今週末はモナコGPですね。
モナコについてもまだまだ話題はあるのですが、
前回のブログにも書きましたし、今日は隣国?フランスの話題から。
パリやミュンヘンなど欧州の歴史ある大都市は、厳しい建築規制がかけられており、統一感のある美しい街並みを守っています。しかしフランクフルトなどドイツの大都市は、先の大戦での連合軍の度重なる爆撃によりことごとく破壊され、その後の戦後復興期に建てられた無機質で味気ないコンクリートやモルタルの建物が大半を占めています。
1980年代からはロンドンやフランクフルトなどで、それまで高層ビルがなかった欧州にも数十階建ての建物が建設されるようになりました。
ドイツの経済の中心地、フランクフルト・アン・マイン空港(マイン川の畔のフランクフルト)には、通常東側からのアプローチになりますが、飛行機の右側の窓からマイン川を挟んでフランクフルト市内に林立する超高層ビル群を見ることができます。
フランクフルト中心部の高層ビル群です。
ロンドンのヒースロー空港のアプローチも通常東側から(欧州や日本など北半球中緯度の地域は通常西側から風が吹くので風に相対して東側からの着陸になります)、テームズ側の右岸南側を低空で飛行し着陸します。テームズ側を低空で飛行する際、同じく右側の眼下、テームズ側左岸沿い、シティのあたりに高層ビルが見えます。
テームズ側左岸、シティ地区の高層ビル群です。
しかし、EUR経済圏第2の国家であるフランスの首都、パリには高層ビルが存在しません。
厳密には、モンパルナスタワーとコンコードホテルの2つのビルが市の中心部を挟んで全く反対側の場所にポツーンと立っているだけです。
モンパルナスに屹立するモンパルナスタワー。
パリ郊外のデファンス(La Defense)地区のあるホテルの部屋で目覚めて、窓から目にする景色はこれです。
l'Arche de la Défense(アーク・デファンス、デファンスの門)、またはLa Grande Arche(ル・グランダルシェ、大きな門)です。(日本語ではパリ市内の凱旋門の新しい版と言う意味で「新凱旋門」と言っています)
この建築物の巨大さ! 下の階段を上っている人の大きさと比較してお分かりになるでしょうか?
この大きな門状の建築物はパリのシャンゼリゼ通りからエトワール凱旋門を延長した位置に1989年に完成しました。幅:108m、高さ:110m、奥行き:112m、ほぼ正方形の立方体状の建物の中をくりぬいた形になっており、建物の中の部分は高層オフィスとして使用されています。
このグランダルシェはパリの3つ目の門で、エトワール凱旋門(いわゆる有名なあの「凱旋門」)、そのルーブル側にカルーゼル凱旋門(この2つの門は19世紀初めにナポレオンの勝利を記念して建設された)があり、それから約170年後の1982年、ミッテラン大統領の時に計画され、建設が始まりました。
グランダルシェを背に、パリ市内のエトワール凱旋門方向に続く道です。
このデファンス地区はパリの新都心として計画され建設されました。近代的な超高層ビルが林立し、日本でも有名な世界的規模の保険会社アクサや、BNPバリパ、国営石油会社のトタルなどフランスの代表的な企業がオフィスを構えています。
またこの地域にはこれらの企業に勤める人々が居住するとてつもなくユニークでモダーンな形をした超高層マンション(フラット、アパルトマン)も林立しているのです。(残念ながら写真が撮りそびれてありません・・orz)
なおこの地区にもしレンタカーで行こうと思っておられる方がいらっしゃいましたら、絶対にお勧めできません。このモダーンな都市計画によって作られた都市、道路もファッショナブル?(笑)に作られていて、曲線だらけ、全然まっすぐな縦横に交差する道路がないのです。常にくねくねとカーブさせられ、何回通っても目的の場所に行けないのです(苦笑)。また、道幅が非常に狭く、車1台しか通れない幅で、道に迷っても、後続車が来るので決して止まって考えたりできない(だから写真も撮れない)、地獄の迷路のような道です(苦笑)。そしてその迷路の中に突然出てくる高速の入り口が何か所もある。気が付いたらいつの間にかパリ行の高速に乗っていたりします。(笑) 目の前に見えているホテルやビルにいつまでたってもたどり着けない・・・(苦笑)
という訳で、この地区、ホテルはパリ市内よりかなり安いんですが、最近は決して近づかないようにしています(笑)。(ちなみに電車で行くのは簡単です。パリのサンラザール駅(「地下鉄のザジ」の舞台の駅)からローカル線で1本です。)
パリ市内、エトワール凱旋門から遠望したデファンス地区です。
パリ市内やエトワール凱旋門周辺の景色については
こちらのブログで。
実は、このグランダルシェ、天気のいい日はエトワール凱旋門の手前のシャンゼリゼ通りからも眺めることができるんですよ。
19世紀初めの凱旋門を20世紀の終わりにアレンジしてこのような思い切ったモダーンな都市計画ができるパリ、フランスと言う国。いつまでたっても会議ばかりで決定できないだれも責任を取らない国、日本、とは残念ながら大違いの気がします・・・
フランスと言えばF1フランスグランプリ、
マニクールでも
ポールリカールでもいいから、もう一度復活してくれないかな・・・
Posted at 2022/09/01 18:30:29 | |
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ホテルの窓辺から | 日記