDOHC 4バルブ EGI 150psという当時の2Lとしてはド肝を抜くスペック!
当時の標的、2LDOHCトヨタ18R-GやいすゞG200W(共に2バルブ)が135psでしたから一気に15psの差を付けていましたからねー、スポ車好きにはまさに『GT-R復活』を感じさせました。
ただ熱烈なGT-Rファン、スカイラインファンには「4気筒モデルではGT-Rとは言わせない」と言う意見も多く日産はネーミングをRSにしたという経緯もあります、しかしカタログには思いっきりGT-Rを意識させる表現や写真も使われていましたが…。
またこの1年後の82年、トヨタがDOHC+ターボのセリカ/カリーナ/コロナを出した時に『GT-(T)R』というグレードをあっさり設定、またそれらが4A-G搭載時にはズバリの『GT-R』もパクられてしまい日産のこだわりは何だったんだ?というオチもあります(笑)

話は逸れましたがFJ20E、ブロックベースはセドリックのタクシー仕様やボントラ・ジュニアに積んでいたH20というやたら古い4気筒でしたがそれが故に頑強で弄る楽しみもかなりあった模様、2段駆動のタイミングチェーン、市販社車初のシーケンシャルインジェクションも魅力、当時としても《やかましい》部類のエンジンでしたが完調時のその音質はメカ好きにはたまらない音を奏でていました~。

しかしこのエンジン、まるで60/70年代のスポ車の如く気難しいモノで日産に整備出しても調整しきれないと言われた程の神経質、後年日産の人間が「あれは欠陥エンジンだった」と言ったとか言わないとか???
メンテナンスフリーが当たり前の80年代でも少し手を抜くとご機嫌ななめになるしエンジンそのものより補機類との相性の悪さ、エアフロの不調等ワタクシも随分手間かけられました、自分のFJだけがこうなのかと思いきや結構不具合が調整できずに泣いたユーザーは多かったようです。
結局このような気難しさがこのエンジンを短命で終わらせてしまったのですが街の腕のいいチューニングショップでメンテされた完調のFJは今でも一線級の力だと思います。。。

さて、ボディの方(汗) RSですがデビュー時はモノグレード、82/10に新デザインのホイールにようやく認可された60タイヤを履きいっそう迫力UP、旧アルミはGT系と同一だったが新デザインはRS専用のモノでした。

60タイヤを手に入れた82/10~83/8 RS(HT)


83/2、FJ20Eにターボチャージャーを装着、出力を190psとし「史上最強のスカイライン」のCMコピーにてRSターボを追加、RS以降のトヨタツインカムターボ勢、ソアラやXX、マツダREターボで第二次ハイパワーブームが到来した中、ただでさえ獰猛なRSが再びターボ化により最強の座に着きます。
このRSターボでハコスカ以来のレース復帰もなされシルエットフォーミラー化されたHTのレーシングマシンは心底カッコ良かったです!

そうそう、当時の大人気刑事ドラマ『西部警察』でマシンRSとして凶悪犯をブチのめした勇者(車?)のもこの190psのRSターボでしたネ!!
当時このドラマの影響を受けたまがいもののエアロパーツも販売されたり(もちろん本物も)自作でドラマ仕様に改造するのも一部マニア間では流行りました!

↓西部警察で活躍した『マシンRS』 当初は1台、その後2台が西部署に配備され3台のマシンRSがスーパーZと活躍していました…


83/8、マイチェンにより後期型へ変身!前後の意匠変更で、大型バンパーを採用、顔付は通称【鉄仮面】と呼ばれるグリルレス、薄型ライトになる。
個人的には前期3本グリルの方が精悍で好きでしたがコレはコレで結構人気ありました…

後期HT(83/3~)“鉄仮面”


テールは◎◎はもちろんながら立体感を演出する豪華なイメージに変貌、それに呼応するかのように遂にターボRS-Xというフル装備(パワーランバーサポート・パワステ・パワーウインド・オーデイォ等)をを装備した豪華仕様版を追加、世はバブルに向かう好景気でさすがのRSもタクシー内装ではやっていけなくなったのでしょう、時代の要請もあり売れ筋はこの『X』に移ってゆきます、とココまではいいんですが83/10にはNAのRS(2000RS-X)に何とATまで設定、これには萎えましたねー(=_=;)
このAT版、一度乗りましたがFJエンジンとの相性はあまりよくなく当り前ながらFJの特性を生かしきれないミッションでコレで女性や年配者がドライブしても絶対プラグ被る!それが印象でした(汗)
実際GT系のL20/同ターボ+ATはしっくりきてたし何でRSにAT設定したのか今も理解不能。。。

84/2、モデル終盤にきてそれこそ最強の『RS/RS-XターボC』を追加、インタークーラー付きFJ20ET型を搭載、当時はグロス表示ながら205psと言う2L初の200ps超えを実現、87yの我がギャランVR-4(E39A)がネット205psで登場するまで2L国内最強を誇りました(ターボC発売の84~86y頃の間に国産車のps表示がグロス→ネット表示化されてます)
ターボC、外観上はほぼ190ps版と同じだがFrエアダム左下にインタークーラー用ダクトが開けられており当時先に190ps版を購入した方々はこの「穴」に強いコンプレックスを抱いていたとか…
マイチェンが気に入り190psを買ったヒトは1年もしないで205psに出られた日にゃ、そりゃ泣けますよね~~。

RS-XターボC(84/2~85/8)㊤セダン㊦HT



そして84/8、RS最後の追加モデルとしてエンジンの点火系変更し「プラズマエンジン」とした新FJ20ET化、最高峰のターボC RS-XにATを設定しています。

85/8、スカイラインは7代目R31型にフルチェンしこの時RSシリーズも終了、FJ20エンジンは1代限りで廃版となります。
FJ20はスカイラインRS以降,、S110系シルビア/ガゼールにも搭載され83yにこれらがS12に代替わりした際も継続して載せられたものの86yには廃止されスカイライン~シルビア/ガゼールでトータル5年という短命で終わってしまいました、先記のように気難しいエンジンであった事が短命の原因で、もうそういった類のエンジンでは80年代後半~は生きていけないの事を悟っていた日産は今度こそと6気筒の4バルブのRB20DE/DET型を開発しFJに代って次代のR31で搭載、やがてコレが発展してGT-S・R、そしてR32でRB26DETTと発展し本当のGT-R復活となる訳です。。。

太く短く生きたFJ20型エンジン、この咆哮が聴けたのは僅かな期間でしたがその鮮烈な印象は充分当時のスポ車マニアを酔わせてくれました!

パッと出たパッといなくなったFJ(RS)、これぞ“鮮烈で華麗な一発屋”だとワタクシめは信じて疑いませんです!!!!!
Posted at 2017/04/17 18:21:42 | コメント(1) | トラックバック(0) | 一発屋 | クルマ
2011年09月04日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! ミニカ編④

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! ミニカ編④偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! 
第30弾は先代、先々代より数えて実に15年ぶりに全面新設計され84/2にデビューした『5代目H11A/V・H12V・H14A/V・H15A/V型ミニカ/ミニカエコノ(以下エコノと記載)』を取り上げます!

この代より三菱の型式改変に伴いこれまでの A~型から新たにミニカに割り振られた『H』を頭文字にしこにて表す新型式ミニカ/エコノの初モデルのため10系と表されています。

排ガス規制や軽規格改正などの荒波もあり結果的には3代目F4から12年の長期間造られた先代(F4~アミL/旧エコノ)、終盤は同社のデボネアと並び~まだあるの?いつまで作るる気?~みたいな半ば呆れられたようなモデルにしか映らず、それでも最後にエポックメーキングのスズキアルト47万円に対抗したエコノ(先代)を発売したり軽初のターボモデルを設定したりして放置にする事なくそれなりに気の入れられたモデルではありましたが旧態以前のFR駆動や次々新作デビューするライバル達の前ではその人気も販売もDOWN!!!、一時はダイハツとの首位争いを演じたミニカはもはや前時代の軽自動車的なイメージに陥っていました…

そこで久しぶりにシャーシから新たに開発、80年代に相応しい明るくクリーンでシャープなスタイリングとようやくFF化され脚廻りも見直された新機構を得て再び熾烈な軽自動車市場の闘いに挑んだのがH10系ミニカ/エコノです!

H10系では車名を乗用タイプはサブネーム(F4やアミ等)を廃し単なる『ミニカ』に戻しますが商用タイプには先代でデビューした『エコノ』を継続しています。

↓84/2、15年ぶりの新作となった5代目ミニカ(㊤XL/㊦エコノ・マリエ)



H10系は前年83/8にFMCした三菱の看板車種であるE10系ギャラン・エテルナΣのスタイリングアイディンティを採用、直線で鋭くとまとめられたスクエアなラインはΣのそれのミニチュアバージョン的佇まいで72年デビューのF4が基本だった先代では70年代特有のゴテゴテしたラインや年を追うごとにオーバーデコレート気味になりクリーンなイメージは皆無となっていたアミLや先代エコノと打って変わってスッキリと軽快感溢れるスタイリングになり一時は1万台まで販売を落としたミニカの台数をデビューの84年には5万台オーバーまで戻すのに成功し今更ながらFF機構の採用や徹底的にタイヤを四隅に追いやり角ばらせたトールボーイ的スタイルが当時の軽自動車の室内の広さでは水準以上で高い評価を得ました!!

それではH10系の車輛概要です。

(サイズ)
全長3195全幅1395高1395 (以上mm)
(車重)
570kg=ミニカXL
(定員)
2名(エコノ2シーターのみ)/4名
(エンジン)
G23B型水冷直2 OHC 550cc シングルキャブ33ps(エコノ=31ps)
G23B型水冷直2 OHC 550cc シングルキャブインタークラーターボ42ps
(駆動)
FF
(ミッション)
4速MT/5速MT/2速AT
(脚回り)
Frストラット式独立懸架/Rr3リンクトーションアクスル
(ボディ)
5ドアHB(乗用5ナンバー)/3ドアバン(エコノ=商用4ナンバー)
(バリェーション)
ミニカ(型式H11A):TL/GL/XL/TURBO
エコノ(型式H11V):2シーター/S/マリエ/G/TURBO-G

サイズは高さが実に80mmも拡大、FF機構の助けもあり室内は横方向を除くと普通車に遜色ないもので乗用ミニカの後席は2名乗車でも足元スペース、ヘッドスペースともに驚くほどの寛げるレベルでした。
乗用ミニカではアミ時代に採用された可倒式スプリットシートも継承、より広くなった車室の多用途性は一段と高くなりアミではせっかくシートを倒して作ったラゲッジスペースにスペアタイヤが鎮座して大して広くない という欠点もなくなり(スペアはフロア下に移設)更にFrシートのフラット機構なども採用し新時代の軽乗用としてのレベルを上げました!!

↓ミニカでは可倒式分割シート、フルフラットFrシートでの利便性を高らかにアピール!




商用エコノは節税バンモデルですので先代やアルト/ミラ・クオーレ同様、後席はミニマムという点に変わりないながら“バン”としての最大の売りでありカーゴスペースは大幅に拡大し先代が“節税乗用”だったところが商用としても立派に通用するレベルだったと思います、H10エコノ、何度か乗りましたがミニカも含め大きく高く開くテールゲートは非常に便利で先代のガラスハッチ(F4~アミL)に較べ利便性は大きく向上していました!

↓ミニカエコノでは従来通りの“節税乗用”ながらカーゴルームも充実!(エコノ・マリエ)


↓ミニカ(乗用)は軽とは思えない快適空間を実現(XL)


↓本格的テールゲートを備えたHB機構が大幅に利便性を上げ高い評価を得ました!
(㊤ミニカエコノ・マリエ/㊦ミニカXL) 



↓外観同様に直線基調のスクエアで視認性の高いインパネ(㊤ミニカXL/㊦エコノ・マリエ)



↓流行りのデジタルメーターモデルもラインナップ!


搭載エンジンは呼称を『G23B』に統一し先代からキャリーオーバーしますが出力特性が見直され“バルカンⅡ”を名乗っています。チューニングは3種でミニカ用には2ps馬力向上させた33psを、エコノには低速トルク重視の31psを(トルクは共に4.4kgm)、そしてターボモデルも健在で依然キャブターボながらインタークーラーを装着し出力は42ps(5.8kgm)を誇りまだアルト・ワークスやミラXXがデビュー前の中で俊足ミニぶりを見せつけていました!
ターボは先代同様ボンネットに不気味!?に輝くパワーバルジが外観上のポイント。

↓“バルカンⅡ”を名乗るG23B型エンジン、もちろんサイレントシャフトも健在!!


↓インタークーラーで武装し当時クラス最高の42psを発揮したG23B型ターボエンジン


H10系での最大のポイントは初代LA型から頑なに守り通してきたFR駆動方式をFFに変更した事です!
LA型の時点で既にスズキが採用、しかしその当時はまだまだ開発途上の機構であり信頼性に乏しかったながらその後の技術革新で特にサイズに制限のある軽自動車では室内、ラゲッジの確保の点から言ってもFFが有利なのは素人目にも明らかであり最後まで伝統のRRにこだわった富士重もこれ故に81yからFFを採用、この時点で三菱を除く全ての軽自動車がFFを採用しており年月を経た80年代では室内の狭さが際立つFR機構の先代ミニカ最大のウィークポイントになっていた部分の改善であり目新しさはないながら“後発FF”としてFFを徹底的に研究し煮つめた技術を採用していました。

↓先代までとは180度異なる横置き+FF機構と新サスペンジョンを採用!


横置きエンジンはもちろん、ロングホイールベーススタイルをとりながら操縦性にこだわり小回りを利かせる新設計のFrサスはクラス最少の最小回転半径を実現、Rrサスも上級のFF・Σと同タイプの高級3リンク式トーションアクスルでしなやかな乗り心地、ドライバビリティを得ています。
ドライブ感覚はFFの悪癖を若干残し、ハンドリングもトルクステアを感じFRで馴れたワタクシにはオーバーステアも強く感じましたが70年代のFF車とは明らかに違い不安、不満を覚えるようなモノではなく足も柔らか過ぎなイメージながらしっかり踏ん張りも効きまさしく上級Σのミニ版という印象で軽自動車としては贅沢な感じでしたネー。

ミッションは4速MTに加え5MTも用意、4MTでもTOPはO/Dでしたが5速ではよりハイギヤードのO/Dが設定され高速走行時の静粛性と低燃費を実現しています。
ATは従来通り2速ながらフルオートマチック化しセミATだった先代から違和感ないイージードライブを約束しました。
尚、5MTはミニカのXLとターボ、エコノのターボGに、2ATはミニカXL/エコノS、マリエ、Gに設定(他は4MT)

ボディは先代まで2(3)ドアオンリーだったモノからミニカ(乗用)では初の4(5)ドアを採用、かつては2ドアが常識だった軽乗用ながらホンダライフで4ドアがメジャー化、(4ドア軽のお初は初代マツダキャロル)ミニカは最後発の4(5)ドアモデルでした。
70年代中盤には既に広まった4ドアモデルに何故か三菱は反応せずこれも先代が年代を追うごとに不調に陥っていった原因ではないかと思われます。
2ドアより4ドアが使い勝手がいいのは承知の事実でありガラスハッチや可倒シートよりも4ドアの追加を待ち望んだ軽自動車ユーザーも多かったのではないでしょうか!?

尚、2(3)ドアモデルも残されますがこれはエコノ専用となり
ミニカ=5ドア
エコノ=3ドア
の図式になっています。

グレードはミニカ/エコノともに1種のTURBOモデルと3種のバリェーション、エコノには商用専用である2シーターを設定、また、エコノには内外装をカラフルにお洒落に彩る女性向けに『マリエ』を先代から継承して設定しています。

それではモデル改歴に移りますがこの代では空前の女性への軽人気とバブル突入により主に女性向け特別グレード、限定モデルも多く全てを網羅はしていませんので予めご了承願います(^_^;)

(85/2)
エコノにミニカXLに準じた高級仕様の『エコノG』を追加、『エコノS特別仕様』『特別仕様エコノアミスタ』も追加設定。

↓エコノ最高グレードとなる『G』


↓85/2以降のミニカ/エコノのバリェーション(特別仕様を除く)



(85/9)
エコノのボディを使った5ナンバーのミニカ3ドアHBを追加しアミL以来、久しぶりの3ドアの復活がなされています。また、パートタイム式4WDをエコノに設定、ミニカターボに700台限定の特別仕様『ジャッカル』をラインナップしています。

↓新設定された『エコノ4WD・G(型式H12V)』


4WDはこの時期、ターボに続いて三菱が売りにしていた“フルライン4駆”の末端を形成するモデルでありFFモデルが10インチホイールだったところ12インチを採用、Frディスクブレーキも従来型FFはターボのみながらNAでも4駆は標準装備、ハブもPCDがFFモデルの100mmに対し114.3mmとなっており雪国/荒れ地対応のため車高(最低地上高)も大きくとられていたクロカン指向も意識した走破性も考慮する4駆でした。
またこの時からミニカ5ドア『XL』のみ4駆同様Frフロントブレーキがディスク化、タイヤ/ホイールが12インチとなっっています。

(86/2)
ターボシャッカルを再度700台限定にて発売、『エコノ・ライラ』(限定1000台)と『エコノGエクストラ』を新設定。

(86/4)
ミニカ3ドアターボ並びにXGに開閉式(手動)キャンバストップのルーフを持つ『オープントップ』を追加しオープン気分が味わえる魅力溢れるこのモデルは大きな注目を集めワタシもディーラー勤務時代に下取りで入れ驚くような価格で再販したのを鮮明に憶えています!

↓オープントップで一段と魅力を高めました!(ターボ・オープントップ)



(86/6~8)
ミニカに『SLエクストラ』、エコノに『ライラ』を(いずれも特別限定車)とエコノにマリエの下級にあたる廉価版女性向け『エコノ・パセリ』をラインナップ。

(86/10)
オープントップの特別限定車『マックペア』を設定。

(87/1)
MCで後期型となりこれまでエコノのみだった4WDをミニカ5ドアにもラインナップしています。ます。(型式ミニカ=H14A エコノ=H14V 両4WD=H15A/V)

外観上の意匠変更は売上も好調によりグリルデザインの変更が目立つ程度ながら中身は大きく変貌、搭載エンジンを全面的に変更し新開発の3気筒、3G81型に換装します。
この新エンジン、この後ミニカはもとより三菱軽モデルの主流エンジンとなり現行ekワゴン等に搭載される660cc 3G83型のルーツで様々なチューンが以降行われますがこれの原型がこの3G81型となります。
3G81は上級ギャラン等で大アピールしていた“CYCLON=サイクロン”を名乗る新世代エンジンで2気筒のG23Bと比較して大幅に静粛性をアップ、低燃費も実現した注目のモノでした。
チューンはやはり3種でミニカが32ps/4.2kgm、エコノが30ps/4.2kgm、ターボは50ps/6.7kgmまでアップしています。(エンジンシ諸元は水冷3気筒OHC シングルキャブ、ターボはインタークーラー付)

↓新設計3気筒エンジンの3G81型


↓3G81には引き続いてインタークーラーターボも設定。


↓後期型ミニカ5ドア㊤4WD/㊦S



↓後期型ミニカ3ドアターボ


↓後期型エコノ・パセリとそのインテリア



(87/5)
エコノ・ターボに『XR』ミニカ5ドアにエコノのグレードだった限定車『パセリ』を追加、エコノに『ライラ/同4WD』(限定)を追加。

↓新設定されたエコノ・ターボの硬派スポーツグレードである『ターボXR』


ターボXRは外装をエアロパーツで固め内装の意匠をよりハードなイメージにしスポーツシートも備えた派手な出で立ち、これはライバルのミラTR-XX(85y)から始まった“第二次軽ハイパワーブーム”に呼応したものでこれに対抗したスズキ・アルトワークス(87/2)に次いで三菱もコレに参戦したものでした。ただ、ミラの52ps(→50ps→64ps)/ワークスの64ps、そしてこれらが電子燃料噴射方式を採用(ミラは88/10~)していたのに対し当初からブービーの50psで最後までキャブターボだった点で話題には乗れず終いでしたがエキサイティングな雰囲気、結構気に入ってました!

↓エコノ・ターボXRのインパネ&インテリア



また、このMC時からはATがクラス初の3速AT化がなされこの部分ではライバルに大きく差を付けています!

↓クラス初の“3速AT”は軽にも本格的イージードライブを訴求するユーザーに大歓迎されました!!


(87/6)
エコノ・オープントップに特別限定の『フィオルッチ』を設定。

(87/8)
エコノ・ターボに三度『ジャッカル』(特別限定)を設定。

(87/9)
4WDモデル、従来のパートタイム4駆に加えスポーツ4駆となるフルタイム4駆も追加、ギャランVR-4で大注目されたビスカスカップリング式フルタイム4WDはVR-4の原型であったスタリオンラリーモデルからのフィートバック。

(87/11)
いずれも特別限定となる『エコノ・ライラ』『ターボジャッカル』『フィオルッチ』を設定。

(88/1)
4WDは全てフルタイム4駆となりパートタイムは廃版となります。
また、ミニカ5ドアに最高グレードで上級車の高級グレード名を名乗る『エクシード』とエコノと同タイプの『パセリ』を、エコノにお買い得モデルの限定『ティコ・シリーズ(G/M)』、エコノ・ターボに『ZEO』を追加します。

パセリなど、この時期からエコノ→ミニカに主力を移す施策が取られたのは翌89年に消費税導入を睨んだモノでこれまで物品税が非課税でより低コストでマイカーが持てた所謂“節税”だった軽商用=エコノ(他アルトやミラ・クオーレ)でしたが諸費税導入によりこれの廃止が決定、従来に較べ軽4ナンバーと5ナンバーのコスト差が殆どなくなるために各社が5ナンバーモデルにシフトしたものであり自動車税の差額程度(3~4000円)であれば後席が後席として使える5ナンバーモデルに需要が移るのは庶民の当然、予測できる行動でありこれに備えたモデル設定/ラインナップ見直しでした。

ターボZEOはより派手になっていくハイパワーミニ(ワークス/ミラXX)に呼応しより派手な出で立ちにしたモデルでしたがやはりキャブターボ50psという当時ではライバルに比較し見劣りする出力が災いしよほどの三菱ファンでない限り選ぶユーザーは少なかったです、ガンダムルック、いかつい出で立ちならお任せの三菱車でも実力は劣っておりZEOでも戦線浮上はならずでorz…
ZEOにはノーマルルーフとオープントップを設定していました。

↓より派手な出で立ちでワークス/TR-XXに挑戦した『エコノ・ターボZEO』


(88/5)
エコノにオーディオ装備を充実させた『ティコGサウンドBOX』、従来のエコノ・ティコG/ティコMの中間グレードとなる『ティコF』を設定、ミニカ(乗用)にも『5ドアティコ』を限定1500台にて追加。

(88/8)
エコノ・ティコGに88年に開催されたソウルオリンピックを記念した『88オリンピック記念車』を限定発売。

(88/9)
エコノ・ティコM に地域限定特別仕様車『ティコYu』、『ティコ・ピーター』を、エコノ4WD・S に『ピーター4』 を設定。

(89/1)
バブルの恩恵とFFになり広大な室内を武器に人気/販売ともにUP!!!に転じた5代目ミニカ/エコノは好評により5年間生存、89/1によりバブルの刺激を受け軽自動車らしかぬコストを賭けた6代目H20系にFMCされました。

↓“バブリー・ミニカ”として?6代目が89/1にデビュー!!


先代で人気/販売を1万台というブービーに落としたミニカ、5代目になりその人気/実力が示すように一気にデビュー直後は5万台まで上げてきました!
しかし86年以降は3万→2万台と落としてゆきダイハツミラ/スズキアルトの25万台前後という驚異的数字には足元にも及ばずスバル・レックスの平均12万台にも遠かったのが事実、しかし言い訳じみていますが上記メーカーが軽自動車を主力にしていたこの時代、普通車を主力にしまだ軽自動車は“片手間“?だった三菱で2~5万台は健闘したと思いますしコアな三菱ファン以外にも評価は高かったモデルだったと思います。
先代と比較したら特に先代終盤期と較べ魅力も人気も充実UP!!!だったと信じて疑いません!

さて、次期バブリーミニカ、ワタクシGureのサブ機愛用中という事もありますます気合を入れて取り組みますので引き続きお楽しみにぃ~(^^)v

(次回6代目 H21A/V・H22A/V・H26A/V・H27A/V型ミニカに続く)
Posted at 2018/05/27 16:53:59 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年09月03日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! ミニカ編③

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! ミニカ編③
偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! 今回はミニカ史上でも激動の改編を経験した3/4代目になります『A103A/A104A/A105A/A106A/A107A・V型ミニカF4/5/アミ55/アミL/エコノ』を取り上げながらこれのUP!!!DOWN!!!を検証したいと思います!

まずこの型=3代目4代目と分けていますが書物、ネットでは様々な見解があり

①72/10登場のF4から84/2のアミL/エコノまでを通して3代目とする説。
②このブログのように3/4代目と分ける説。(3代目F4/5、4代目アミ以降)
③F4/5を3代目、アミ55を4代目、アミL/エコノを5代目としている説。

が見受けられます…

ワタシ的にはF4と最終アミL/エコノでは360cc→550ccの規格改正による大型化の部分を差し引いても基本ボディが同一であり機構面(駆動方式や各機関のレイアウト等)も変更がなくシャシはF4が旧A100/101を踏襲したモノでこれを規格改正にて拡大しながらアミL/エコノまで引っ張っていた関係上、①の説を信じて疑わないのですがwikiやメーカーでもどうやら②の見解のようですのでこれに準じてご紹介したいと思います、何となくフに落ちませんが(-_-;)

それではまずは3代目となる『ミニカF4((A103A)/ミニカ5(C-A104A)』をご紹介します!

72/10に先代(A100/A101→F4追加でA101のみに)存命中に誕生したF4はシャーシは先代をそのまま流用、スタイリングは先代のペキっとした直線一辺倒のデザインに豪華さをプラス、丸味が味付けされ各部意匠も凝ったモノとなりました。
軽自動車と言えどもこの時期はユーザーも贅沢になってきており各ライバル車もミニカ含めその立ち位置とは似つかわしくない豪華路線へと向かっています(これが後に深刻な軽自動車離れを起こす要因となりますが…)
尚、ネーミングの『F4』の意味はメーカー発表によりますた「F」は4(Four)サイクル/Fresh Familyのからとられ「4」は4サイクルの頭文字で「4サイクルエンジンを搭載し新時代の軽でありこれまでの常識を破ったファミリーカーでありホームセダンである。」との事です…

↓華奢ながら軽量感溢れスポーティだった先代から豪華路線に転じた『3代目ミニカF4』
(写真はGL)


これまで各社、軽自動車=いかにスペースを確保しながら足車やセカンドカー、入門車としての要素を満たせるか!をテーマに送り出されてきましたが1970年を境に飛躍的免許取得人口の増加と自動車全体の登録台数の極端な増加により“ファーストカー”をも満たし、普通車、特にすぐ上級となるこの頃の言葉で言う「大衆車=カローラ、サニー、ランサー、ファミリア等」と勝負できる外観やイメージ、装備を施し“1億総中流化”の時世に乗り軽自動車の拡販に乗り出した訳です。
これによりミニカはもちろんホンダN360→ライフ、スズキフロンテやダイハツフェローマックス、スバルR-2→レックスとどれもこの時期に新モデルに切り替わりその出で立ちは過剰装飾と上級車真っ青な贅沢なラインを採用したボディデザインとなりどれもかつての見るからに文字通り軽そうでお手軽なクルマ!のイメージではなくなりました。

ミニカF4も先記の通りその例に漏れず先代のイメージは残しながらも丸味帯びたデザインはひと回りクルマを大きく見せ重厚感を印象付けるモノながらワタクシ個人的には重々しくデブになった感じでスッキリした先代に魅力を感じます。
内装やインパネも格段に豪華なイメージとなり上級グレードでは木目パネルを多用したりソフトバッドも採用し大衆車のインテリアと何ら遜色ない仕上がりになっていました。
外観に関して言えば所詮軽自動車なのですから上級普通車のように何も大きく立派になんて見えなくてもいい、スッキリと軽快感がある方が軽自動車分相応って感じで当時でも「何か違わない?」と子供心に感じたモノでした~。。。
まぁ、時代がOILショック前の贅沢という事にばく進中の頃ですから各車こうなっていったのは“時代のトレンド”で致し方ない事だとは思いますが…
尚、価格においても立派になりミニカF4では最上級の『GSL』では47万円まで上昇、先代の上級スーパーDXからは10万円近く上がりこれは上級大衆車のパブリカやコンソルテの1000とほ同じ水準!!
もはや普通車の価格領域に突入した点も驚きでしたが同時期のライバル車全てが上位グレードは上級車と肩を並べるか上回る価格設定となっています。

それではF4、A103Aのモデル概要です。

(サイズ)
全長2995全幅1295高1315 (以上mm)
(車重)
515kg=GL
(定員)
4名
(エンジン)
2G21型4st水冷直2OHC 360cc シングルキャブ32ps ツインキャブ36ps
(駆動)
FR
(ミッション)
4速フロアMT
(脚回り)
Frストラット式独立懸架/Rr5リンクコイルリジット
(ボディ)
2ドアHB/クーペ(スキッパー=先代継続)/バン(先代継続)
(バリェーション)
ハイSTD/DX/スーパーDX/ES(スポーティDX)/カスタム/GL/GS/GSL

価格=470,000円(GSL)

サイズは軽ですので長さと幅は従来と同一、高さは低くなっています。
この全高は後年これと先代を較べてみるとヘッドスペースは明らかに狭くなっておりスタイル優先の退歩だったと思います。
イメージ的には旧スキッパー(全高1275mm)に近い感じでスキッパーならばクーペなのでその辺は問題外でしょうがファミリユースに使用するクルマとしては少々キツくてただでさえ狭い後席は初代、2代目と続いた~少しでも広くしよう~というメーカーの良心は感じられない、そんなモデルでしたねー。
また、ベースモデルですら先代より若干ウェイトが増し、パンチ力では先代の2stから劣る4st化で俊敏な走りも若干ながらスポイルしています。
実際、F4のドライブ経験から言いますと先代とは出足や登坂では結構差があり非力までは感じなくともどことなく頼りなくその代り静粛でトルクも出ており先代の忙しいギアチェンジからは解放されていたという印象が残っています!

F4となり最も変化したのが搭載エンジンで前回の“偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…28” でも触れました通り長い間2stで生きてきたミニカ初の4st化です。
時代が環境や騒音の面から既に2stは許さない状況となっておりそれに応えた新開発エンジンの2G21型は通称“バルカンエンジン"と呼びサターン、ネプチューンに続く三菱得意の天体シリーズ、その後上級エンジンにアストロン、シリウスが命名されミニカ/ミニキャブのバルカン、天体の末弟でした。

↓新開発の360cc 4stエンジンであるバルカン2G21型


シャーシが先代を継続していますのでFR機構やサスは先代を継承、スタイルの関係と実際出力ダウンしたエンジンながらもFRで機敏な走りとダイレクトミッションがカチっと決まる清々しさはF4でも健在です!

↓旧A100/101と同一のFrストラット/Rrリンク式の脚廻り



余談ですが84年までこの脚回りとシャーシは変更されていないのは先記の通りでさすが最終では古臭い部類になってはおりましたが69yにデビューしたこの機構が80年代まで通用したのですから如何にA100/101の設計が優れていたか!!という点に今更ながら感心します!

F4のボディバリェーションは1種+2であり+の部分は先代を継続したバンとスキッパーになっています(詳細は全回ブログをご覧下さい!)

F4では先代がテールゲートを設けた3HB形式だったのに対しRrガラスハッチ式に変更し2HBとなりました。
まだまだこの時代、テールゲート=バンのイメージがありこれを避ける変更だったようで確かに見かけは高級っぽくはなりましたが開口部の面積縮小で使い勝手や積載上ではどうだったのでしょうねー、さすがにワタシも先代とF4に荷物の載せ較べはしていないので何ともですがイメージ的には退歩という感じがしないでもないです…

↓先代のポリシーは受け継ぎながらもガラスハッチのHBに変更!



F4でも先代同様に2種のグリルデザインを採用、ベーシック(廉価版)/ファミリー系に丸目2灯式ハニカムグリルを、スポーツ/高級系に丸目2灯+フォグに縦縞グリルで分けられていました。
ベーシックはハイSTDを、ファミリーにDX/スーパーDX/ES(スポーティDX)を、高級にカスタム/GLを、スポーティにGS/GSL設定しておりスポーティのみツインキャブ36psを搭載し他はシングル30psバージョンとなっていますがESのみ、スポーツ系最廉価としてカタログでは30psながらスポーティ系に入れられています。

↓2つの顔を持つF4!!(㊤ベーシック&ファミリー/高級系㊦スポーツ系)



余談で細かな事で恐縮ですが最廉価の『ハイSTD』という名称、コレ不思議で仕方なく未だに不思議で笑えるグレード名です(汗)
この時代、ほぼ全ての車種が最廉価グレードを『STD』としておりその上が『DX』、そしてそのまた上が『GL』とか『ハイDX』というグレード名でしたが聞き慣れない?ハイSTDって何?って感じで???
F4に『STD』があるならこれも理解できますがハイSTDが最廉価でしたので“んじゃ何でわざわざハイを付けるんか!”みたいな???DXもあるのに何でやって…
後続のアミになってもラインナップしていましたがハイ=より高級なSTD…いやー、未だに納得できません(爆)

それではA103AミニカF4のモデル改歴です。

(73/10)
MCで後期型となります。
Frフェンダープレスを小変更しベーシック/ファミリー系の丸目2灯グリルを意匠変更、丸2のままながらopにて角型フォグがチョイスできる仕様となります。
また安全対策から全車に助手席ヘッドレストを装備、一部グレードの装備充実がなされ同時に来る排ガス対策と急激に落ち込んだ軽スポーティ需要の減退から36psツインキャブエンジンを廃止、GSLとGS、そしてESもカタログ落ちします。
また、従来のシングル32psも48年排ガス対策から30psにダウン、これに伴うドライバビリティ低下を補うためエンジンチューンを変更、ギア比をローギアード化しています。
廃版となったGSLの装備や意匠を持ちながら30psエンジンの『SL』を新設定、唯一のスポーツ系として残しています。
尚、併売していた先代A101ミニカ73はこの時製廃となりました。

(74/7)
スキッパーが製廃となりセダン鈑は完全に代替わりとなりました。

(74/12)
2G21型エンジンに後に三菱全てのエンジンに採用されるバランスシャフト(後の三菱の通称=サイレントシャフト)が初採用され通称を「バルカンS S=サイレントの意)とします。
クランンクシャフトと逆に2倍速で回転するこのバランスシャフトにより振動を抑え4気筒並の静粛性を実現!と高らかに自信を持って送り出された新2G21型エンジン、4気筒の静けさは誇大広告の気もしますが振動は確かに軽減されておりこの時期の軽ではもっとも振動が少ないエンジンとして注目されこれに気を良くした?三菱は2Lのアストロン→1.6Lサターンetc…と次々にこれを内蔵し一時期は同社エンジンの最大の特徴、売りでもありました!

↓バランスシャフト(サイレントシャフト=赤い部分)を内蔵し低振動化!!


尚、この時にバリェーション整理が行われハイSTD/DX/スーパーDX/カスタムの4種にまとめられスーパーDX以上がフォグ付、以下が丸目2灯の設定とされています。
同時に軽自動車ナンバー大型化に改正(現行の黄色プレート)に合わせナンバー取付部を変更、バンのDXに以前のスキッパーの顔であったフォグ付丸目4灯ハニカムグリルを装着、STDは従来通りミニカ73と同一。

↓スキッパー顔を移植した74/12~のバンDX


※(76/1)
法律による軽自動車規格が改正、それまで全長3000mm、全幅1300mm、排気量360cc未満と定められていた軽自動車規格が見直され全長3200mm、全幅1400mm、排気量550cc未満と拡大された新規格が制定されます。

ここからミニカ5(C-A104A)のモデル改歴となります。
(76/4)
規格改正に合わせた新モデルへMC、車名を『ミニカ5(ファイブ、型式C-A104A C=51年排ガス対策を示す)』とします。
但し、新規格に完全対応するには準備期間がなく暫定的な措置としてボディはF4のままでエンジンを500ccに拡大、全長を新規格にするため大型バンパー採用としたのがミニカ5(型式C-A104A)でした。
暫定と言えども新規格に真っ先に対応し各社に先んじでデビューしています。

↓暫定デビューした“新規格”の『ミニカ5』



この頃は各社、排ガス対策に追われる時代でとても新規格専用の軽自動車を開発する余裕はなくミニカ5以降、他社も暫定新規格で取りあえずお茶を濁しホンダは軽市場から撤退、ダイハツはミニカ5同様にボディはサブロクのままバンパー大型化のハリボテながら一気に550cc化、スズキ/富士重は500ccながらボディを規格一杯までもってきておりライバル他車に較べるとボディもサブロクのまま、エンジンも500ccというミニカ5は少々不利な立場でした。
しかし悪名高き50/51年規制でエンジン出力、ドライバビリティもサブロク時代より低下するという悲惨な状況下でしたからかえってサブロクの小さいボディのままだったミニカ/フェローマックスがこの中でもまともに走れたのではないかと!?!?

500ccになり排ガス対策を施された新エンジンである2G22型は30psと360時代と同一となる出力、上級大排気量エンジンですらもっさりしなかなか回転が上がらないという50/51年対策特有のストレスはありましたがそこは軽量なる軽自動車!普通車のように目を覆いたくなるまでの悲劇ではなく360時代の無理矢理パワーを絞り出す一種のテクニックは不要となりトルクフルな現代に通じる扱い易いエンジンになっています。
2G22はサイレントシャフトはもちろん健在でEGR/触媒コンバーターによるMCA-51システムで51年規制適合を果たしています。

↓“ニューバルカンS”と銘打った51年規制適合の2G22型MCAエンジン


ミニカ5のモデル概要は下記の通りです。

(サイズ)
全長3130全幅1295高1315 (以上mm)
(車重)
540kg=カスタム
(定員)
4名
(エンジン)
2G22型4st水冷直2OHC 500cc シングルキャブ30ps MCA-51(51年排ガス規制適合)
(駆動)
FR
(ミッション)
4速フロアMT
(脚回り)
Frストラット式独立懸架/Rr5リンクコイルリジット
(ボディ)
2ドアHB/バン(先代継続)
(バリェーション)
ハイSTD/DX/スーパーDX/カスタム

5となり外観上は先記のように大型バンパーが装着され頑強/精悍なイメージとなりグリル意匠も変更、他に安全対策(各警告灯の設置等)も施されます。
一方、A101Vとして先代を継続していたバンモデルもこの時にミニカ5同様ボディはそのままに大型バンパーを採用し2G22型500cc(商業用チューンで29ps仕様)を搭載した『ミニカ5バン(H-A104V H=商業車51年排ガス規制適合を示す)』にMCしています。

ここから4代目と謳われるミニカアミ(C-/E-A105A)のモデル改歴となります。

(77/6)
暫定新規格だったミニカ5から大幅なチェンジで4代目となる『ミニカアミ55(C-A105A)』に切り替わります!
ミニカ5は“暫定”の悲しさから僅か1年2カ月のみの存在でした。

↓77/6、大幅チェンジで完全新規格化した『ミニカアミ55(XL)』


アミ55はシャーシを先々代のA100系をベースに新規格サイズに拡大、ボディはF4/5を基本的には継承しますが拡大された事とボンネットやRrクォーターパネル、エンドパネルなど一部プレスラインを変更しインパネやインテリアも新デザインとしているためFMCと定義しているようです。
しかし冒頭で述べたように基本的な部分ははF4/5を継続しておりドアやガラスなどは変更はなくボディセンターを走る特徴的なデザイン上の遊びであるラインもF4そのままでした。

ミニカアミ55のモデル概要は下記となります。

(サイズ)
全長3175全幅1395高1315 (以上mm)
(車重)
565kg=XL
(定員)
4名
(エンジン)
2G23型4st水冷直2OHC 550cc シングルキャブ31ps MCA-51(51年排ガス規制適合)
(駆動)
FR
(ミッション)
4速フロアMT
(脚回り)
Frストラット式独立懸架/Rr5リンクコイルリジット
(ボディ)
2ドアHB/バン(先代継続)
(バリェーション)
ハイSTD/スーパーDX/GL/XL

上記のようにサイズは新規格フルサイズ化がなされバンパーだけの水増しだった5と比較して格段に堂々とした印象となっています、特にこの拡大は後席スペースの居住性に現れそれまで小さく縮じこまりながら後席に押し込められる というイメージから踏ん反り返るまではさすがに無理でも大人二人が何とか普通に座れるレベルにはなっています。

エンジン縦置き+FR駆動等、基本の機構部分はF4/5と同一、エンジンは2G22を50ccスケールアップしこちらも規格いっぱいの550ccとなる2G23型を搭載、もちろんMCAによる51年規制で出力は1psアップの31psとなりました。
しかしボディ拡大の車重増で1ps程度のアップは何の意味もなくアミ55のドライバビリティは5でも頼りなかったところますます鈍重になってしまいワタシの知る限り、歴代ミニカの中でこのアミの51年規制モデルが最も最悪な走りだったと思います、特に登坂では大した坂でもないのに息をついてしまい坂道発進でも苦労する程のモノで憎ってき51年規制!がこのモデルでも感じました。
いくらサイレントシャフトを内蔵していてもこう非力だと吹かしまくらないと走らない為、殆ど意味はないじゃん!!そんな風にに思いながら走らせた記憶が残っています…

尚、バンに関してはボディや外装はミニカ5バンそのままに550ccの2G23に換装し『ミニカ55バン』となっています。
55バン、相変わらず69y登場のミニカ70バンそのままの旧規格ボディでこの頃になると~まだ造るの?~的イメージでしたが後年ワタクシ、一時足に使ってましたがその小ささとFR、バン故の固い脚廻りと軽量さからアミとは違い結構俊敏に走り小排気量とウェイトの関係がいかに大事かを学んだモデルでもあります。
55バンは後続の商用バンモデル、エコノがデビューする81/9まで生き続け実に12年の長寿を誇りました!

↓サブロクボディのまま550ccを搭載し“俊敏”だったミニカ55バン


アミは全体イメージはF4/5を引きずりますが新意匠のFrフェイスは豪華イメージを強くした彫が深い横線グリル、テールは大型化されたテールランプがやはり高級な印象を与えます。
ボディカラーもメタリック系を多く設定、インパネもダッシューボード全体を引き下げ視認性を挙げた新デザインとなりインテリアも明るい色合いを使うおしゃれな風味になっています。
グレードは見直されあのおかしなネーミングの“ハイSTD”は健在、何故かその上にDXを飛び越えるスーパーDXを設定し上級にGLを、最高グレードにはXLを位置付けしています!

↓ミニカアミのラインナップ!!


↓新デザインとなった現代的なインパネ(XL)


ガラスハッチ式のHBはF4/5を継承しますがRrシートがスプリット式となりより多用途性が高まりました。
普通車ではもはや異端児ではなくなっていたHB+分割可倒式シートの組み合わせは軽ではミニカ唯一でありまだこの時期はRRだったスバルやスズキ、FFながらHBではなかったダイハツに差を付けるアミの最大の売りとしてアピールしていましたねー、小さなボディのRrガラスが開こうがシートが倒れようがあまり実用性はないとは思いますが小さいからこそこれは大きな使い勝手にもなり後年、全ての軽乗用がこの形式になっていますので以前にも述べましたが69yからこれを採用したミニカ、アッパレですね(^^)

↓より多用途になった唯一のRr分割可倒式シートを最大限アピール


アミとなって新採用された一つにトルクアーム式サスがあります。
サスペンションそのものはA100系から継承するFrストラット/Rrリンク式ですがミッション~デフまで長いトルクアームで結び高速時のこもり音や瞬間的ショックを吸い取るのに有効というモノでした。
まぁ、これが生きる速度域までのドライブ経験はないので独特な思想のこのサス?Dシャフト?どうだったんだろう?と思います…

↓新採用の“トルクアーム”(赤い部分)


(78/9)
排ガス対策に有利な希薄燃焼を可能とした三菱独自の第三のバルブ→JETバルブを採用し『MCA-JET』システムにより53年規制に適合します。(型式E-A105A E=53年規制適合を表す)
MCA-JETとなりこの時期から始めた乗用モデルのエンジン呼称変更が行われエンジン型式を『G23B型』と改めます。(従ってバンは53年規制適合になりますが呼称は2G23型のまま)
G23Bとなりタイミングチェーンをより静粛性を高める目的からベルト駆動に改良、アルミ製ロッカーアーム採用などエンジン自体の軽量化に取り組みました。
これによるものと完成された排ガス対策のためか53年規制のアミは51年と較べ目に目に見えてドライバビリティは向上、あのなかなか回転の上がらないストレスもかなり軽減されています。

↓新搭載されるMCA-JETにより53年規制に適合したG32B型エンジン


G32B型のスペックは51年規制の2G23同様の31ps(トルク4.1kgm)と変更ありませんが乗り較べると差は激しかったです!

↓派手なストライプ(op)でMCA-JETをアピール!


(80/8)
ガラスサンルーフ付モデルを追加。

(81/2)
低価格モデルのユーティリカを追加設定します。
ユーティリカは79yに徹底したコストダウンと商用モデル登録とし節税もアピールし爆発的人気を得たスズキアルトに対抗したアミのコストダウンモデル、アルトの470,000円に対し518,000円とまだ高価でありましたがアルト独走態勢だったこの時期に一石を投じています。

(81/9)
アミとなってから既に4年を経過したミニカ、この4年の間に軽自動車界は劇的な変化がありアミデビュー当時はクラス最大のラゲッジルームと使い勝手を誇っていたもののダイハツ、スズキがFF方式に転換しラゲッジは当然、居住性をも上回る車室空間を得、これに伴う新世代のサスペンジョンも採用されベースが69yのミニカは非常に苦戦する状況となってしまいました。

少々話がミニカから脱線しますが79yに5代目SS30/40型にFMCしたスズキフロンテのバリェーションモデルだった初代アルトはそれまで競って普通車の余裕や豪華さを追求しその結果、贅沢に割高になり過ぎ普通車をも上回る価格帯となっていた軽自動車は本来の目的を失い人気ダウンとなっていたのを危機と捉え真摯に反省、もう一度真面目に「軽自動車の役割」を見つめ直し停滞してい軽自動車市場を力付けるエポッキメーキング的な存在になり軽自動車ユーザーが多少維持費の違いだけならより車室空間やパワーに余裕がある普通車に流れるといった現象を抑え手軽でアイディアとコストダウンにより470,000円という当時70~80万円台になっていた従来の軽乗用と較べ大幅に格安な事から若い世代のファーストカー、増え続ける女性ユーザー、セカンドカー需要層に支持を得、大人気となり再び軽自動車が見直される大きなきっかけとなったモデルでした。
落ち込む一方の軽自動車の販売を危機に感じたスズキが血の滲む努力でフロンテをコストダウン、また軽自動車No1メーカーらしく独自の調査から ~普段、軽の乗員は一人か二人~ という結果を踏まえ本来のセカンドカー、足代りという点に立返り元々荷物スペース重視の軽商用モデルに注目、アルトは前席優先の商用登録とし軽の場合は商用と乗用に見かけにあまり差がない事も逆手に取り4ナンバーながら一般ユーザー向けに発売、維持費は5ナンバー乗用にに比較して当時は現在の税制以上に安く軽の場合、商用であっても車検は2年という事もありこの方策は大当り!!となった訳です。
商用の場合、車室と荷物スペースに割合が決められるため後席は幼児でないと座れない狭さながらセカンドカー的使用や若いお母さんが幼い子供を乗せるにはなんら不自由はなく後はRrサイドウィンドゥに荷崩れ防止用バーが存在する程度で見かけは2ドアHBスタイルと殆ど変わらずかえってバンのためテールゲートが大きく積載性に優れていたのも目から鱗だった気がします。
フロアカーペットすら省かれ鉄板丸出しの室内、最低限の装備でウィンドゥウォッシャーすら電動ではなくゴム状のS/Wを揉んでその圧力で吹き出すという徹底したコストダウンの賜物である47万円!いやー、感嘆しましたぁ。

↓79/5、ホンダN360以来の軽自動車界に革命を起こした『初代スズキアルト』


話しが逸れましたがこの辺でミニカに戻ります!
(ここから4代目後半のA107A/同V ミニカアミL/エコノのモデル改歴となります)

ご紹介したアルト、発売以来爆発的ヒットとなり正に唯我独尊の一人勝ち状態、そこで各社これを指を加えて眺める訳にはいかず三菱もアルト対抗を目的とした大幅なチェンジ=ビックチェンジと銘打ったMCをミニカに施しアルトを倣った商業バン登録となる『ミニカエコノ(A107V…排ガス規制記号はここから省きます)』及び5ナンバー乗用の『ミニカアミL(A107A)』を81/9より発売しました。

↓81/9~の『ミニカアミL』㊤/㊥㊤と『ミニカエコノ』㊦/㊥㊦





アミL/エコノ両モデルは旧アミ55のMCではありますがBピラー後部は新デザインとされた大幅変更モデル、エコノはアルトに対抗するためそれまでのガラスハッチではなく本格的テールゲートを備えるライトバンとされています。
これにより12年間、ミニカの商用として活躍した55バンは製廃、エコノに代替わりとなっています。
アルトの成功以降、軽はもちろん小型リッターカークラスにも影響を与え専用のライトバン開発をやめHBモデルと共有ボディにしコストダウンを図る方式に移っていきます。
スターレットやカルタス、シャレードなどのリッタカーのバンモデルもアルト方式が取られ普通車の場合1年車検になってしまう点や積載スペースがやはり専用設計のバンボディと較べるとどうしても劣るためやがてこれら乗用ベースのバンは普通車からは廃れていきますが軽自動車ではしばらくこれがメジャーになりミニカエコノを始めダイハツミラクオーレ、スバルファミリーレックス→同コンビなどアルトを倣いいずれも40万円台後半~50万円台前半の低価格軽ボンバンが一時流行しました。

アミLは低コストをエコノに任せ旧アミ55の豪華路線を踏襲、Rrハガラスハッチのままながら新デザインの角型テールランプを採用、Frフェイスもエコノを含め異形角型2灯ライトとしイメージを大幅に変えています。
フェンダー、ボンネット、ドアはデザインベースはF4時代からの流用ながらBピラー以降は直線的なラインが採用されRrサイドウィンドゥも角ばった大型のものになっています。
このRrスタイル変更によりこの部分が拡大されホイールベースを延長し全長はアミ55の3175mmを規格ギリギリまでサイズ拡大をし高さも30mm上げられ居住性を改善しています。

搭載エンジンはアミLにG23B、エコノは2G23と呼びが違う同じエンジンをアミ/55バンから継承しますが低速重視のチューンに変更されています。(スペックに変更なし)
また、この時にミニカでは初となるイージードライブが可能となる2速セミAT仕様がアミL/エコノ両モデルに設定、この時期の軽の主流ユーザーだった女性に訴求しています。

(81/12)
エコノに2シーターを追加。

(82/5)
完全な女性仕様(内装の柄や色合いなど)とした『エコノ・マリエ』及びより低価格の498,000円である『エコノ・Sスペシャル』を追加設定。

(82/12)
小変更が行われ三菱のシンボルマーク変更によりグリルセンターにあったオーナメントが廃止され新シンボルの【MMC】エンブレムをグリル右にオフセット配置する新たな顔付となりこれが72yのF4から続いた3/4代目モデルの最終型となります。
この時、アミL最上級となる『CX』が追加設定、CXにはリモコンミラーやカセットステレオが標準装備された高級バージョン。

(83/3)
この時期三菱が掲げた“フルラインターボ”の末端を形成する軽自動車初のターボモデルを追加、これにより軽~大型トラック(グレート)・バス(エアロシリーズ)まで内製(三菱重工製)ターボチャージャー搭載モデルをラインナップするという“三菱フルラインターボ”が完成、国産初のターボ搭載は日産に先んじられましたがその後怒涛の勢いでターボ搭載モデルをラインナップしフルラインターボの完成で「三菱=ターボ」のイメージを築いたのは有名な話しです!

世はまさにターボブーム真っ只中のこの時代ですからミニカのターボ化は注目されF4時代から地味な印象が拭えなかったミニカのイメージを変え今まで見向きもしなかった当時の若い世代(つまりはワタクシれの世代)や走り重視の層にも注目を集めました!

↓軽初のターボモデルも加え最終型となってようやく注目を集めました!
(左からアミL・CX/エコノ・ターボ/アミLターボRr/アミLターボFr インパネはアミLターボ)


(83/4)
認可となったドアミラー装着モデルをラインナップします。

↓ドアミラー化されたアミLターボ㊤とエコノターボ㊦



注目のターボは従来のG23B型にターボチャージャーを装着、性能はグロス39ps/5.5kgmというもちろん軽としては当時では破格の性能でありこのアミL/エコノ・ターボがきっかけになり後年、アルトワークスやミラTR-XX、ミニカダンガンといった第二次軽ハイパワーブームに突き進んでゆく事になります。
これら後発の64psを誇るハイパワーミニに較べると30ps代のpsとまだ電子燃料噴射装置が採用されず加圧式キャブレター式ターボというのも振り返れば奥ゆかしい感じですが当時は軽、ミニカといえども後ろに付かれるとターボモデルの特徴であるボンネット上のパワーバルジをよくミラーで確認したモノです、バルジがあると侮れない怖さ?がありました(笑)

(84/2)
シャシベースのH100系からは15年、ボディベースのF4からは12年を経た3/4代目ミニカは遂にベースから新設計となる5代目『H11A/V・H12V・H14A/V・H15A/V型ミニカ』にFMCされました!

↓15年ぶりに新設計された5代目ミニカ(前期エコノG)


69y当時はHBなど先進装備で人気UP!!!売上UP!!!だったミニカですが70年代中頃から軽自動車市場そのものが急速に縮小しミニカの人気もDOWN!!! A100系からのイメージ変更の失敗もあり71yには10万台オーバーの販売を誇っていましたがF4切り替え後の73yには約半分の5万台強まで落としその後も年々販売は下降、79y以降のアルトの快進撃もあり軽自動車界に活気が戻るもののライバル各車のように居住性に有利なFF、80年代を生き抜く新設計シャーシを持たないミニカは最終アミL/エコノ時代の82yには1万台まで販売を落としブービー賞(汗)ターボ追加で83yには2万台強まで回復するもダイハツ/スズキの足元には及ばずさすがに80年代は60年代設計のシャシと普通車でも旧態化しつつあったFR機構では限界となりH10系へのバトンタッチとなった訳です。
規格改正や排ガス規制などミニカ史上でも激変の改変が行われた3/4代目モデルはF4デビュー~最終アミL/エコノまでどうしても地味な印象がつきまとい12年間、DOWN生涯だったと思います…

かつてはダイハツと首位争いまで演じたミニカ、その人気UP!!!再来に期待を背負ったH10系5代目ミニカの活躍は如何に!

(次回5代目H11A/V・H12V・H14A/V・H15A/V型ミニカに続く)
Posted at 2018/05/27 16:21:08 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年09月03日 イイね!

保存版“華麗なる一発屋!!!”…スタリオン編

保存版“華麗なる一発屋!!!”…スタリオン編 好評(?)“華麗なる一発屋!!!”シリーズ、再び三菱車になります(^^;)
いやー、結構条件厳しく考えてもあてはまる『一発屋』が我が三菱に多いのは喜ぶべきか悲しむべきか????

今回取り上げたい『一発屋』は現役時は決していい評価は得られずスポ車不人気の代表格とされていながら今現在、菱マニアから火が付き最終型ではマニア以外でも結構注人気高い注目の『A182/183A型スタリオン』です!!!

スタリオンは82/5に発売されたモノ、70yのギャランGTO→76yのギャランΛの三菱のスペシャリティカー路線を継承したモデルです。

82/5、Λに代る新車種として登場したスタリオン初期型(GSR-X)



シャーシやエンジン、機構は80/5発売のA162~164,167系の二代目Λをそのまま流用、これに流行のリトラの顔を持つスポーツカーの衣装を着せたのがスタリオンです!
ΛはセダンであるΣの2HTバージョンとして初代は大ヒットしましたがキープコンセプトでフルチェンされた2代目はあまりにも外観が先代と変わらず中身は大幅に進化はしていながらΣも並んで初代ほどのヒットにはならず特に82年頃には2HTの人気が急速に低下、各車(社)これまでスポ-ティの花形だった2HTをカタログモデルから落としたり当時これに代る注目を集めた4HTに移行したりという時期、2HTだからこそのΛはこの頃から行き場を失いかけており三菱は土台は残してよりスポーツ度の高いスタリオンとして登場させた訳です。 (尚、Λは車種整理しGSRのみ暫く併売され84yに生廃)
よって厳しい視点ですと代替わりが行われたΛのネーミング変更でないの?とも取れますがΛ時代パーソナルカー的コンセプトからスポ根路線に変更された事、これにより対象ユーザーの変更もありネーミングも違いまた立ち位置的に後続のGTO(Z16系)はディアマンテベースの4WDという全く別系統の新車種となりますのでスタリオンは一代限り!これにて『一発屋』として認定、一件落着です(^▽^;)>゛

↓ベースとなったギャランΛ/エテルナΛ(前期81yギャランΛGSRターボ)


さて、スタリオンですが機構やエンジン等はΛから流用され搭載エンジンは2種。
メインとなるのはΛ/Σでお馴染のシリウス80 G63BT 4気筒OHC-ECI 三菱重工TC05ターボチャージャー付145ps/22kgと廉価版用にG63Bの1キャブレターNA 110psを設定、これをオーソドックスに縦置き+FRというのもΣ/Λと当然同一です!

この種のモデルとしては当初グレードが多く上からGSR-X、GSR-Ⅲ、GSR-Ⅱ、GSR-Ⅰ、GXの5モデルがラインナップされていたのは驚きでライバルとしたZやセリカXX、サバンナRX-7等より一時は多いモノでした。
これらはGXを除き装備の差でして一番初期モデルで見かけたのはやはり最高峰のXとⅢだったかなと思います。

↓GSR-Ⅲ


脚廻りはGXを除いてΣ/ΛのGSR系で好評だったオールストラットの4独、GXはRrがリンク式リジット…。

スタイリングはやはり三菱!って感じですね~、Z、XXやRX-7のような流麗さはなく一言『ゴツイ』。。。
流行のリトラの顔はいいとしてもバンパーから下の処理はお得意の“ガンダムチック” インパネなんかも他ライバルに較べるとゴツさがありまたはどちらかと言うとファミリーカーと大差ない?って感じで個人的には迫力不足を感じました。

インパネはまたもやクラスタースイッチの登場(写真は終盤GSR-VR、基本は初期からほぼ変更なし)


余談ですがルーツのギャランGTO、初代Λがズラリと並ぶ連メーターで非常にスポーティムード満点でしたからこのインパネはセダンのΣと大差なくガックリがワタクシ正直なところでしたが後続のZ16系GTOではその連メーターが復活しかなり嬉しくインパネだけでも買ってもいいかな?なんて思えたクルマでした(汗)

スタリオンはこうして第二次ハイパワーブームの中、華々しくデビューしましたが三菱の目論みとは異なり激戦のライバルが次々にハードモデルを発売、追加してゆく中これに埋もれたようにあまり話題にはならず当時現役のスポ車○チ○イのワタクシもXXやZから目を向ける魅力は正直なかったです。。。

そこで83/7、GSR-ⅡとⅠにG63BTに日本初の空冷式インタークーラーが装着され175ps(グロス)としパワーUP、この時廉価版GXはカタログ落ちしてますがワタクシ、GXって多分実車見た事ありません?今の世でお目にかかってみたいものですが以前みんともE33さんの調査では現存6台との事!意外に残ってる?感じですがどんなヒトがお持ちなのか興味深々です。。。

84/6、マイナーチェンジが行われフォグ埋め込みの大型スモール&ターンシグナルのより迫力ある顔となり同時に可変バルブ式3バルブ化した「シリウスDASH」とネーミングされたG63BT、インタークーラーターボ グロス200psのハードモデル、GSR-Vを追加、これはかなりの注目度でシリウスダッシュはワタクシ、同じく新搭載されたE1系Σで経験しましたが後のVR-4の荒々しい加速とは異なるモノのこめかみを掴まれてグイッと引っ張られるような加速が非常に魅力あるエンジンでしたねー。
VR-4やエボで名機と謳われたDOHC4バルブインタークーラーターボの4G63が後にあまりにもメジャー化したので忘れかけられていますが非常に印象にあるG63系エンジンのもう一つの傑作だと思います!

そしてスタリオンは85/9に小変更を経て87/2、特別限定車としてGSR-VRを追加します。
GSR-VRは性能等はGSR-Vを踏襲しながらワイドボディ化され3ナンバーボディを手に入れました!
これは北米仕様のボディ、ブリスターフェンダーとなりその迫力はそれまでのスタリオンが一気に色褪せる程のイメージ一新で5ナンバー時ではゴツイさだけで迫力は感じなかったモノが一気にマッチョ化し相変わらず流麗さでは劣るモノの一層のド迫力という点でライバルに勝負を挑みました!!

84yに追加されたGSR-V(写真は85y~モデル)と87y追加の限定車GSR-VR


しかしスタリオンは度重なる変更や高性能化、ハードモデル追加がなされながら人気は三菱が期待する程の上昇はならず更なるテコ入れ策としてモデル終盤にきて思い切った策を取ります!
88/4に前年限定で発売したGSR-VRが一定の評価があった事と税制が変わり3ナンバー車が有利に流通するようになった背景を捉え車種編成を見直しモノグレード化、ボディはワイドボディーとし何と搭載エンジンを86年までA30デボネアに積まれていた古いG54B型4気筒2600ccOHCにインタークーラーを装着した2600GSR-VRのみのラインナップとしました!

88/4、終盤になり思い切ったグレード整理の末モノグレード化された2600GSR-VR


この2600には驚きましたねー心底( ̄□ ̄;)!!
「スタリオン、ヤケクソか?」ってな具合で…
これはエンジン、せっかく気合を入れ新開発したシリウスダッシュを捨ててまで忘れかけていたデボネアのエンジン、G54Bを積むとは何で今更こんなん引っ張り出してきたん?と思いましたがコレは日本ではイマイチながら人気の高いアメリカ市場を意識した政策で馬力よりはトルクフルを重視する米人好みに合わせたモノ、もちろんデボネア時代のNAではなくこれにインタークーラーターボを組み合わせNAの120psという頼りないものから175ps/32kgというまさに“アメリカン”的ツアラーに味付けされていました!
シリウスダッシュの200psを失ったのは残念ですが性格を上記のように高速ツアラーに変更した最終モデル、見かけ同様トルクでグイグイ走る別の存在価値を見出したかのように最終に来てこれにより人気も上昇、皮肉にも性格変更した最終型スタリオンが一番輝いていたと感じましたねー。
性格を表すかかのように2600になりAT率が高かったのももはやマニュアルでガンガン攻める走りは87年に発売されたE39AギャランVR-4に潔く譲った結果だったと。。。

さて、スタリオンは三菱らしくモータースポーツでも大活躍していました!
詳細はwikiを見て頂く事として(手抜き…汗)グループA/Bへの参戦と実際には諸般の事情で実戦参加はなかったもののWRC制覇を見込んでスタリオン4WDラリーを開発、当時WRCで最速と言われたアウディ・クワトロの走行性能をも上回る片鱗をのぞかせていました。
この4WDラリーはその後WRC以外の実戦走行も行われその後も研究、開発は続けられその成果は後のギャランVR-4→ランサー・エボリューションで花開く事となります!!

Gr.B参戦用に開発された360ps/32.0kg-mを発生する2091ccのイン
タークーラー付シリウス・ダッシュ、ビスカス4WDシステムを搭載し
たスタリオン・4WDラリー


こちらはスタリオンターボGr.A


この他国内ツーリングカーレースを始め海外のサーキットでも活躍しています!

そしてワタクシ目線でのスタリオンのもう一つのスタリオンの活躍→それは“メディアなスタリオン”です(笑)

89年~放送された石原プロ製作のアクションドラマ「ゴリラ 警視庁捜査第8班」!!
このドラマは西部警察を大ヒットさせた石原プロが石原裕次郎氏死去後、渡哲也氏が社長に就任、亡き裕次郎にオマージュの為製作された西部警察を上回るアクションを売りにしたモノ、まぁドラマの中身はイマイチだったのですが大都会シリーズ~西部迄石プロ伝統だった車輛提供(協力)=日産自動車からこれが何故か三菱自動車に変更、ドラマの中では各三菱車が活躍しましたがこの中、主役の渡哲也にE39AギャランVR-4、準主役の神田正輝にデボネアAMG、そしてもう一人の準主役の舘ひろしが操るスーパーマシンとして最終スタリオン2600GSRを採用、ギャラン/デボネアは外観に変更ないがスタリオンはドアを前作、西部警察のスーパーマシンであったS130フェアレディZがそうであったようにドアをガルウイングに改造され大注目されました。
このガル仕様はファンの要望もあり東京三菱自販で限定5台が販売され国内初の市販ガルウイングでありました!

「ゴリラ 警視庁捜査第8班」に登場したスーパーマシン・ガルウイングスタリオン


以上のように81yのスカイラインRSが火を付けた第二次ハイパワーブームにのっかり82yにデビューしながらゴツイスタイルが災いして必死のライバルへの追撃も身を結ばなかったスタリオン、最終になり方針転換しアメリカン的GTカーになり注目されるも時既に遅し、時代は89yに280psで登場したZ32フェアレディを皮切りによりハイパワー路線に向かい始めた日本のスポ車市場に対し三菱はこれに呼応するために80y設計(Λ)の古いシャーシであるスタリオンに見切りを付け新たに4WD+280psの新星GTOに後続を託しスタリオンは90年をもって生廃となります。
振り返れば8年間という長きに渡り三菱スポーツのTOPを受け持ちながら決して脚光は浴びませんでしたが次期GTOの評価が芳しくない事や生産期間の短さ、レア度から最終2600GSR-VRは中古車市場、スポ車専門店でも高額プレミアが付き始めており少ない三菱の【名車】にどうやら入閣か!っていう現在、遅きに訪れたスタリオンの春を現役時のイマイチ人気を知る世代には感慨深いモノがあると思います!
名車列伝には乗り切れないかもしれませんが間違いなく“華麗なる一発屋”であると確信しておりますv(^^)v
Posted at 2017/06/06 21:33:36 | コメント(0) | トラックバック(0) | 一発屋 | クルマ

プロフィール

「”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第44弾!! http://cvw.jp/b/2682511/48498943/
何シテル?   06/22 00:11
元GureのHNで活動、新規ネタ&過去ネタをUP中、過去記事はかつてほぼ移住していた山梨や本拠でのクルマ弄り記録や過去シリーズ的に上げていた独自の企画モノを再U...

ハイタッチ!drive

みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2011/9 >>

     1 2 3
4 5 6 789 10
11 12 13 14 15 16 17
18 192021222324
252627282930 

リンク・クリップ

あのクルマの系譜・その21~三菱GTO編~  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2020/04/16 22:31:38
《新企画》あのクルマの系譜・その1~三菱ギャラン編~ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2020/02/12 17:16:21
あのクルマの系譜・その2~三菱ランサー編~ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2020/02/12 17:16:05

愛車一覧

三菱 ランサーエボリューションIV 三菱 ランサーエボリューションIV
2015年導入、当時凝っていた菱旧車集めの1台で一時息子に乗らせながら共同所有、2022 ...
三菱 eKスポーツ 三菱 eKスポーツ
2023年11月より愛用、常に2~3周遅れで三菱軽を愉しむワタクシ、パジェロミニVR-Ⅱ ...
ヤマハ XJR1300 ヤマハ XJR1300
単車らしいオーソドックスな80年代風ネイキッドスタイルはやはりワタシの年代には刺さる!! ...
スズキ ジムニーシエラ スズキ ジムニーシエラ
次男坊が初購入の新車!我が家として平成9年のエボⅣ以来24年ぶりの新車迎い入れ! 次男 ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation